二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【D灰】…空白の歯車…2/16up ( No.231 )
- 日時: 2011/03/10 16:01
- 名前: なさにえる (ID: WdRs4RJ1)
>>葵
やっぱ作者って何処でもキャラの尻に敷かれてるよーな((苦笑
ハイネ「勿論、ここも例外なく」
なさ「そうそう。って、なんでよぉ!!!!」
ハイネ「うざい」
なさ「酷い!!!」
第13夜
ゲーム
「遊戯 version.ビリヤード」
イブは紅い目でそう呟くと、パントマイムでビリヤードの撃つような仕草をした。
ランダム
「_________乱!!!」
小気味良い音が響いて、見えないボールが打ち出された。クロウの周囲でボールが壁に反響する音が無数に響き渡る。
クロウは鋭い視線で周囲を見渡した。
イブの能力"遊戯"はあらゆる"遊び"を具現化し、攻撃に変える。
_______しかも、全てが"偽り"の……
目の前まで迫っていたボールに夢喰を突き出したが空を切る。
チッ……
クロウは舌打ちをすると悪魔ノ眼の感知能力を最大限に広げた。
_____右か
一見すると何も見えない空間に夢喰を突き出すと鈍い手応えがあった。
「発火」
「夢喰!!!」
激しく爆発したボールを夢喰からのびた蔓が包み込んで爆発の衝撃を押さえ込んだ。
「虫けらのくせにやるじゃない」
「お褒めに預かり光栄です」
「褒めてネェよ」
そう言い捨てた直後、クロウの腕に衝撃が走った。
_____ッ…もう一つ
「発火っ!!!」
「くっ」
爆発したボールがクロウの腕を焼いた。
幸いすぐに身を引いたおかげで服が焼けたが腕に酷い火傷はない。
「あ〜ん、残念。てめぇの腕が吹っ飛ぶはずだったのに」
「悪趣味全開ですね。モテませんよ」
「余計なお世話」
イブはジトッとクロウを睨むがすぐに見下した姿勢を取り戻して、再び突く仕草をした。"見えているボールの数"は五つ。
しかし、再び周囲に跳ね返る音がそれ以上である事を示している。
偽りと分かっていても無意識のうちに目が実体のないボールを追ってしまう。
クロウは顔をしかめると夢喰をかまえる。
ケルベロス
____番犬
クロウはイノセンス、悪魔ノ眸の感知能力を発動する。
目で見えるボールはとりあえず無視を決め込み、イノセンスの方に集中する。
確実に……
正確に……
全てを的確に……
鈍い音を次々たててボールが落ちる音が響いた。
「つまんねぇの」
イブは冷めた口調で呟くと動きをやめた。
「……攻撃してこないんですか」
全てをたたき落としたクロウが尋ねた。
「ビリヤードじゃあんまり効果がねぇみたいだから……変えるわ」
そう呟くと紅い瞳が輝きを増した。
ゲーム
「遊戯……version.黒髭危機一髪」
「_________ネーミングセンス零ですね」
「うっさいわね!!!」
イブはかすかに血管を浮かび上がらせながら即座に噛みついた。
立ち上がるとクロウに向けて足を踏み出した。
___?
クロウはそんなイブの姿を見て一瞬動きが止まった。
、、、
イブが突如として増えたのだ。
まったく同じ姿形をした2人のイブ。
__そして、その人数はすぐに十三人にまで増えた。
「「「「「「どう?」」」」」」
十三人のイブが同時に言葉を発する。
「また虚像ですか」
軽く言っているが油断なくイブを見る。
「「「「「「虚像なんて簡単なモノで澄まさないでくれる???」」」」」」」
言葉が終わる前に周囲に散る。
___上1人、右1人、後ろ2人
イノセンスで感知した位置を把握すると振り向き様に槍の柄の先端で右の一人の脇腹を打つとその勢いを殺さず後ろに迫っていた2人を薙ぐように槍をふって遠ざける。
しかし、本物ではないからなのか攻撃したイブに傷がついた様子はない。
が、クロウは気にせずに夢喰の穂先を上に向けるとそばまで迫っていたイブの腹に容赦なく突き出した。
攻撃が当たった事をしめす衝撃とズブリと言う嫌な音が聞こえた。
瞬間にそのイブがにっこりと笑った。
にっこりと楽しそうに、嬉しそうに、罠にかかった獲物を見る目で……
クロウの背筋を震えが走った。
___マズいッ!!!
「ダ〜ウト」
その言葉が終わらないうちに目の前のイブの目が紅く輝いて_____イブの身体が激しい爆発を起こした。
もうもうと立ち上る塵とその中心で膝をついているクロウを周囲で見つめる十二人のイブ。
「っ……」
焼け爛れた左腕を押さえながら立ち上がる。
ぽたぽたと血が滴り落ちる。
「「「「「てめぇが攻撃するのは自由だけど、はずれを攻撃しようものなら……ドカン!だから」」」」」
十二人のイブの声がクロウの周囲を取り囲んだ。
「「「「「さぁ、どうする。ウジ虫野郎」」」」」
「円舞、霧風!!!」
リナリーの強力な蹴りと周囲を巻き込む風がアンネに襲いかかったがアンネは瞬時に自分の周囲に植物の壁を作り出して風を阻む。
よっぽど厚いようであまり効果はない。
「駄目だよぉ、そんなんじゃ♪」
歌うようにいうアンネは植物を玉座のようにして座っている。
「くっ」
リナリーは唇を噛むと再び足に力を込めた。
黒い靴が空気を切り裂き、一瞬でアンネの背後にまわりこむ。
「ハアアァッ!!!!!」
ズンッ_______
鈍い衝撃音とともにアンネの座っていた植物の山に大穴が開いた。
しかし、肝心のアンネの姿はない。
「ここだよぉ〜、お姉ちゃん♪」
可愛らしい狂気を含んだ声がリナリーのすぐ耳元で聞こえた。
「ッ___!!!!」
バッと振り返ると黒い靴の力で空気を足がかりに一瞬でその場を離れる。
「あははっ♪なんにもしてないのに」
楽しそうに笑うアンネをリナリーは更に警戒の目で見た。
アンネは身体を蔓にからませてさっきのリナリーの攻撃を回避したようだ。
蔓は生命を持つ動物とでも言うように動くとアンネの身体を優しくフロアにおろした。
____めちゃくちゃな能力ね
あの空を飛ぶ男と良い、この植物を操る少女としい、あの変わった技を使う女といい、改めてパスカヴィルのでたらめな力に軽い恐怖を感じる。
しかし、とうのアンネは暢気なもので相も変わらず無邪気な笑顔でリナリーに笑いかけていた。
「けど、お姉ちゃんホント速いよね、一瞬見失いそうになっちゃった♪」
「そう……」
警戒しながら言葉を返す。
「やっぱお兄ちゃんも速いのかな」
「?」
、、、、、、、、
「あれ、お姉ちゃん知らないの?______ハイネお兄ちゃんのこと」
「ハ…イネ???」
突然浮上した仲間の名前に一瞬思考が固まる。
「そ。それって、どうい_______
リナリーの疑問はクロウの方から響いた爆発音にかき消された。
見ればクロウが腕を押さえてたっている。
その周囲の壊れ具合から瞬時になにが起きたかを判断する。
「クロウッ!!!」
叫んで駆け寄ろうとするがその足をなにかがとめた。
みると蔓が数本絡み付いている。
「駄目だよ、お姉ちゃん♪相手は私でしょ???」
「あなた……」
「それとも。他の人たちが怪我しちゃっても良いの???」
捕まっている科学班を見やる。
リナリーは唇を噛んだ。
しかし、あせる一方でリナリーは不思議なほど落ち着いている自分に気がついた。
無邪気に笑っているアンネに一つ一つ言葉を投げる。
「……あなたが、私との戦いで私を傷つけるなら気にしない。けどね」
「仲間を、私の世界を傷つけるって言うなら……話は別よ」
リナリーの纏う空気が変わった。
それを敏感に嗅ぎ付けたアンネは目を細めてさらに楽しそうに言葉を紡いだ。
「遊ぼ、遊ぼぉ♪お姉ちゃん」