二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 戦国BASARA ( No.28 )
日時: 2010/04/04 16:50
名前: ミホ ◆3Z7vqi3PBI (ID: FHi8142t)

#05


 2つの軍が喧嘩の真っ只中。
 1つの軍が側を通り過ぎた。

 「・・・おい、小十郎。ありゃ何だ?」
 「どうやら武田軍と前田軍との戦のようです。練習のような物かと」

 「・・・行くぞ、小十郎。他にやる事がある」
 「・・・承知」

 軍はすぐにその場を通り過ぎて行った。




 ___キィン!!


 金属のぶつかり合う音が、あちこちから聞こえる。

 1番大きく聞こえる所は、真田幸村からだった。

 「なかなかやるでござるな!」
 「どーも・・・ッ!!」

 カツン、と情けない音がなり、紬が放った矢が弾き返された。

 幸村は槍2本、紬は刀2本+弓矢で戦っている。

 「そういえば・・なんだけどさっ!!」

 キィンッ

 刀と槍がぶつかり合う。

 「真田さんの槍ってさ、お手製?」

 「これは御館様から頂いた物なのだ・・ッ!!」

 バキンッ_____


 「・・・あっ!!」

 刀の1本が吹き飛ばされた。

 「隙アリ!!」

 幸村が槍を紬に向けて突き出した。

 _____グサッ


 とても鈍い音が響いた。


 ♪


 「政宗様、前方に誰かいます!」

 「what?誰だ? こっちには気付いてねぇみたいだな・・・」

 伊達政宗は、馬を止めて近づいた。

 伊達軍の前にいる者は、こちらに気付かず誰かを運んでいた。

 「おい、通るのに邪魔なんだが・・・」
 「へっ?うわぁ、御免なさい!!」

 政宗が声をかけると、すばやく道を譲った。

 格好からして、農民の少女のようだった。

 「・・誰を運んでいる?」

 小十郎が、少女の後ろに倒れている人をチラリと見た。

 「どこかのお侍さんだと思うだ。さっきオラが間違えて攻撃しちゃったから倒れちゃって、手当てをするために運んでるんだ。」

 倒れている人は男で、少年だった。

 背中には、横に刀が鞘ごと着いていた。
 確かに侍というイメージがあった。

 「おい小十郎。コイツは・・」

 政宗が知っているような口ぶりと顔で、小十郎を見た。
 同じく小十郎もそんな顔をして、農民の少女に言った。

 「すまないがコイツはウチの者の様だ。ご迷惑をかけて申し訳ない」

 「あ、そうなんですかっ・・もともとオラが攻撃しちゃったのが悪いんだから気にしないで」

 小十郎が、少年を担いで、馬に乗せると自分も乗った。
 男2人はキツイかもしれないが、仕方が無い。

 「アンタ、名前は?オレは伊達政宗。迷惑かけたな」
 「オラはいつき。別に迷惑じゃないだ」

 「そうか。じゃ、行くぞ、小十郎」
 「はい、政宗様」

 伊達軍は、農民いつきの前から走り去って行った。

 「・・・謝りわすれちゃっただ・・・」

 いつきがポツリと言った。
 答える者は誰もいない。
 
 いつきは村へと帰っていった。