二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ジャンル色々短編〜リクエスト可!最近は戦国BASARA〜 ( No.117 )
- 日時: 2010/05/22 20:18
- 名前: るりぃ (ID: F/ANFiDr)
- 参照: http://アフォ小説家?
『君の見すぎで目を悪くしました』
入試トップの成績の人がするって話の入学式での新入生代表挨拶を、丁寧かつぶっきらぼうにする彼の人を見てからと言うもの、なーんか気になっちゃって仕様がない。
同じ授業の時やすれ違った時についつい目をやってしまう。
親しい友達はいなさそうで、授業はいつも真面目に聞いている。
携帯の色はシルバーで、ペンケースの色は黒。
授業中だけ眼鏡をかけるとことか、あんまり背が大きくないとことか、いちいち可愛く見えちゃうんだ、これが。
慶ちゃんにぼかしつつそれを言ったら、恋だねえ、と返された。
どんなこどんなこ、ってしつこく聞いてくるから、ポニーテールで和風美人的な?って言ったら今度は紹介してくれってしつこくなった。
紹介するほど親しくもない。でも、気になるんだよな。
同じ学科同じ学年って言ったって、それなりの量がいるんだから、仲良くなるのも難しい。
だからこっそり、心理学の授業のとき、隣に座ってみることにした。
授業が始まるまであと二分。
その人は当然のことながら俺様の方には目もくれず、本を読んでいた。
全然知らない、外国の作家。
そもそもこの人のことだって、名前くらいしか知らないわけなんだけどさ。
「あの、消しゴム貸してくれない?忘れたみたい。」
何かしらのきっかけにはなるかなーってそんなことを言ってみた。勿論消しゴムは持ってる。
古典的だけど、アリだろ?
面倒くさそうなその人の眼が、ちらりとこちらを向く。
「まだ講義が始まるまで時間があるぞ。下の生協で買えば良いではないか。」
確かにその通りではあるんですけど……。貸してくれてもいいじゃないですか。
「あれー、やっぱり消しゴムあったわー。俺様勘違いしてたみたい」
その人は俺の顔をいぶかしげに見つめて来た。
嘘ついてすいません。
でも、じっと見られると恥ずかしいんですけど。
「ああ、貴様か。確か、同じ学科だったな」
「うん、……って、え、あんた、俺のこと、知ってるの」
「名前は知らないが、その髪は目立つからな。眼鏡をしていなくてもよく見えるぞ。」
「あ、本当に。俺様のこれ、地毛なの」
そうだよ、やっぱり恋だよ、慶ちゃん。どうしてくれるんだよ、あんたさ。
嬉しくてどうしたらいいかわかんないよ。
この髪の毛に産んでくれたお父さん、お母さん、ありがとう。
俺様親孝行頑張っちゃう。
とりあえず。
「猿飛佐助、よろしく。」
言いながら手を差し出したら、露骨に嫌な顔をされて、それから。
「紅 冷嘉だ。」
・・・どうしよう、嬉しくてしんじゃいそう。