二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 戦国BASARA、リレー小説「総大将は女子高生!」 ( No.110 )
- 日時: 2010/06/26 14:28
- 名前: るりぃ (ID: R0WcOPzp)
第二十一話〜救援〜
彩「っていうか戦極ドライブかよぉぉおお! 溜めてたのか!? ずっと溜めてたのか!? 溜め取りしてたのかよぉぉおおお!」
うわああああああああ!!
最悪コイツ根性最悪だぁあああああ!!
とアタシは思わず絶叫した。
せめて固有技ならガックリと倒れれば攻撃が止むだろうなとは思ったけどさ…
戦極ドライブとかそりゃないぞこん畜生ッッ!
勢い良く繰り出される攻撃にアタシは成す術があるはずもなく。
木刀は何度目かの衝撃で木っ端微塵になってアタシの眼前で弾けるように四方へと飛び散り、手元に武器が無くなった。
終わった。やべえアタシ木刀を盾に凌いできたけど、これはもう無理で終了というフラグなんじゃないでしょうか。
こ、こういう時に王子様というか正義の味方というか強力な味方キャラが助けに来てくれるというのが王道パターンなんだけどさ。
アタシの味方キャラといえば燕しか思い浮かばないよ!!
そして燕こっち来てないよ!
横から振り翳される槍に対し、咄嗟に腕でガードするような体勢を作ってしまった。
これはむこうで籠手を装備してた時についてしまった癖というもんです。剣道部だったんですよ、アタシ。
今現在アタシの手はぶっちゃけ着てる着物のみで布の下にはすぐに素肌だ。
彩「…うあッ…ッ!」
腕を犠牲にして攻撃は凌げた。
肉に刺さっただけで骨を切断とまではいかなかったのは幸いだ。
素早く腕を引いて槍から剥がして防御に徹していたけれど、ほら女子と男子の違いは体力とか筋力とかそういう『肉体的』な面でしょ?
結論から言うと、……無理です。
死亡フラグ過ぎる。
死ぬ、呆気なく死にますコレ。
挑発したのはアタシだが女の子に対して女子扱いしてないというかアレ扱いしてきた真田幸村!!
お前絶対に呪ってやる対象だぜ、覚えておけよ!!
佐助は仕方ないから腹痛の呪いで済ます予定だけどお前もう盲腸とかになればいい!!
それは胃潰瘍になればいいさ!!
今度、呪術使える人間探して呪術習得してやるんだからなぁぁああああ!!
深く抉られた腕から血が噴出して、その血が真田幸村の頬に飛び散った。
戦極ドライブ中のソイツは、猛攻撃を繰り出してる最中だというのに一度視線をアタシの腕に向け、そして一瞬だけ固まった。
幸「……ッ!」
しかし一瞬固まったと言っても人間って振り上げた腕を下ろすのは無意識なんだよね、槍が超向かってます。
…脳天に向かって。
グッバイアタシ!!
グッバイ燕!!
いつきちゃんと仲良くしてね!!
なーんてぶっちゃけ天国で見守る気満々な事を考えつつ、眼をギュッと閉じた瞬間…勢いよく壁をぶち壊す音が聞こえた。
佐「なッ…!?」
佐助の声が少し離れた所で聞こえた。そういや居たんだっけ。
やっぱ腹痛じゃなくて胃潰瘍か胃腸炎になるように呪ってやる。
真田主従呪ってやる。
死んでも呪ってやる。
っていうか死んだら呪える?
と、ふと気付く。
ありゃ、最期の一撃がいつまでも振ってこないじゃん。
どうした戦馬鹿が止まれるとは到底思えない。
?「大丈夫? 不破軍総大将、不破彩葉さん。」
恐る恐る目を開いた瞬間に見えたのは、真田幸村の二対の槍を受け止めている、女の子だった。
彼女の行動は素早かった。
一瞬で道場の間取りを把握したらしく、素早くアタシの手を取って槍を一振りして扉をぶっ壊しました。
今のは完璧、破壊だ。
木製の扉が弾け飛んで、一瞬驚いた真田幸村が走り込んでくる。
手にしていた二対の槍を振るってくるのも解った。
けれど一度『戦い』を意識した幸村には、迷いはない。
幸「…ッ……くっ!」
彼女の振るった槍が真田幸村の握る二対の槍にブチ当たる。
ジィィイイン、と得物を伝って腕すらも振動してるのが見えた。
アタシは幸村の鉢巻を解いて手に巻きつけると、素早く左側から得物を打ち込もうとした佐助の顔面に拳を打ち込む。
容赦? え? 何それ美味しいの?
佐「ぐっ…!? …彩葉ちゃん、それって無いんじゃないのぉ?」
彩「有りだよ、佐助。私は逃げる。」
加えて「拉致られたのは不本意なんだから、逃げる事は本意だよ」と笑みを向ければ、佐助は少し困ったように笑った。
だよねえ、と声を漏らしてるけれどその瞳は逃がしたら厄介だと物語ってる。
いや逃げさせろよ、マジ呪うぞ佐助。
佐助VSアタシになりそうになった。
それは無理だろうだって今アタシ、素手です。素手で殴ったけどこれは最終手段なので無理です。
死ぬな、と私がうっかり絶望しかけてたその時、全力で「らめえええええ!」と叫びたくなる攻撃が彼女から発動された。
?「負けるわけにはいかない!」
おま、それ、BASARA技じゃんかぁぁぁぁあああああああああ!!
バサラの真田幸村も女の子に容赦なく戦極ドライブ発動させたけど、このこもも容赦ねぇえええ!!
BASARA技を容赦なく身体に打ち込まれ、勢い良く吹っ飛ばされた真田幸村。
わーお、壁が、壁が凹んでます…!
佐「だ、旦那!?」
アタシに武器を向けていた佐助は驚きに目を見開いている。
そりゃそうだ。
だって真田幸村が敗れたんだから。
一目散に主に駆け寄る健気な忍者さんを見てたら、内臓が圧迫された。
「さようなら。」
キメ台詞格好良いよ。是非襲わせてください襲わせてくださいぃぃい!!
アタシを俵担ぎした彼女はぐったりとしている真田幸村も駆け寄る佐助も興味ないとでもいうように、道場の外へと走り出す。
「あっ…!」と道場の方から佐助の声が聞こえる。
あは、サーセン逃げます。
丁度良く道場に程近い木に馬が繋いであって、彼女はその馬に迷い無く飛び乗る。
か、カッコイイぜ!
アタシは彼女の背に回されつつも
「しっかり掴まってね。」
と言う彼女の声にただただしがみつくしかなかった。
馬は走り出し、みるみる加速して道場から遠ざかり、やがて城下の方へと出た。
え? 門番? 城の門番は馬でふっ飛ばしてましたが、何か?
?「敵に背を向けるなんて、本意ではないけどね…」
そう言いつつ、アタシと逃げる事を一番に考えてくれた彼女の心遣いが嬉しすぎて、一粒の涙を流した。
つづく…