二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テニスの王子様トリップ小説『創造された世界』 ( No.11 )
- 日時: 2010/03/30 18:37
- 名前: 霽月 (ID: HKLnqVHP)
おかしな事に、どうやら私は入学式は欠席していた事になっている。
幸い掲示板にはまだクラス分けされた紙が貼ってあったことによって迷わずにすんだ。
どうやら私は1年D組らしい。
教室の前に着きスライド式のドアを開ければ様々な生徒たちで賑わっていた。
それはよく新しく入学してきた高校生が友達作りに必死になっている光景ではなく、自然だった。
それもそのはず、なんせこの学校は中学からの持ち上がりがほとんどなのだから。
とは言え、テニプリ大好きな姉から借りたファンブックによればこの学校はかなりのマンモス校だ。
少なからず生徒にとっては新鮮であるかのように思う。
割り当てられていた席へ着くとふいに前の席のセミロングの少女が振り返る。
「あれ……、貴女確か外部生の人よね?入学式を風邪で休んだ…。」
小さく首を傾げながらとわれ、ついどもってしまった。
情けない事に私はコミュニケーション能力は皆無に等しい。
よって、大学でもあまり多く友達はいなかった。
「うん、…。」
「もう風邪大丈夫?てか、よろしくね。」
あたし一条早苗、と名前を名乗りながらニッコリと可愛らしい笑顔を浮かべた。
「あ、私は水野結…です。」
よろしく、とぎこちなく私は笑う。
さっきの詐欺師野郎の時もそうだけど、これでは年上の威厳など無いわ、と心の中で密かに沈んでいたのであった。
——
「そういえばね…。」
あれから私と早苗ちゃん(本人の希望により早苗と呼んでいる)は随分仲良くなった。
休み時間の間にもう一人、背の高いバスケ部のエースの夕ちゃん(朝霧夕)という女の子とも仲良くなった。
「この学校の男子テニス部の人気はすごいんだよぉ〜。」
緩い笑みをうかべながら話す早苗ちゃんに、苦笑い浮かべうなずいている夕ちゃんを交互の見る。
「そうそう、なんせ中学の時のレギュラー全員イケメンだからねぇ〜。ファンクラブもあるんだってさ」
ばっからしぃ!と二人は笑いながら言っていたが、そんな大声で大丈夫なのだろうか、と若干私は焦った。
「へ、へぇ…なんかスゴイね。」
「去年も全国一位だったし、それにみんな変な異名がついててさ〜!」
もうおっかしいの!と笑いながら言う早苗ちゃん…
そんなに面白いか?
いや、面白いよね・・なんせ神の子…ぶっ、だもんね
「まぁ、とにかく関わらないほうがいいってこと。お姉さま方にイチャモンつけらたくなきゃね。」
「高校からテニス部のマネージャーになった人も中学のとき仁王先輩関係で苦労したんだよね〜。」
あぁ、想像つきます。
というか、なんかそれ真面目に夢小説展開じゃないか、と一人私は心の中でごちる。
どちらにせよ、私には関係ないことだ。
こうやって新しい友達も出来た。
いつ帰れるかわからないけど、のんびりやっていこう。
この時はそう、思っていた。
***
主人公はまさに私。
コミュ力皆無^^