二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】紅月夜の晩には蝶が舞う—。 ( No.75 )
日時: 2010/04/10 20:17
名前: Ive (ID: Rl.Tjeyz)

 
意識を失った友里亜が再び目を開けて最初に見たのはまた同じ天井だった。

「また・・・この天井を見るとはな・・・。」

ふと視線を横に向けると苦しそうな土方を枕にして気持ち良さそうに眠る雅焔、沖田、桜と友里亜の近くで眠る翼が目に入った。

「・・・。」

布団から起きあがって翼の頭を軽くなでた。茶色い髪がサラサラと重力に逆らわずに垂れる。

布団から出て、みんなに布団を掛けてやった。

障子を開けて廊下に出たら局長である近藤がいた。

「君が友里亜だな?」

「あぁ。」

「ようこそ真選組に!!」

「・・・あぁ・・・。」

テンションの高さに軽く引く友里亜に気付かず近藤が一人でわいわい言っている。

中庭を見つめる友里亜に近藤は言った。

「君は優しいな。」

驚いて近藤の方を振り向く友里亜。

「・・・どこが?俺暗殺屋で氏名手配犯だったんだぜ?」

「さっきみんなに布団かけてやってたじゃないか。」

笑顔で言う近藤の顔を直視できない友里亜。

何か辛いことがあったのかと察してあえて言わないでいる。

「じゃあな。今日はもう遅い。子供なんだから寝なさい。」

近藤は笑顔のまま自分の部屋に戻った。

暗殺屋で氏名手配犯の自分を子供扱いする大人がいるとは思っていなかったためか、気が抜けていくのがわかった。

「・・・唯衣・・・。俺もやり直せるかな・・・」

月の浮かぶ空に向かってつぶやく。そうしたら彼女にも届くと思ったのか。—遠い所へいる大切な人へ。