二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【D灰】…空白の歯車… 5/15up!!! ( No.99 )
日時: 2010/06/04 21:12
名前: なさにえる (ID: 2pyGwAzX)

     第1夜 眠ル羊




   ______ねぇ、ここで遊ぼうよ♪お兄ちゃん♪




            逆光の中''彼''に向かって話す少女の影……


 _____じゃあ鬼ごっこしよ♪お兄ちゃんが鬼ね♪十数えたら捕まえて♪


   そう言って''彼''が反論する前に''少女''はウサギの人形を抱えて走り出していた


           ________おぃ!!!オレは……


 しかし、''少女''の影は走っていく。
       仕方なく''彼''は数を数える………




    _______イチ__ニ______サン……



       _______シ__ゴ____ロク_





                  _ナナ____ハチ__キュウ____



                            _______ジュウ____!!!






   ___いやに静かな雰囲気


             ______''彼''の視線は宙を彷徨うと
                         遠くに転がる''モノ''を見つけた







         _______''ソレ''は綿の弾けた血だらけのウサギの人形



    ____ ''少女''が持っていた''ソレ''を拾い上げて………___目にしたのは__







                             …………………ア







   「…………………アン…ネ……」
思わずそう呟いて気がつけばそこは見慣れた教団の天井だった。

「あ、起きたか。ハイネ」
側に座っていたジルがハイネに向かって笑いかけた。
「ジル………………なんでてめぇがここに」
「どっかの馬鹿の見舞いだよ」
ジルは苦笑した。
 ハイネの脳裏に''光景''が走馬灯のように駆け巡った。

「………オレ気絶して」          、、、、
 「神田達に運ばれて戻ってきたわけ。まぁお前以外はたいした怪我じゃネェから安心しろ______ってなにしてるのハイネくん」
起き上がったハイネをみてジルが尋ねた。



「__帰る」


「____ねぇ、今の俺の発言聞いてた???」
「安心しろ。聞いてねぇ」
「……ならよく聞け。オレは''お前以外は''っていったんだ。君は肋骨数本折れる大怪我。ドゥユーアンダースタンド???」
口癖の英語で締めくくったがハイネは気にもとめずに点滴を引き抜いた。
「コムイのとこに行きたいんだよ!!!」
「なんでコムイのとこなんか。なおってからにしろ!!!」
「今行きたいんだって」



   「ほぅ__病人がこの看護婦長の許しもなく退院できるも思っているのかしら?」


冷たい言葉がハイネとジルの背筋を凍らせた。



「あぁ、婦長サマ………」
  「ごきげんよう………」

冷や汗を流しながらそう言った二人に婦長は鬼の形相で____



          「病人は大人しくねてなさああぁぁぁいぃ!!!!!!」



____黒の教団に雷が落ちた。







「あははははは♪それは大変だったね」
コムイは笑いながらクロウの話を聞いた。
決裁を待っている書類の山など目にもとまっていないようだ。
「僕が行かなかったらまだ怒られてましたよ」
「で、今なにやってるの?」
「ハイネは強引に寝かされて、ジルは正座の刑です」
「じゃああとでいじりに__「「「いくなっ!!!」」」
科学班の大合唱でコムイは渋々仕事を再開させた。



「_____で、クロウくんは何のようで来たの?」
「……」
「君は単に世間話するためだけにここに来るような性格じゃないからね」
朗らかだったクロウの顔が険しくなった。
「あいつらのことです」
「____報告にあった男のことか」
「えぇ、パスカヴィルって名乗ってました」
「…………パスカヴィル」
コムイはそう呟くと黙り込む、

「……なにか心あたr「リーバー君!!!コーヒー!!!」
「自分で入れてください、室長」
「僕の仕事には九割のリナリーと一割のコーヒーが必要なんだああぁぁぁ!!!」
「もはやリナリーしかないじゃないですか!!!」
「コーヒーなんてどうでもいいんだろ!!!」
「黙るんだ!!!室長に逆らうのか!!!」
「こんな時だけ室長ぶりやがった!!!」
「権力横暴だ!!!」
「コーヒーぐらいで!!!」

科学班vsコムイのお決まりの喧嘩がはじまったのでクロウはあきれて部屋を出た。

「どうだったクロウ」
部屋を出たところに立っていたのは神田とアレン。
「手応えも何も完璧にスルーされました」
「やっぱなんか秘密あんだな、パスカヴィルっていったあいつ」
「あいつじゃありません_____あいつらです」
クロウが紅茶カップをいじりながら呟いた。
「は???」
神田が聞き返したがクロウはすでに歩き出していた。

「ほら、神田のせいでクロウ機嫌悪くしたじゃないですか」
「いまの何処がオレのせいかいってみろモヤシ」
「アレンです、バ神田」
「……そこ動くな。今すぐ三枚におろす!!!」
「返り討ちにしてやりますよ!!!」

すっかりお決まりとなった口喧嘩を背中に聞きながらクロウは一人で廊下を歩いた。
その脳裏にあの男達の顔が浮かんで消えた。
_____おそらく、あの男はあれで能力の半分も出してはいないのだ


雲が早く流れて天井のガラス窓に大粒の雨が当たる音がした。
クロウは窓を見上げると目を細めた。







       __________できればこのまま終わってくれると良いんですけど






 しカシ、もう遅イ………


           …………狗ハ目覚め…廻転ハ加速スル