二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀/魂】夜兎の恋【神威】 ( No.31 )
- 日時: 2010/08/04 21:30
- 名前: 棗. ◆/lQMO72QVo (ID: Dfaev/X/)
- 参照: http://__________________
■□第肆訓□■<神威目線>
泣かせちゃった…
でも、まァ俺が悪い訳じゃないんだし別に良いよネ
何かよく分からないケド、胸がモヤモヤする。
神兎を泣かせちゃったから?言い過ぎちゃったから?
……、どっちにしろ良い気持ちとは言えない。
「あーらら、女を泣かしちまうなんてなぁ…」
「何だよ、阿伏兎。仕事じゃなかったの?」
背後に阿伏兎が居た。
両手を組んで俺を見てる。
「俺だって分からないヨ。勝手に泣いたんだ」
「そりゃおめーさんがあんな事言うからだろォ、このすっとこどっこい」
「はは。盗み聞きなんて趣味悪いなぁ」
「そりゃお互い様だろ。
……団長、もしかして俺と神兎が居るのを見て嫉妬しちまったんじゃねェかァ?」
阿伏兎はニヤニヤしながら俺に問う。
嫉妬…自分の愛する者の愛情が、他の人に向けられるのを恨み憎むこと。
強いて言えば『やきもち』だ。
俺が阿伏兎にやきもち??そんなわけない。
「面白い事言うね、阿伏兎は。でもそんなんじゃないヨ」
「本当に?自分で気づいてないだけなんじゃねェのか?」
「っ…!」
阿伏兎の言葉に息を呑む。
まさか、そんな訳ない、そんな訳…
俺はまるで自分に言い聞かせるように言った。
「阿伏兎、俺と殺りたいの?ふざけないでヨ」
「片腕をもう一本持ってかれちゃあ、たまんねェからな。遠慮するぜ」
「そう。でも言葉には気をつけた方が良いよ。間違って殺しちゃってもつまんないしネ」
「あぁ」
阿伏兎は短く返答すると、最後に一言言い残し、
自分の部屋へと歩き出した。
「もし御前さんが、チンタラしてるようだったら…
神兎、もらっちゃうかも知れねェぜェ?」
「…好きにしなヨ」
俺は何も神兎に恋心を寄せていない。
だけど、阿伏兎に取られるのはイヤだ。
もしかしたら、阿伏兎の言うとおり先刻のは、嫉妬だったのかも知れない———。
じゃあ、俺は神兎の事が〝好き〟なんじゃないか。
俺はいつの間に神兎に恋心を寄せていたんだろう…
■□第肆訓□■