二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: とんがりボウシと魔法の365にち〜メロディ魔法学校の日々!〜 ( No.75 )
- 日時: 2010/05/06 22:17
- 名前: 楓蘭 ◆sS3IIIdY12 (ID: TfzvQp12)
「ギャォオオオオ!!」
二人の魔法によって怒り狂ったデュポンはくもの巣から
逃れようとする。
このままでは、くもの巣から逃れたデュポンに
襲われてしまう___!絶体絶命の大ピンチだ。
その時・・・・・!
「ハァアアッ!!!」
何者かの力強い雄叫びがナイル川に響いたと思うと、
あの恐ろしいデュポンに超強力なすさまじい雷が
大きな地響きを立て、襲い掛かった。
「ギャァァァアアァ________!」
デュポンが突然の凄まじい攻撃により叫び声をあげた。
ドォオオオオン________
デュポンはその雷に痺れ、崩れるように倒れていった。
デュポンが倒れた時、地割れをするのではないか__
というくらいの衝撃が襲った。
デュポンはそれくらい大きかったのだろう。
テノールはその衝撃に耐えたが、あたしはその時巻き起こった突風で
吹き飛ばされてしまった。
「うわぁああーーー!」
飛ばされるあたしの叫び声が響く。だが、あのデュポンの
叫び声と比べると、デュポンの叫びが恐ろしく感じられる。
ソプラノが10m、20m、30mと飛ばされていくその時
バサァッ
鳥が羽ばたくような羽の音がしたと思うと、
腰までありそうなサラサラの金髪と、澄んだ夜空のような瞳を持つ
羽の生えた美少年が、あたしを楽々と空中で受け止め、
スラリと静かに地面に着地した。
「あ、ありがと・・・・あなたは・・・・」
あたしはお礼を言い、その少年に何者かたずねた。
「この姿は私ゼウス本来の姿だ。それより、君達に危ない目に遭わせて
本当にすまない・・・・」
「あ、別にいいよ〜。ゼウスが受け止めてくれたお陰で
かすり傷さえ一つも負わなかったんだから!気にしないでよ!」
「そうさ、ソプラノが平気だったんだし、ナイル川の平和も護れたし。
むしろこんな経験してよかったよ」
「有難うございます、親切な方々・・・・
では町にいる神々を呼んできます」
ゼウスはそういうと一瞬で消え、数分すると、
動物の姿から元の姿に戻った神々と共にこのナイル川へ戻ってきた。
「では次に貴方方を向こうの世界に送らせて頂きます」
そういうとゼウスはあたし達の世界と
このギリシアを繫ぐ扉を呼び寄せた。
あたし達はその扉を通り、元の世界へ戻った。
☆メロディ魔法学校前☆
「本当に有難うございます。お陰で私達のギリシアは
救われました。これはお礼です。」
そう言ってゼウスが渡したものは・・・・・
ダイヤモンドで出来た杖で、先には黄金に輝く
クラウンが付いていた。クラウンは少し色が違い、
あたしのは薄い黄色、テノールのは薄い緑だった。
「それは皇帝の杖です」
「わあ、綺麗!キラキラしてて、夜空の星みたい」
「こんな凄いもの・・・・もらっていいのか?」
そこでテノールは恐る恐る聞いた。
「構いませんよ。貴方達には救われました。
それに『まじない、友達、来る』という呪文をこめ、
杖を振ると、どこにいても出会った神を呼び寄せる事が出来ます。
今呼び寄せることが出来るのは私だけですが・・・
そのうち、色んな神達と出会っていくでしょう。
そうなるとその杖が必要になる時がくるでしょう。
あとはその杖の機能は通常の杖と同じです。」
「すご・・・・神を呼び出せるって・・・・・!」
凄いものをもらってしまった。
「ですが、神を呼び出せるということは、信用できる人にしか教えては
いけませんよ?悪用する者もいますから・・・」
「分ーかってるって!ていうか教えたくないよこんな
凄いもの!ずっと大切にするからね!」
そういうとゼウスはにこっと嬉しそうに微笑んだ。
あたし達もつられて笑った。
「そろそろギリシアに帰らねばなりません・・・・
有難うございました・・・・」
そう言うゼウスの顔は少し寂しげだった。
「また会えるよ!この皇帝の杖でね!」
あたしがそう言うと、ゼウスは再び微笑んだ。
すると______
スッ_・・・・chu
「!?ゼウス!?/////」
あたしの頬にゼウスがキスをした・・・・・!
顔が熱くなり、心臓の鼓動が速くなっていくのが自分でもわかった。
「では、私はここで失礼します。またお会いしましょう」
ゼウスはそう言って、悪戯っぽく微笑むと呼び出した扉で
ギリシアへ帰っていった。
『またお会いできる日を楽しみにしてます・・・・
____ソプラノ_____」
そういうゼウスの声が聞こえたような気がした。
「もう!ゼウスのバカ!」
テノールは怒りを抑えている。
悪戯な少年の神ゼウス。
なんだかちょっとカッコいいかもって思っちゃいました・・・。
☆第七話「謎だらけの逃亡者」終わり☆