二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 月下美人 -銀魂 ...オリキャラ募集中 ( No.64 )
日時: 2010/04/08 18:58
名前: 光素.聖忌 ◆QbxCHceaIo (ID: kSUj1nMa)

九話

あれから3分程。やっと公恵と書かれた屋敷を見つけた
くそ……2分って言ってたのに……!

いや、あたしが方向音痴ってのもあるんだけどさ
そういうのも込めて言って欲しいよね、あの地味な人には
……あれ、あの人、あたしが方向音痴だって事知ってたっけ……?

やけに考え事の多い栞は、とりあえず門を通る

公恵さんの屋敷は広いといえば広かった
まぁ、広いけど。柳生家には敵わないけどさ

桜や、花が咲き乱れ、池がある立派な庭
住居自体は敷地に比べれば四分の一位しか無く、殆どが庭だった
道一つ見ても、綺麗に掃除されていて、こんなに花があるのに花弁一つ無い位

そんな光景を、見る事も無く、栞は家へと入る……いや
正確には入ろうとすると

「……!?危なっ!」

栞が動く前の場所にナイフが十本程刺さっている
もし気づかなかったら……少なくとも重症。下手したら人生終わる
そんな最悪の事態に、栞は身震いする

とりあえず栞を殺そうとしたのは誰か
そんな事をどっかの誰かさんが考えてる間に、栞は空の方を見て、大きな声で

「深姉ー!悪ふざけはいい加減にしてー!」

そう言った後、空……いや、建物の上から、笑い声が聞こえる
それは何処か栞と似ている笑い方だった
とりあえず、笑い終わったと思った後、栞の前に一人の女性が現れる

深い緋色のショートに、瞳は栞と同じ、漆黒に近い黒
茶色の着物を着て、栞と同じく杯を持っていた
そして手には証拠?のナイフ

「あははは、いつも通りじゃないのさ」
「いや、まあ……そうなんだけどさ
ナイフ十本は駄目でしょ、それに一本掠ったし」

良く見ると、肩辺りの所が切れている
血は出てないもの、肌が出ていた
それを見て、彼女はまた陽気に笑う
結構、危ない人である

「まぁさ、掠っただけでしょ?前は刺さってなかった?」
「……あのさ、掠っただけってさ。普通の人にやってたらたぶん刺さるよ?絶対」
「それだけ、栞が強くなったって事だよ」

全然噛み合っていない会話
というか、殆ど彼女が外しているのだが

まぁ、さっきも栞が「深姉」と言った通り、この女性は「公恵深」
栞と似ており、先程の会話を見て分かるように、たぶん栞より自分勝手で陽気。そして気楽な方
あれだ。坂本の女版と言ったら分かりやすいかな

栞の姉である。そして実は「深」は本名では無い
本名は「公恵深緋」。それが長い(と本人が感じるので)から「深」と名乗っている

「栞、ご飯食べない?もう出来てるからさ
栞が来るまでずっと待ってたんだよ〜?」
「何、深姉未来でも読めるの?」
「あはははっ、読めたら楽だねぇ」

実に仲の良い姉妹の会話である

「んで?深姉が作ったの?」
「まさか。あたしが作るわけないでしょ?」
「うん。分かってたさ。深姉が作ると黒こげになるし」
「う、うるさい!そんなこと言うと、食べさせるよ!」
「ちっさい頃、食べてたから別に良いよ」

何て、少し突っ込みの入れたくなる会話をしながら
栞と深は、家に入っていった


ちなみに余談だが、栞が屋敷に入ったのが六時位であり
現在は七時三十六分である。どんだけ話してんだ