二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 初雪の思い出【REBORN!】 ( No.8 )
日時: 2010/03/29 17:41
名前: クレイア ◆PT5MXLpFOU (ID: CkThpPJM)

02. amnesia


〜ツナの家〜

ツナ「大丈夫かな…?」

道端に倒れこんでいた少女をツナの家に運び入れてから一時間がたとうとしていた。
少女は一向に目を覚ます気配はなく、いまだベッドに寝かされている。

山本「もう平気じゃねーか?顔色も良くなってきてるし」
ツナ「あ、本当だ」

少女を見てみれば、少しばかり頬に赤みがさしてきていた。ほっとした空気の中、リボーンが現れる。

リボーン「どうだ?そいつの様子は」
ツナ「あ、リボーン!」
獄寺「もう問題ないと思います、リボーンさん」
リボーン「そうか」

そう答えると、リボーンは少女が寝かされているベッドにぴょんととび乗った。そして、彼女の首筋あたりにそっと触れる。

リボーン「体温も戻ってきてるぞ」
ツナ「そっか…よかったあ」
リボーン「しかし、何があったんだ?こいつは」

リボーンが三人に向き直り、訊く。突然のことだったので、どうやらリボーンは断片的にしか話を聞いていないらしい。

山本「いや、それがな…小僧」
獄寺「俺達にもあんまり…」
リボーン「どういうことだ?」

いぶかしげに聞きながら、リボーンはベッドから飛び降りる。

ツナ「その子は、俺達が帰ってる時に見つけたんだ。だから、何があって倒れてたのか全然わからないんだよ」
リボーン「ふむ…ところで」
    『?』

リボーンが少女にかけられている布団を肩辺りまでめくった。そして言葉をつなげる。

リボーン「こいつに付いてる首輪は何だ?」
ツナ「首輪?」

覗き込んでみれば、少女の首には、不自然に千切れた鎖のついた首輪が付いていた。

山本「マジだ。全然気付かなかったぜ」
獄寺「なんで首輪なんかしてんだ?」

全員が思案顔をして黙りこんだ、その時だった。

少女「ッ…」
  『!』

小さく声を洩らしながら少女が目を覚ました。

ツナ「よかった、目が覚めたんだね!」
少女「…?」

不思議そうにしながらも少女は起き上がる。ぼうっと少しばかり虚空を見つめた後、感情のない目でツナ達を見据えた。

リボーン「ちゃおっす、俺はリボーンだ」
ツナ「あ、えっと、沢田綱吉だよ。よろしく」
獄寺「獄寺隼人だ」
山本「山本武だぜ、よろしくなっ」

四人がそれぞれ自己紹介をする。少女は一人一人、顔を確認するようにそれぞれを見まわした。
そして、リボーンが問う。

リボーン「んで、お前の名前は何だ?」
少女「私は…」

そこで言葉をいったん切り、頭に手を当て、記憶を探るような仕草を見せる。
そして、こうつなげた。





少女「分からない」



ツナ「…は?」

02. end