二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【D灰】…空白の歯車…オリキャラ発表!!! ( No.52 )
日時: 2010/04/03 21:31
名前: なさにえる (ID: vSAcFdge)

    第2夜 毒蜘蛛ト缶詰

「エクソシストなの???タウ兄」
少女が青年…タウに尋ねた。
「…みたいだな。どうするアン……?」
青年がアン…アンネに聞いた。
「ふふふっ♪遊んでもらうに決まってるじゃなぁい♪」

    アンネの淡い金髪が揺れてピンクの瞳が紅くなった………



さて、そんな会話がなされているとも知らないエクソシストご一行はそのころ…
     アクマに囲まれていた……訳ではなく。
            市場で売り子達に囲まれていた。

「ちょっとそこの美形のお兄さん方、うちの食材買ってかない???」
「駄目よ。うちの店にしなっ!!!」
「あの不衛生な店よりうちの方が新鮮だよ!!!」
「なに言ってんのよ!!!」
もう売り子達も客を手に入れようと必死だ。

「うるさすぎて紅茶が楽しめません…」
「なんでこうなってんだ、紅茶馬鹿」
「僕のせいじゃないんですけどね…?」
「アレン!!!お前がここで情報収集しようって言うからだぞ」
ハイネが怒鳴ったがアレンはちゃっかり座って蛸のマリネをごちそうになっている始末だ。

そんな混乱の中にリナリーが走って戻ってきた……

 「ちょっと、みんな!!!信用出来る情報屋の場所聞けたから。行くわよ!!!」






「ここですか……」
  クロウが看板を見上げながら呟いた。


裏通りのさびれたパブのような店構え。
 その古ぼけた看板にはレトロな飾り文字で___
             ___''Spider δηλητηριο((毒蜘蛛))''と書かれていた。



ハイネ「なに、この不吉な名前…」
神田「ホントに信用していいのか、その紹介した男」
クロウ「…毒蜘蛛でも飼ってるんじゃないですか。壁一面蜘蛛だらけ……とか」
リナリー「サラッと不気味なこと言わないでよ」
アレン「なんでもいいですからはやく事件のこと聞いて食事にしましょうよ ((ぐーぎゅるるるる))」
リナリー「じゃあアレン君が先に入って」
アレン「なんでですか!!!」
神田「さっさと入りやがれモヤシ!!!」
アレン「アレンですって。やっぱりここは公平に____」


              § 数分後……… §


「開けますよぉ……」
アレンがドアに手をかけた。


        「さすがアンラッキーボーイ」
          「しっかし、ホントじゃんけん弱ぇな、アレン」

___ギギィイィィィィ…

木の軋む音がしてゆっくりドアが開いた。
           ____カランッ♪カランッ♪
数秒遅れてベルが鳴る。
薄暗い店内……明かりと呼べるものは壁にかかっている数えるほどしかないランプで風がおこるたびに炎が揺れて怪しいシルエットが店内に揺れた。
                          、、
そして、壁一面に棚が据えられ所狭しと大量の…………缶詰が

「いらっしゃい」
   「ッ____!!??」
あっけにとられて壁を見上げる一行に突然声がかけられた。
驚いて後ろを振り向くとワインレッドのドレスを纏った女性が微笑んでいた。
黒曜石のような黒い瞳に艶やかな黒髪、整った顔立ち……ラビなら間違いなくストライクするであろう絶世の美女だ。

「迷える子羊ちゃんたちは何をお探しなのかしら……?」
妖艶な雰囲気を纏う女性の突然の登場にその場の空気を呑まれてしまったようだ。

「…最近ここで起きている奇怪な殺人事件の情報を探してまして」
クロウが紳士的((?))に切り出した。
「あぁ…警察もこの前数人やられたわね」
「!?」
「あの、詳しく…「そこの三段目左端の缶詰」
ハイネを指差して彼女は命令した。
言われた通りに背後の棚からその缶詰を取り出した。ラベルがないので中身がわからない。
「初めてだから料金はただにしてあげる」
「は……?」
彼女は不思議な視線で微笑んでいる。

「ところでなんで缶詰……」
沈黙にしびれを切らしたアレンが口を挟んだ。
「面白いのよ、缶詰って。しいて言うなら人類が作り出した小宇宙ってとこ?」
「いや、意味わかんないd((ぐ〜ぎゅるるぅうぅぅぅ!!!))
ハイネのつっこみをかき消すように突如アレンのお腹が狭い店内になった。

「ふふっ♪良いわよ、好きなの選んで食べて」
「缶詰をですか」
「缶詰を馬鹿にしない!!!……そこの入ってすぐの棚のは大半食べ物よ」
はっきり言われてアレンは適当に当たりを付けて缶詰を選んだ。
妖艶な微笑みを向けられて思わずリナリーやハイネ、クロウも缶詰をとった。

「あなたは……?」
神田をみて首を傾げた。
「俺はいい」
「毒なんて入ってないわよ?___
              ____毒蜘蛛なら入ってるかもしれないけど」

   ガコンッ!!!

缶詰が落ちる音がした。
情報屋は楽しそうに笑った。
「大丈夫よ。そうそう当たるようなもんじゃないから」


              _____でも入ってるんだ…




「で……」






     「やっぱこうなるんですね…………」

缶の中でうようよ動く黒い蜘蛛を叫びたくなる気持ちを殺してアレンはじっと見つめた。

開けた瞬間にどん引きの空気をひとしきり楽しんだ情報屋。

「ふふふ♪冗談よ。玩具だから」
蜘蛛型の玩具を一匹とってみせるが気持ち悪いものは気持ち悪い……


                  ……にしてもなんでそんなもんが缶詰に



他にハイネやクロウ達が開けた缶詰もラベルがないためちょっと普通じゃないようなモノが、、、


   「で、あの事件ね____」
      「なんでこんなもんが入ってるかっていう説明はなしですか」




              ◆・◆・◆・◆・◆・◆


「______って感じね」

  「ありがとうございました」
   「結局犯人は不明で、特に共通点も手がかりもなしか」
   「ますますノアの線が怪しくなってきましたね」 


            ____カランッ♪カランッ♪

出ようとする一行に情報屋が言った。

「空飛ぶ男には注意しなさい」
ソレを聞いたハイネが振り返った。
  「____は?」
    「この街の都市伝説。神出鬼没で現れては消える謎の男」
「……犯人なのか?」


情報屋はニコッと笑って手を差し出した。
    「ここからは情報料。他にも放浪少女とか壁抜け男とかいるわよ」

信憑性が怪しい内容と
 いかにもぼったくります的な笑みにハイネは丁重に断った__



               ____これを後で後悔するはめになるとは知らずに