二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リクエスト可!戦国BASARA短編集! ( No.138 )
日時: 2010/05/31 18:18
名前: るりぃ (ID: W6T4l4di)
参照: http://アフォ小説家?

グロいです!主人公が狂ってます!
それでも言い方はどうぞ。

『魔王より恐ろしい』

「ああ、やっときた。待ちくたびれちゃったよ」
そう言って女は。
冷嘉は綺麗に、笑みを浮かべる。
此処は安土城。
魔王との最終決戦がやっと終わった、なのに悲鳴はやまねえ。
冷嘉は血塗れの身体を片腕で抱くように、一方は怪しく光る両刃の剣を手に立っていた。
俺と真田の前には、黄色と紫。
———風来坊と、西海の鬼。
「ねえ教えて?なんで信長様を殺したの?」
「なに言ってやがる!恐怖と絶望の支配なんざ、何も残らねえ!」
叫んだ。
冷嘉は笑う。笑ったまま。
その表情が、寂しそうに歪む。
「みんなそういうの。酷い…信長様は同じように天下を夢見ただけなのに…」
「冷嘉殿、何を…!」
「やめろ、幸村。」
風来坊が、低い声で戒めた。
西海の鬼が悲痛に、そして憎々しげに吐き捨てる。
「冷嘉はもう正気じゃねえ。」
表情は読めねえ。
けど、風来坊も西海の鬼も、武器を構えて臨戦体制ってのはわかった。
冷嘉は、わらう。
「私は正気だよ?なのにみんなそういうの、武器向けてさ」
どくり、心の臓がいやな音で感情を主張する。
ちがう、言うな。
「だから解放してあげたの。
「佐助も小十郎も、元就もまつさんも利さんも。」

 思 考 が、 凍 っ た 。

身体の痛みも忘れて、西海の鬼の横に並んだ。
見るな、と言われたが、もう遅かった。
折れた薙刀。仰向けの細い、華奢な身体。
それに精一杯手を伸ばしたであろう、両腕の肘から先のない傷だらけな肢体。
輪刀が腹部に刺さった、俯せの若草色。
その手には、彼のモノであろう、柘榴のように赤く血に熟れた眼。
喉を裂き刔られて、そしてそこ一点で木に磔けられている、迷彩柄。
それと———
両の目を潰され、決意を叩き折られ、事もあろうにその刃で額を割られている、
どす黒く染まった、見慣れた茶色の陣羽織。
「こじゅ…う、ろ…」
「………さすけ、」
「…利も、まつねえちゃんも、」
「………元就も、全員、」

「解放してあげたのよ?」
やたら明るい、無邪気な声が繰り返した。
冷嘉は、嗤ウ。
「…解放?……ふざけんじゃねえっ!!」
「ふざけてないよ?」
激昂する俺に向かって、高らかに、歌うように。
綺麗に崩壊した感情が、流れる。
「食べ物にも水にも空気にも依存しなきゃ生きていけない、それが自由?
「平和は自由なの?天下は解放なの?
「なんで信長様の天下布武はダメで、あなたたちの天下取りはいいの?」
…Crazyすぎて、絶句するしかない。
冷嘉は、嗤う。
この血塗れの場所に似合わない、無邪気な、あどけない笑顔で。
「世界はね、みーんなそれぞれが中心なんだよ?
他人の世界を侵略して、それで初めて存在するの。
世界の価値観なんて、その世界それぞれ。
だからみんなの世界、否定はしないよ?
…でもね。」
微かな鍔鳴りが聞こえた。
全員が武器を構える。
「自分の世界壊されて、黙ってなんかいられないの。」
赤色が、舞う。
何も見えねえ、ただ、左目が焼けそうなくらい熱く、そして痛かった。
「        」
出したはずの声は、俺にさえ聞き取れずに…

終わった。


『魔王より恐ろしい』
(胸部に埋め込まれた六文銭)
(碇で縫い付けられた衣装)
(四肢を刻まれ傾いた身体)
(光を失い崩れた竜)
(それらに囲まれた女は嗤う)

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すいません…!(←謝るくらいならやるな)
たまにこういうのは書きたくなりますすいません本当に!
意味不ですね;