二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 初雪の思い出【REBORN!】 ( No.154 )
- 日時: 2010/04/08 18:28
- 名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
13. svariamento
「さてエレット。並盛へ戻るあなたに、素敵なプレゼントをあげるわ」
すっかり機嫌のよくなったアリサは、軽い足取りでエレットをある部屋へと連れて行った。
「あの……ここ、何処ですか……?」
エレットが不安げに訊く。
「私の研究所(ラボ)よ。そして、あなたの生まれたところでもあるわ」
そう言いながら、部屋にあふれているパソコンの一つを立ち上げる。
そして、コードを一つ引っ張り出し、エレットの首輪につなぐ。
そして、カタカタと何かを打ち込み始めた。
「ア、アリサ様……。何をなさっているのですか……?」
「フフッ、今に分かるわよ……よし出来た」
そういってアリサはぱたんとパソコンを閉じた。
「あなたの首輪にあるプログラムを送り込んだわ。なんなのかは音で分かるはず」
「音……?」
エレットは音を聞くため耳を澄ます。
すると、首輪からピッ、ピッ、と特有の電子音が聞こえてきた。
「!!」
それが何か察したのか、一気にエレットの顔が青ざめる。
「こ……これ、まさか……っ」
「そう。そのまさかよ」
「爆、弾……っ!?」
首輪に触れているエレットの手が震える。アリサは真っ赤な口を弧状に歪め、言った。
「その爆弾のタイムリミットは五日間。それまでにネーヴェを連れ戻して来たらそれは解除してあげるわ」
晴れやかな笑みを広げて、アリサはエレットを送り出した。
エレットが休んでから四日目。
やっとエレットが学校へと登校してきた。
「あ、今日は来てる」
席に座っているエレットの姿をツナの目が捉える。
自分の席は隣なので、声をかけてみようと心を決め、近づく。
「お、おはよう。エレットさん」
声に気付いたように、エレットが後ろを振り向く。
「!」
ツナは思わず息をのんでしまった。
なぜなら、——————————エレットの頬には大きなシップが張られていたのだから。
シップの隙間から除く肌は赤くなり、より痛々しさを強調していた。
「……おはよう」
エレットには似つかわしくない虚ろな目で答える。
いつもと違うエレットの雰囲気にツナは不思議に思い、訊いてみた。
「どっ……どうしたの?そんな大きなシップして……」
「……何でもないのよ」
スイッと視線を逸らす。
「でも、心配だよ。三日も休んだうえにそんな怪我してたら」
席について、エレットの表情をうかがいながらツナは言う。
「っえ……?」
エレットは、驚いたようにツナを見て、泣きそうに顔を歪めた。
「えぇぇぇ!?お、おれなんか言った!?」
そんなエレットの表情を見て、ツナは慌てふためく。
エレットはハッとなり、顔を赤くしてうつむいた。
「ほ、ほんとに何でもないんだから!気にしないで!」
「あ……」
ツナはかける言葉が見つからず口ごもる。
しかし、ツナが口を開くより先に、エレットが言った。
「でも……心配してくれたの嬉しかった……ありがと綱吉」
「え、う、うん」
(俺の名前覚えててくれてたんだ……)
ツナは驚きながらも、エレットの一つの顔を知って、嬉しい気持ちになった。
13. end