二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【D灰】…空白の歯車… 5/2up!!! ( No.86 )
日時: 2010/05/04 20:03
名前: なさにえる (ID: 2pyGwAzX)


>>風

蜘蛛……小さいのなら平気だけどでかいのは無理だ((汗
へぇ、大人しいなんてなんか以外。

いままで出せなかった分一気にだしますた^^

風のルナさんも見たいな♪
お互い更新頑張ろうね^^




             ロンド
        =毒蜘蛛ノ輪舞曲 Ⅱ=


「いらっしゃい♪待ってたわ」
扉から現れた一団をドロシーは笑顔で迎え入れた。

    彼らは出迎えるドロシーと挨拶をかわすと思い思いの席に着いた。

「時間に正確なルナがいるのに遅れたな」
タウが時計を一瞥して言った。
「ギルバーシュが発狂したの」
「人を変人みたいに言わないでくれる。シリス」
「それより、一人足りないようだが???」
ルナが店を見渡して尋ねた。
「あンの馬鹿はほっとけ」
「また迷子なの???」
大きめの缶詰を二十個ほどテーブルに並べながらアリスが聞いた。

「大丈夫、もう来るわ」



        ____ガランッ! ガランッ!!

ドロシーがそう言った瞬間扉が荒々しく開かれて黒髪の青年が入ってきた。

「19分38秒」
タウが言った。
 「最高記録だよぉ、ゼ〜ンッ♪」
 アンネが楽しそうに言ったが青年__ゼン=バスティーユは無視する

「昼間のあれ!!!アンネだろ!!!」
アンネはそれを聞いても呑気にケラケラ笑っている。
「てめぇもかんでんだろタウ!!!」
 「入って早々うるせぇぞ、ゼン!!!」
「なぁにがうるせぇだ。てめぇも十分うるせぇだろ」
  「てめぇに言われたかねぇんだよ」

____パカンッ♪

間の抜けた音がしてタウの頭にシルクハットが乗っかっていた。
ドロシーがシルクハットの底(?)で二人を叩いたのだ。


「ドロシーちゃん。それ僕の帽子……」
「あら、ごめんなさい♪ちょっと衝動的に」
「…うん、そっか。いいんだけどね………別に……」
 レオナルドは底のひしゃげたシルクハットを哀しく見つめるとしょうがなく頭にのせた。

「相変わらずだね、二人とも」
すでに十個ほどの缶詰を空にしたアリスはあきれて言った。


「そうだ、ゼン。この店武器庫にしないでくれる???」
 ドロシーがカウンターの下から一振りの日本刀を投げた。
器用にそれを受け取る。
「やっぱここに忘れてたか」
   「忘れてたかじゃないわ」
  「相変わらずだな、ゼン……」
ルナもあきれている。


「ゼンはほっといて一緒に食べようよ♪」
  アンネがルナに缶詰を勧めた。中身はクッキーだ。
「ホントになんでもありね」
驚きながらも素直にクッキーを受け取る。

「きゃああぁあぁぁぁ!!!蜘蛛が入ってるうぅ((泣」
ギルバーシュが缶詰を放り投げて叫んだ。
「落ち着け、ギル。これは人形だ」
フィンがギルバーシュをなだめる。
  「……………ホントになんでもありね」

「一日で二回も蜘蛛入り缶が出るなんてすごい確率ね♪」
「二回…???ギルバーシュ並みの不幸体質の奴なんているのか???」
ウイスキーの瓶を傾けるヴォルフ。
「ふふ♪それがいたのよね____」
  ドロシーは一枚の写真を見せた。
   一体いつとったのか……そこにはハイネ達の姿が映し出されていた。

「今日ここにきた''お客様''達よ」

写真を滑らせ全員に見えるようにする。
写真を覗く一同の中でアリスの目の色が変わった。
「誰っ、この男ッ」
指差したのは長髪に切れ長の瞳。

「神田ユウ。黒の教団のエクソシスト__セカンドエクソシストの数少ない成功例よ。イノセンス、六幻の適合者」
よどみなくドロシーが情報を語った。

「神田ユウかぁ〜♪」
   そう言ったアリスの瞳は爛々と輝く。

「これがエクソシストねぇ……強いのか???」
ヴォルフは写真を一瞥すると投げてかえした。
「ピンからキリまでよりどりみどり」
  「姐さんの缶詰と一緒だな」
  新しい缶詰を開けたタウが顔をしかめながら言った。
     「何度も言うけど、なんで缶詰に納豆なんて入ってるの」
        「何度も言うけど、それは私の趣味なの」


「それでさ、そろそろオレら集めた理由教えろよ。レオ」
フィンが髪を弄りながらレオナルドを見た。
まだ''シルクハット=ショック''から立ち直りきれてないレオナルドはぐずぐずしながらも口を開いた。




「___ちょっと遊戯でもしようと思ってさ」

        「ゲーム???裏の仕事ならゲームにもならねぇよ」
            ヴォルフが唸った。







「ただ小遣い稼ぎに裏の仕事をするんじゃない_____

                        ______十三年前の報復だよ」




いままで穏やかだった全員の顔が危険身を帯びた。
   店内の空気が重く冷たくなったようだ。



「どう???すこしは殺る気になったかしら???」
  ドロシーがやる気のなかったメンバーにワインのグラスを渡しながら尋ねた。





パスカヴィルの面々は不敵な笑みを浮かべると……グラスを受け取り








      「_____さ〜んせい♪」
         アンネの無垢で無邪気な言葉を合図に一同はグラスを掲げた。






                  ________ガチャ————ァンンッ♪





 ガラスの触れ合う音は___まるで_





        ___これから始まる''悲劇''の開幕ベルのようだった