二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA...竜に仕える少女 ( No.93 )
日時: 2010/05/09 16:27
名前: こと (ID: qoVi4/mV)
参照: http://名前戻したよ!

...十五章...【祇園】

僕は今更自分が、花町である【祇園】にいる事を思い出した。
気付けば、美しく着物を着飾ったり、豪華な簪を付けて客の相手をしている天神や太夫等の姿が外からでも見えた。
女の僕が来てもつまらない場所。
ここは、出来れば通りたくはなかった。
酒で酔っている浪士に絡まれれば、面倒臭い事になる。
そう思ったその時。
誰かと肩がぶつかった。
面倒臭い事になるだろうと思いつつ、振り返ってみると…
「!?」
かなり背が高く、髪も長い。
槍と同じくらいの長さの刀を持つ男がいた。
「あ、悪いね」
男の瞳を見ようとすれば、首がかなり痛くなった。
チビにはつらい……!
男も僕を見つめてきた。
「あんた、女か……?」
「だから、何?」
勿論、僕は女で、世間から見たら男に思われる格好をしている。
でも、女は絶対に女の格好をしなければいけないなんて決まりはない。
いいじゃん、この方が動き易いし。
「いや。そんな綺麗な顔してるのに、男の格好してるのは勿体無いと思ってさ」
そろそろ、本格的に首が痛くなった。
「個人の勝手でしょ」
もう限界、と僕は一番楽な位置に首を戻す。
「さっきぶつかったお詫びだよ。
 俺の知り合いがいる所で、女の格好をしてみないか?」
男は気を遣ったのか、少しかがんで僕を見る。
そういうのが一番腹が立つんだよ…!
「はぁ!?」
「ほら、遠慮なんて、しなくていいからさ」
言うなり男は僕の手首を掴み、歩き出す。
「ちょっ……まだ何も」
「大丈夫、すぐ終わるから」
男はやけに楽しそうな顔をして、祇園の町を歩いた。