二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【D灰】…空白の歯車…4/30up ( No.267 )
日時: 2011/07/01 21:06
名前: なさにえる (ID: aRobt7JA)

まだこの小説を覗いてくれてる方がいたらお久しぶりです。

実に更新は……二ヶ月ぶり!?
マジか、そこまで更新怠けてたんだ……(汗

スイマセン((汗汗



>>葵

ネタバレって言うほどもったいぶって言うほどの事でもないかもだけどね^^



>>風

風のソカロ隊はやっぱいいよ^^







    第17夜



___まずい!!!

アンネの変化を見たイブの顔が青ざめる。



___ここで解く気なのか!!??














「まずは、お兄ちゃんからね?」

「ッ__!」
さらに成長を進める植物の前で動くことも出来ずクロウは唇を噛んだ。



「イブお姉ちゃんを傷つけた罪って重いンだヨ」

感情があるのかも分からぬままアンネの手がクロウの胸ぐらを驚くべき力で掴んだ。





「クロウッ!!!」


アレンが叫ぶ。
急成長を続ける植物のせいでクロウとアンネの姿もかろうじて見えるほどになってしまっていた。

「なんであいつイノセンスつかわネェんだ」
六幻を抜こうとしながら神田は叫んだ。
が、蔓に捕まった時に取り落としたせいで今は手元にない状態だ。





「使わないんじゃないわ、使えないのよ」


リナリーが震える声で呟いた。

「は?だってあいつのイノセンスは夢喰だけじゃネェだろ」
「それにクロウのメインは"悪魔ノ眸"のはずですよ」
「そうよ、先輩がそんなやわな訳……」
リンネも堕天使を使おうとしながら抗議の声をあげる。翼の動きを蔓に押さえられているので飛ぶ事も技を使う事も出来ない。

            サタン
「さっき……一瞬だけど”冥王”使ってた…………」

それを聞いてリンネの脳裏にさっきの光景が甦った。

「アタシを引き離す時……」

  サタン
「”冥王”って短時間だけでもかなり身体に負担がかかるの。クロウのシンクロ率でも少しの間シンクロが狂ってイノセンスは使えない…………」


「そんな……!」














「どうして欲しイ?」


アンネはクロウの顔を覗き込みながら聞いた。

「このままアタシに殺されたイ?」


____手足は植物のせいで動かせない


「体中の骨折られたい?」


____イノセンスが使えるまであと少しか


「この植物に生き埋めにされたイ?」


____さて、どうしますか



「それともぉ」

突如危険身を帯びたアンネの声にクロウは現実に引き戻された。
アンネがひときわにっこりとわらう、笑う、嗤う……


ゾクッ___


クロウの背筋に震えが走った。

開いた方のアンネの手がゆっくりとクロウのイノセンスの嵌った眼にのびる。




「その眼がイブお姉ちゃんを傷つけたんだよ……ね?」
「!?」



_____こいつ……!!

クロウの表情を見たアンネは更に嬉しそうに顔を歪めて…………























「届いた!!!」



六幻をようやく捕まえた神田が叫んだ。
「災厄招来、界蟲『一幻』!!!」
強力な斬撃がアレン達を捕まえていた植物を断ち切った。
と、同時に周囲の植物が枯れ始めた。
「どうしたんでしょうか」
首を傾げるアレン。しかし、すぐにそんな疑問など皆の頭から吹き飛ぶ事になった。




突如、ラボ内にクロウとこの世のモノと思えない叫びが響き渡った。
リナリーは頭の中で反響するその声に聞き覚えがあった。

近くにいた科学班の数名が頭を抑えてうずくまった。
「なん…だ」
「頭が……」







「イノセンスが……………………叫んでる……」





「先輩ッ!!!」
リンネの甲高い悲鳴がラボに木霊した。












同時にラボの中二階の廊下からハイネ達がフィンを捕らえて到着した。


藍歌のイノセンスでここで戦闘が起こっていると知ってきたのだが、目の前でおこっている光景に絶句する。枯れた植物が散乱するラボという異様な光景の中心で幼い少女が一人の男の服を掴んで嗤っているのだ。
少女の血まみれの手と眼から血を流し気絶している男__クロウを見て、ハイネは全てを把握した。


銃を持つ手が震える。
ハイネは鋭いまなざしで少女を見ると言葉を絞り出した。

「イノセンスを……潰しやがったのか」




「だって、イブお姉ちゃんを傷つけたんだもん」
無邪気に微笑むアンネの背後に二つの影が迫った。


 エッジエンド
「破壊ノ爪」
「二幻 『八花螳蜋』」



___ガッ!!!!

激しい破壊音。
仲間を傷つけられた怒りに満ちた手加減などまるでない容赦ない一撃だ。

しかし、その攻撃はすでに無人になった空間に生々しい傷跡を残しただけだった。


「!?」
「速ぇな」
神田が思わず呟いた。





「次はアナタたチ?」


「やめろ、アンネ________!!!」
イブが叫んだ。
アンネはぼんやりとイブの方へ顔を向けた。
その瞳の色が赤から金、金から赤へと変わるのを見てイブの頬を冷や汗が伝った。



         パンドラ
____やっぱり、"禁"が解けかけてる、こうなったらゼン、ルナ、レオナルドぐらいじゃないと……




そう考えてイブは下半身の石の呪いが徐々に消えている事に気づいた。


____適合者が気絶したからか


足の調子を確認しながらイブは機会をうかがった。





一方で上階でエクソシストに囲まれているフィンも冷や汗をかきながら階下の様子を見ていた。

どんな状況かはみれば明らかだ。

             パンドラ
____アンネのヤロォ……"禁"解きやがったな…………






止めようにも後頭部に突きつけられた手裏剣がそれを許さなそうだ。











「早くしろよ、馬鹿レオ。計画ぶち壊しだぜ」