二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【イナズマイレブン】〜試練 ( No.386 )
- 日時: 2011/03/30 19:49
- 名前: 携帯しずく ◆UaO7kZlnMA (ID: ZgrHCz15)
- 参照: http://www.kigurumiya.com/item/animal/pengin.html
三月も終わりのイナズマジャパン宿舎。澄んだ青空で今にも一眠りしたい気分ですが、イナズマジャパンの選手たちは何やら忙しいようです。
「守くん。このテーブルクロスが先だよ」
「え、そうなのか?」
冬花が、花瓶をテーブルに置こうとしていた円堂にテーブルクロスを見せて注意します。白いレース状のそれを両手で広げ、机の上にふわっとかけました。
円堂も手伝い、テーブルクロスを綺麗に伸ばすと、上に赤い花が一輪入った花瓶を置きます。
その横では、春奈が試合の応援で使うメガホンを片手に、ひっきりなしに指示を出しています。別にメガホンがなくても、問題ないと思います。
「壁山くんたち一年生は、壁の飾り付け。他のみなさんは、部屋の準備です!」
工事現場監督さながらに春奈が指示を出して、壁山たち一年生は、壁の装飾を始めます。
色紙を切って、輪を作り、それを鎖状に繋げ、長い紙の鎖を作ります。
立向居だけは、キャタツに乗り、高い場所に金と銀の星を張り付けていました。もちろん折り紙を切り抜いたものです。空から持ってきてません。作者が言うから間違いない。
「音無さん! 星を貼り終えました!」
「やりましたね! 立向居くん!」
立向居が、キャタツの上からやりおえた清々しい顔つきを春奈に向けて、春奈はジャンプ。何で同い年なのに敬語なんでしょう。工事現場の上司と部下っ(修正されました)
一方、二年生組は食堂の机と椅子をせっせと運んでいます。秋と虎丸は料理してますが、それはそれ。鬼道に不動産じゃないや。不動、佐久間に蓮は何故かいません。外出でしょうか。いいえ、サボりです。きっとそうじゃなイカ?
ところでさっきから、イナズマジャパンは何の準備をしているのでしょう? イギリスみたいな親睦会〜。にしては、みなさんジャージ率高いです。ジャージで親睦会とは恐れ多い。
あ、壁の上に手製の看板発見。段ボールを長方形に切って、紙を張り付けたモンです。でかでかと『hippy birthday! 白鳥 蓮!』の赤い文字。
これ書いたの綱海です。文脈から判断するに、『happy』と書くつもりが『hippy』になっちゃったよう。 hippyとは、ヒッピー族のこと。説明すると長くなるんで、気になるかたはGoogleや電子辞書でどうぞ。
「綱海さん、これじゃあヒッピーですよ!」
「え? あ、いけねえ。オレとしたことが間違えちまったぜ」
あ、立向居が気付いた。キャタツを看板の真下に設置し、赤いマジックで”i”の文字に大きなバッテンつけます。上に””a”と書き直します。黒い卵は出ません。むーりむーりー。
「ところで白鳥くんは、まだ眠っているのかな」
机を運び終えた吹雪が、手で軽く汗をぬぐいながら、天井を仰ぎながら呟きます。
「あいつ、いつもなら早起きなのに、珍しいな」
吹雪の向かいに立つ風丸が言いました。
蓮は基本的にチーム内では早起きです。朝から元気に自主トレしてます。
「もし主役の白鳥くんが起きてきたら、困っちゃうね」
「音無。昨日から、準備しておくべきだったんじゃないか?」
風丸が春奈に話を振って、春奈は自信満々に断言しました。
「先輩は昼まで絶対に起きてきませんから、大丈夫です」
「どうしてかな」
「私が昨日、先輩の夕食にこっそり睡眠薬を混ぜたからです!」
吹雪と風丸は呆然。そりゃそうです。色々間違っています。フツーそこまでするか?
春奈は、口をぽかんと開ける二人をみて、必死に弁明しました。
「ちゃんと用法・容量ともに守っていますから、平気です!」
そういう問題じゃない。風丸と吹雪の困惑は、ますます深くなる一方です。自然の反応ですね。
ちなみに春奈が使用した睡眠薬は、サイレース、別名フルニトラゼパム。アメリカ国内に持ち込みが禁止されている薬です。マークたちは使えない。
「薬が切れるまで後、六時間です。吹雪先輩、風丸先輩早く、早く!」
春奈が早くしてと風丸と吹雪をメガホンごしにせっつき、二人は渋々別の机を運び始めます。だからどこの工事現場d。向かいあい、机を持ち上げ、運びながら、
「……白鳥も大変だな」
「そうだね」
二人は苦笑いしました。
それから太陽が一番高いところに昇る、確か南中でしたっけ。南中する頃になっても、春奈の手にかかった蓮はまだ眠っていました。
眠気に耐え切れずベッドにダイブしたため、毛布も何もかけないで、うつ伏せのまま眠っています。ジャージのままだし、青い靴下も履きっぱなしです。いけません。と、蓮の部屋の扉が勢いよく開け放たれ、
「起きてください! 白鳥先輩!」
嬉々とした表情で、メガホンから大きな声を飛ばすのは、春奈です。青い髪を振り乱しながらお部屋に侵入。あ、事件の超本人です。
蓮は春奈が入っても、夢の世界の住人であることを止めません。背中が上がったり下がったりしてます。ありえない、何かの間違いではないか? 恐るべし睡眠薬。
「せんぱーい! 起きてください!」
今度は、蓮の耳にメガホンを当てて大きな声を出します。耳元で大きな声を出せばどうなるか。はい、蓮は黒い目を限界まで見開いて、上半身を起こします。 耳をふさごうとして反対の耳しか塞げませんでした。声が雷のように右耳から左耳に駆け抜けたような気がします。耳がじんじんしていました。
「な、何? 春奈さん?」
痛む耳に顔をしかめながら、蓮は声を絞り出します。前髪は跳ねています。気合で押さえつけました。
春奈は蓮に詰め寄ると、ジャージの袖を鷲掴み。無理やり前に引っ張られ、蓮は危うくベッドから転倒するところでした。鬼道さんがいたらどう思うでしょう。ライオコット島のトップニュースになるところでした。
「先輩、早く食堂に行きましょう!」
「う、うん」
蓮は春奈の気迫に圧倒され、唯々諾々(いいだくだく)と従います。ベッドから降りると、半ば春奈に引きづられるように階下へと降りていきました。この時、この人は自分の誕生日を忘れていました。
そして食堂に着くなり、パンパンと何かが弾ける音。同時に火薬の匂いが鼻をつきます。びっくりして辺りを見渡すと、円堂たちが壁に沿うように並び、それぞれの手にクラッカーを持ち、蓮にこやかに笑いかけていました。鬼道たちこうていペンギン3号組はどこへエスケープ?
「お誕生日おめでとう、白鳥!」
みんなが一斉に祝福の言葉を投げかけ、蓮は目を丸くします。途端、身体全身が火照るのを感じました。照れからか頬を染めて俯いちゃいます。春奈がお母さんで、恥ずかしがりやな子供の手を引いている構造に見えます。
「あ、ありがと……です」
円堂たちをおろおろと見ながら、緊張からようやく吐き出した言葉はそれ。何故敬語になる。蓮は改めて周りを見渡します。
壁は多くの星や鎖状に編みこまれたわっかでデコレーションされ、にぎらかに。途中、例の看板を見つけ、ヒッピーの言葉に思わず目を細めました。字から犯人も割り出した様子。呆れた視線を向けました。
テーブルには花瓶が置かれ、クロスがかけられ、香ばしくきつね色に焼けたチキンや、新鮮そうな野菜を作ったサラダが並びます。おかわりは何倍でもどうぞ。昼前ですが筆者の胃袋が鳴ってます。またそのテーブルの一つには、大きなバースデーケーキが。残念ながら一段飾りですが、生クームといちごをふんだんに使ったデコレーションケーキです。火のついたろうそくがきちんと14本並んでました。
「あれ、ところで鬼道くんに不動くんに佐久間くんは?」
三人がいないことに気づいた蓮が三人の姿を求めると、春奈はメガホンを口に当てて息を吸います。さあ、こんな時はあの人の名前を呼ぶのよ! せーの!
「お兄ちゃんたち、出てきてー!」
声に円堂たちの視線が蓮の後ろに集中します。壁山や栗松が噴出して、小さく笑い声を立てています。蓮は不審に思いながら後ろを向いて、目の前の光景を全力で疑いました。
そこにいたのは三匹のペンギン、いえ色違いのペンギン着ぐるみに身を包んだ鬼道と不動と佐久間でした。
デフォルメ化された目とくちばしつきのフード。ペンギンの羽部分はしっかり再現されており、手が覆われています。ちなみに鬼道の色は黒、不動は赤、佐久間は紫となっています。足元は出てしまうためか靴下を履いていますが、三人とも黄色と言う統一っぷり。しかも三人とも、恐ろしいことによく似合っています。春奈の目に狂いはない様子。
三人とも嫌そうな戸惑うよーな顔つきですが、円堂たちには馬鹿ウケ。腹を抱えて大爆笑しているもんが大勢います。控えめな吹雪や風丸ですら声を上げて笑ってました。大爆笑の渦です。笑われた本人たちは、困った顔付きに。蓮は、春奈からそっと離れると、恐る恐る尋ねてみます。
「さ、三人とも。……その格好はどうしたの?」
「……春奈に白鳥先輩のためと頼まれ、断る暇も与えられずにやる羽目になった」
「ったく、鬼道くんの妹はこえーな」
「オレもいつのまにか頭数に数えられていた。不動も同じだ」
三人が苦々しく呟いて、蓮は激しく同情の意を示します。鬼道はシスコンですから。断れなかったらしいですが、他の二名は強引に巻き込まれた様子。春奈の勢いはつくづく怖いです。
「さあ、みなさんで先輩を祝う歌を歌いましょう!」
ノリノリの春奈がメガホンを両手で持って叫んで、秋と冬花が手をたたき始めます。リズムとっているんです。ピアノなんてないしね。
誕生日の定番ハッピーバースデーをみんなで、合唱します。大きく、楽しげな声が辺りに響き渡りました。ペンギン組みもちろん合唱。ですが時々、ぺーんと謎の奇声を発したり、わざとスキップしたりして、爆笑の渦を再度作るのです。本人たちは嫌そうで、ノリが悪いです。むしろそれが面白さを倍増させている様子。
蓮もつられて勝手に歌っていましたが、その声は澄んだ美しい歌声。白鳥の苗字は伊達じゃありません。 そしてハッピーバースデー白鳥、と自分で自分に歌ってしまい、そのことに気づいたのは、歌い終わり、みんなが拍手をしながら駆け寄ってきたとき。蓮はあっと言う間にみんなに囲まれ、頭をくしゃくしゃと撫でられまくります。髪がものすごく乱れまくりました。
「よーし! 白鳥、ろうそくの火を消せ!」
お祭り大好きな綱海が言って、みんなは自然と蓮が通れるように道を開けます。
蓮はケーキの前に立つと、ろうそくの先端で揺れる小さな炎めがけて息を吹きかけます。一気に十四本すべて消えました。筆者はいつも2本くらい残りますが。そして白い煙と共に喝采が沸き起こります。蓮は喝采を背に受けながら、消え行く煙を見つめながら、
(最高のバースデー、かな)
にっこりと微笑みました。
しかし四月には春奈が蓮と同じ年になり、複雑な思いをすることになるのはまた別のお話です。
(こんな仲間に恵まれて、最高のバースデーだ)
〜FIN〜
携帯は三点リーダーもでないし、スペースもでなくて不便ですorz
久々の呆ラノベ調。アニメやcmのパロディネタがいくつかあるので、是非とも探してみて下さい。
今回は突っ込みどころしかないやw鬼道さんにコスプレさせたかったorz不動や佐久間も犠牲になっていますが、それはしずくの趣味ですw
描写が下手で想像しずらいと思うので、参考にした着ぐるみ画像をはっときます。不動や佐久間のは色違いですが、ご想像願いますw
あ、これから出かけるのでコメント返しは保留ですorz