二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リクエスト可!戦国BASARA短編集! ( No.145 )
- 日時: 2010/06/06 14:12
- 名前: るりぃ (ID: JnydBXXF)
- 参照: http://アフォ小説家?
弐 そして残るは残骸の跡
貴方は血まみれで……
誰にも微笑まれた事のない私に微笑んだ
これは、運命?
私は貴方を血の池から掬い上げた。
『地獄金魚』
ゆらゆら
ゆらゆら
唯、漂う貴方に惹かれただけ…
真っ赤に染まりそうな大地に寝て白い髪をその血の上を流れる様に━━ー--
思わず身体が止まった。
声も出せない…
血が紅い…中にいるのは色白な……
見た事もない綺麗な人…
sida Akethi
少女が一人……
あまりに可愛い小鳥だから…
私は微笑んだ。
顔を紅くして私を見て固まっている。
なんと可愛いらしい…愛らしい小鳥に逢ったものだ…
私の命も短いと言うのに……
静かに流れ出る血が止まらない。
切った者達の血が回りに流れている。
自分の血と同じ色…
目に入る最後は小鳥。
最期にしては…嬉し……い
意識など既になかった。
sida Mithiru
死んだ…?
目がゆっくり綴じられた。
"助けなきゃ"
血だらけの池に足を踏み込む。
ピチャピチャ…ッ…
まとわり付く血…鉄の臭い。
真新しい死体が無数に転がる。
この人が斬ったのだろうか…だけれど私には関係なかった。
生きてまた見て欲しかった。
知らない人は…武士で位も高い人
私には手が届くはずない。
力の無い私はその人を引きずった。
歩けば血の道が後ろを綴った。
sida Akethi
鳥が鳴く……朝……
3年前…助けられたんですね。
永かった、永く待ち続けた…
昨日夫婦になり、…私がみちるを殺した。
あの時出来た血の道が私の後ろにもできている。
可愛く愛しく笑いかけたみちるはもう居ない。
「紅い…」
狂った。
前から狂っていた━━ー--
あの時家臣を殺そうとした前にみちるが飛び出した。
勢いよく振り落とした鎌は肩に半分以上刺さっていた…
気 狂 し た の は 血 の 性
だから
みちるだけでいいんですよ。
まわりの骸は汚すぎる。
城の部屋…廊下…………
骸ばかりが転がる…
sida Mithiru
見ていられなかった。
昨日私は死んだ。
死んでも涙は流れるのですね…光秀様。
家臣は無惨に殺されてく…
私を温かく迎えてくれた人さえも息をしてない。
嘆いていた私に声をかけたのは妖…
『あの男を止めてやろうか?』
『え…?』
哭いても…
後戻りできない…
『私がお前の体を借りてあの男の側に居てやろう』
『本当に?』
『ああ…』
中身が私じゃなくてもよかった
光秀様の側に形は違くても居たかったのに
私の涙は止まらなかった。
妖は…私の姿をかりて人を喰べた。
二人とも血だらけで光秀様はあのまま私の姿をした妖に抱きしめられてる。
私さえも狂ってしまったのかもしれない。
「光秀様…」
「みちる…愛してる。」
涙は止まることなく流れた。
そう呟いた光秀様の腕はその妖に喰われていたのだから…
ー終幕ー
(地獄の中の金魚は死神ではなく「人」)