二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: リクエスト可!戦国BASARA短編集! ( No.143 )
日時: 2010/06/05 14:15
名前: るりぃ (ID: J6XHjCd3)
参照: http://アフォ小説家?

零 嗚呼、なんと綺麗な血




月が綺麗…

あの人とやっと逢える…

『賞美の弔い』

風に誘われるが如く…あの方の約束を果たすために今しがたと躊躇うこともせずに走った。
戦日の夜…もう出発をするかもしているのかもしれない。
まだ行かないでと想いをはせて御守りを握りしめる。
「ハァハァ…ッ……あ!」
「みちる…よく無事にきてくださいましたね。」
息を乱し、まだ落ち着かぬみちるをそっと光秀は抱く。
疑いも何も無い純粋さに笑みが溢れる。
「光秀様…久々に近くに着ていると聴き、私……」
「私も…久しく逢えていなかった貴方に逢えて良かった。」
唇をみちるに重ねる光秀…しかし。
何やら、いつもと違うのだ…
「光秀…様?」
「はい?」
やはり…違う。
他の方と話をしているよう…
「みちる…?」
怖い…
なんで愛しき人がこのように怖いのか?
異変にすぐ様気づけば目に入ったものを疑った。
「あ、光、秀様?…その後ろ手に持っているものは何ですか…?」
「嗚呼……これですか?」
自然と遠ざかる足。
グッと突然捕まれた腕に肩を震わせる。
恐ろしいほどの笑みに血の気が失せるかのようにその一言は聞きたくもなかった。
「貴方の血…見たくなりましてね。」
「ひッ……ぁ…あ…」
腰を抜かして動けないみちるに鎌を振り上げる。
勢いよく振り落とされた鎌に目を見開く。

バサッ……

「おっと…いけない……自分の腕が…。」

「キャアアアァァアァ!!」
腰を抜かしてたみちるは叫びながらに後ろを振り向かずに走った。
それはもう必死に…愛する人の腕が真下へところげ落ちた光景を信じられずに。
それを気にせずに、光秀は笑って追い掛けてくる。
「なぜ逃げるのですか……ククッアーハハッハッハ!」
「っ…ひ……い、いやー!!」
「待ちなさい…私が楽に殺してあげますよ?」
愛しい声も今は近づいてくる声に恐怖する。
叫んだみちるの目の前には火の灯がうっすらと見えた。
みちるは懸命に走り、灯りを持つ主に抱きついた。
「た、た助けて…!」
身体全体が震えている。
やっと人が居たことに安堵してみちるは涙を溢した。
あんな悪夢忘れてしまいたいと…
愛する人の逢瀬になぜあのような怖い思いをしなければならないのか震える声や手…が一瞬にしてピタッと止まった。
「みちる…?」
聞こえてきた声に絶句する。
汗が全身という全身に流れ出た。
「光秀…様……」
「これは…!!」
光秀は驚いた、何も知らずに約束した場所に待っていただけなのにみちるには返り血と傷ができている。
傷はいいにせよ返り血はなぜ浴びたのか?
理解など到底できまい。
「この血はどうしたのですか!?」
「あ…ああ……」
みちるには言葉など今は話せるはずなかった。
だけど少し違うのはこの光秀は本物だということ。
「みちる…ッ!」
きつく抱き締められる。
嗚呼…この人とあの光秀様は違うんだ優しさに暖かくなる。


けど……


ねぇ光秀様?













あ な た の 後 手 に あ る も の は 何 ?




ー終幕ー
(その夜は、綺麗な望月が照っていたとか)