二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 大神 皆の願いよ御許に届け −必然−(リレー) ( No.15 )
日時: 2010/04/05 15:06
名前: 幻 (ID: 9MGH2cfM)

一際輝く太陽が空に昇り、暗い闇に包まれた地を照らす光となった。
そしてその光の中から、アマテラスの分身、コウテラスが生まれた。

コウテラスは地を蹴り、サクヤの前へと躍り出た。
まだ子供のせいか、その姿はまだ幼さを残している。

「おぉ、その神々しきお姿、大神アマテラス様の力を受け継ぐ、コウテラス様に間違いありませぬ。」

サクヤはコウテラスを見つめ、静かに話しだした。

「コウテラス様、この有様をご覧遊ばされよ。
貴方の親であるアマテラス様の力により退治された、あのヤマタノオロチが復活した時のように、
この世は荒れ狂い、太陽の光さえ閉ざされてしまいました。」

サクヤが空を見上げると同時に、コウテラスも空を見上げた。
見上げた先の空には、太陽はおろか、月さえ出ていない。

「地は裂け、空は嘆き、血のように染まりました。
青く澄み渡る美しい空も、草花が咲き乱れ、生命が育まれるあの地も、
私の力では蘇らせる事が出来かねませぬ…。」

サクヤは下を向き、涙を流した。

「大神アマテラス様のご子孫、コウテラス様。
どうか貴方の力でこの呪われた大地を天ねく照らし、
世の生命を蘇らせ給え…_________。」

サクヤが静かに手を合わせると、
コウテラスはそれに答えるかのように、天に向かって遠吠えをした。
その声は、闇に包まれた世界に響き渡った。