二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【D灰】…空白の歯車…7/1up ( No.276 )
- 日時: 2011/08/17 23:24
- 名前: なさにえる (ID: GHSfKC5a)
>>葵
犠牲者二人目が((笑
「笑ってる君も二回目いっとくかい♪」
え、ちょ。ま、まっt_________
>>蓮華s
はじめまして〜^^
こんな小説にコメントしてくれるなんて嬉しい限りです
こんなんでエネルギー補充して頂けるならいくらでも^^←
第18夜
「〜♪♪♪」
植物の枯れた空間で鼻歌がやけに大きく響いた。
「ラララン♪」
アンネが謳う。
一聞すると少女が歌っているだけのなんの違和感もない光景____しかし、彼女の両手は血に塗れ、周囲は苦痛の声で溢れていた。
「嘘でしょ……」
上階でただ立っている事しか出来なかった藍歌は爪で手のひらが切れるほど手を握りしめていた。
「あの子、何なの?」
数分前__
アレンと神田の攻撃を一瞬でかわしたアンネはその牙を逃げ遅れてまだラボ内にいた科学班に向けた。
それは一瞬だった。
アンネはニッと笑って消えると次の瞬間一人の科学班の首を掴んでいた。
「あが……」
喉からそんな言葉が漏れてすぐに彼は微動だにしなくなった。
「!!!??」
周囲が一瞬で緊張に包まれる。
「この餓鬼__」
神田の背筋を嫌な汗が伝った。
____こいつ今なにしやがった
「愛シタだけだヨ♪」
まるで考えを読み取ったようにアンネが片言に呟いた。
それと同時に再びアンネの周囲で植物が成長を始めた。
「またそれですか!」
アレンは叫ぶと蔓をさけて飛び上がった。
「アレンくん、後ろ!!!」
リナリーの警告。
その言葉にアレンが反応する数秒前にアンネがアレンに迫った。
嫌な感覚が脇腹をかすめ、それは一瞬で激痛となってアレンを襲った。
「ぐあっ!!」
血が飛び散り、アレンの顔が苦痛に歪む。
脇腹をアンネの手がかすめたのだ。
「っ……素手で破壊力抜群じゃないですか」
「アレンくん!!!」
上階の藍歌が心配して叫んだが、アレンは大丈夫とでも言うように片手を上げた。
クラウン・ベルト
「道化ノ帯!!!」
イノセンスからのびた布がアンネの周囲を取り囲む。
「さっさと大人しくしてくださいっ!!!」
ガッ__
布が壁にアンネを叩き付ける。
激しい衝撃がアンネの身体を走った__はずなのだが
アンネの顔に笑みが広がった。
「にひひ♪」
「ッ……。今の結構本気だったんですけど??」
「舐めないデ???」
アンネの背後から成長した植物が道化ノ帯を引き裂いた。
「あいつ……」
上階でその光景を見ていたハイネは唇を噛んだ。イノセンスに手をかける。横でフィンにイノセンスを突きつけていた夜も空いた手で手裏剣を構えた。
「いっても死ぬだけだぜ」
捕まっていたフィンが不意に口を開いた。いつのまにか口調が元に戻っている。
「どういうことだ……」
夜がさらに手裏剣をもつ手に力を込める。
「アンネが暴走始めたらもう誰にも止められねぇ。……少なくともここにいる奴らには無理だ」
「じゃあこのまま見てろってのか」
「犬死にしてぇならいけば良いんじゃネェか?」
フィンはそういって笑ってみせた。
しかし、内面ではあまり平静ではいられない。
____どっちにしろ、ああなっちまったアンネは俺たちにとっても危険にかわりねぇ
____かろうじて自我はある状況らしいが、いつまでもつか………
一瞬ある光景が浮かんで__フィンはその光景を追い出そうと頭を振った。
____吐き気がするほど”アノ時”とそっくりだな……
フィンの考えなど知らず、アンネは笑みを浮かべていた。
「リナリー先輩、足とか大丈夫ですか」
リンネが小声で聞いた。
リナリーの足にはさっきの植物に掴まれた跡が生々しい痣となって残っていた。
無論それはリンネも一緒なのだが必死に痛みなどないように振る舞っている。
「えぇ、骨は折れてないみたいだし大丈夫……」
「ならよかった」
「私が背後に回るから」
「分かってます」
リンネはかすかに頷くと堕天使の翼の羽を逆立てた。リナリーがアンネの背後をとり、前方からリンネが羽で攻撃する。
ヴゥゥゥン……
ダークブーツ
黒い靴の踵後ろに黒い蝶が浮かぶ。
リナリーの姿が消え、アンネの背後をとった。
「こっちよ」
アンネが振り返るがその一瞬早くリナリーは避ける。
完全にアンネがリンネに背を向けた。
___いける
「暁ノ明星!!!」
堕天使の羽が一斉に火をまといアンネに向かって飛んだ。
激しい爆発と炎。
「やったか?」
神田が呟く。
「わかんない」
そう呟いたリンネの視界いっぱいに赤が広がった。
それがアンネの眼だと気づいたのはそのすぐ後だ。
「ざ〜ン〜ねん♪」
「!!??」
「リンネ!!!!避け___」
リナリーの叫びが響き____途切れた。
我に返ったリンネの目の前で、アンネの手がリナリーの身体の表面をかすめ、血が飛び散った。
アンネは瞬時に標的をリナリーに切り替えたのだ。
ドサッ___
リナリーの身体が倒れる。
「リナリー!!!」
「リナリーちゃん!!!」
周囲から悲鳴が上がった。
「先輩ッ!!!」
駆け寄ろうとしたリンネの前にアンネが立つ。
「ドウ?仲間がナニモ出来なイママ傷つけられル感覚……???」
アンネが尋ねた。無機質な言葉で。残酷な言葉を……
リンネは何も言えない。
無表情でアンネは続けた。
「アナタにハ何も出来ないのヨ」
リンネのすべてを否定するような言葉。
「そんなことっ」
しかし、リンネの言葉はそこで止まった。
____なんで言えない
_______アタシに出来ないことは…………
__出来ない事なんて…………
「リンネッ!!!」
我に返る。
気づけば目の前にアンネは迫っていた。
堕天使で防御しようとするがそのためには気づくのがあまりにも遅すぎた。
____駄目だ……
諦めがリンネの動きを鈍らせた。
そして、アンネの手がリンネの心臓に迫り____
____え?
痛みも何もない事に気づく。
眼を開けるとリンネの胸の寸前にアンネの手があった。
しかし、それ以上迫る事はない。
アンネの右手は一人の男によって動きを止められていた。
一瞬、仲間のエクソシストかと思って見上げ、その思いは冷たく光る紅い瞳によって砕かれる。
すこしひしゃげたシルクハットを被った男は冷酷な表情でリンネを見下ろしていたのだ。
ゾクリ_____
「駄目だよ、アンネちゃん。勝手に暴走しちゃ」
謳うように。あくまで軽く。男はそういった。
「レオ…なルど……??」
金色がかっていた瞳が不思議な物を見るように自分の手を押さえつける男__レオナルドを見つめた。
「ったく。無茶苦茶してくれちゃったね」
「ダって、イブとアンネをキヅつけたんだもン」
「そのうえ、半分パンドラが解けてる__」
ジロリとその場にいる他のパスカヴィルに一瞬殺気が向いたがすぐに納める。
「まぁ、怪我はないようでなによりだよ」
そういった瞬間アンネの首筋にレオナルドの手刀がはいった。
鈍い音がしてアンネの身体が崩れ落ちる。
、、、
「ゴメンね。今回はここまでするつもりはなかったんだよ。だから今日はおまけ」
次はないとでも言うようにリンネに笑う。
アンネを抱えあげ、まるで無防備なレオナルド。
「じゃあね」
リンネに背を向ける。
彼女の脳内に声が響いた。
____やれ
_______あの男はいま無防備。今なら……
イノセンスの羽が逆立つ。
そして、まさに攻撃を放とうとした瞬間__背筋も凍るような殺気がリンネを襲った。
____ッ!!!
「もし、攻撃するって言うなら手加減はしないよ?」
____ビビるな。ノアでもAKUMAでもない人間よ!?
イノセンス
頭の中ではわかってる。 が、リンネは自らの翼を動かす事は出来なかった。
それほど重く、冷たい殺気がリンネを飲み込んだのだ。
そして、イノセンスの発動が消えた。
「そ、わかってるならいいよ」
屈辱的な台詞と笑み、そして殺気の名残を残してレオナルドは去っていった。アレンや神田もその雰囲気にのまれ動く事も出来なかった。
ぺたりと座り込むリンネ。
「リ………ンネ…」
かすれた声がした。
顔を上げるとリナリーが傷口を押さえながらふらふらと立ち上がっていた。
しかし、リンネは何も言わず拳を握りしめたままだった。
「…………リンネ???」
____なんで
____なんでアタし今、ホッとしてるの……???
_______出来ない事なんて……
____あたしには何も……
「いや゛ぁ゛あ゛あ゛あぁ゛ぁぁぁああぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
リンネの絶望的な叫びが響き渡った。
「いくよ、イブちゃん♪」
「えげつネェな」
石化から解放されたイブはレオナルドを見た。
「なに言ってるの?」
「わざわざ助ける必要性なんて何処にもなかっただろ?」
「気分だよ、気分」
ソレだけ言ってレオナルドは気絶したアンネをイブに任せると一瞬で姿を消した。
「帰るよ、フィンくん」
一陣の風を残してマリ達の中心に現れるレオナルドに一同の間に衝撃が走った。
「あんた…………」
藍歌の怒りのこもった声にも涼しい顔だ。
タッ________
かすかな音がしてレオナルドの眼前にいつもどおりの無表情の夜がイノセンスをかまえて旅こんでいた。
「おっ」
驚いたように眉を動かすと半歩身を引いた。小型の手裏剣が空を切る。
「速いね、フィンくんが逃げられないわけか」
「敵に容赦はしない……」
「ん。確かに君、情け容赦なさそうだよね…………だから」
黒い瞳が紅く染まる。
_____ガクン!!!
急に身体を襲った大きすぎる負荷に跪くエクソシスト。
「……戦わない事にしよう」
「ハイネの言ってたこいつの能力か……」
マリが苦々しくいった。
ノエル・オルガンを使おうにも指まで動こうとしない。
「フィンくん〜、いくよ」
「あ、ああ」
レオナルドとフィンは重力を無視して空中に浮かび上がった。すぐにイブとアンネの身体も浮かび上がる。
まるでそれを見計らったかのようにラボの空中に一人の男が現れた。
「グットタイミング、タウくん」
男、タウはラボの有様を見ると眉をひそめた。
「なんかあったの?」
「ん〜、ちょっとアンネちゃんが切れちゃってね」
それを聞くとタウの顔が曇った。一瞬気遣わし気にアンネを見る。怪我がないのをみるとかすかに表情を和らげたが相変わらず冴えない顔だった。
「……馬鹿が怒るな」
「別にアンネちゃんに怪我はないから大丈夫でしょ、今回のは精神的なヤツだから」
「だといいな」
「ゼンくんだっていきなり斬ってはこないでしょ」
「私に対しての心配の言葉はなしか」
「やだなぁ、イブちゃんのことだって心配だよ」
「嘘だとバレバレだ」
「あはは」
「いくぞ……」
タウがそういうと手に光を放つ球体が現れた。
そしてその球体は一瞬で巨大化し、レオナルド達を覆った。
「あぁ、最後に一つだけ」
レオナルドが思い出したように付け加えた。
「今君らの仲間が任務先で無事でいるか…………早く確認した方が良いよ」
「_____!?」
ラボ内に緊張が走った。
「それ、どういう……」
問いただそうとしたがレオナルドはすでにハイネのほうを見てもいなかった。
「いっていいよ」
その言葉が終わるか終わらないうちにタウが指を鳴らした。
_______________パチンッ!!!
まるで泡が弾けるような音が響き、パスカヴィルは生々しい傷跡を教団に残して消えた。
+++なさにえるの独り言+++
一ヶ月以上ぶりの更新です、はい。
ホント月一の約束とかも守れてネェじゃネェかとかの突っ込みはなしです。
そして、とうとう小説のストック切れました。
しかも話のプロット書いたファイルが行方不明中。
これからの更新は今以上に減る可能性が大です((汗汗
せめて月一ぐらいはあげたいけど……
ハイネ「変なコーナー書いてる間に続きかけッ!!!」
あぃ……