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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【銀魂】背中を預けて—— ( No.94 )
- 日時: 2010/05/04 21:24
- 名前: 空兎 ◆vekTJYlJig (ID: TAPuOKlQ)
そこには紛れもなく、紅の後姿があった。
「なにやられてるんだよっ! 夜狼族として恥ずかしいじゃないか!」
「夜狼族……?」
友里亜が刀を引いた。
「なるほど……だから馬鹿強い訳だ。」
沖田も近づいてくる。
「いいんですかィ? 友里亜。拷問……」
「いや、夜狼族二人じゃあ流石に俺だけでは勝てない。」
「いや、俺もいますぜィ?」
顔を覗き込む沖田を、友里亜は完全無視。あんな可愛い顔に覗き込まれても平気なんて……って、違う違う!
「沖田は勘違いしているようだが。俺達は銀時の仲間だ。そこを通せ。」
やっと動けるようになった体を動かしながら、俺は訴えた。
「……証拠は?」
左右で色の違う目でじっと見られると、一応女の俺でもグッとくる。
———怯むな。そう自分に言い聞かせる。
「銀時は……万事屋とやらをやっているだろう? 年賀状兼宣伝書が来た。」
俺は懐から、一枚の紙を取り出した。そこには、「銀魂は大河『竜馬伝』を全力で応援しています。」
そしてその下にでかでかと「困ったことがあれば万事屋へ!!」と書いてあった。
「あ、これ署にも来やしたね。」
沖田が俺の手から紙をひったくる。
「でも……これ町の至る所に貼ってありやしたぜィ?」
あたりを見回すと、剥げかけてはいたが確かに電柱やら裏路地やらに貼ってある。
俺は視線を感じ、友里亜に向き直った。目が合う。何もかもを見すかされてるんじゃないかと、不安になる目ヂカラだ。
ふいに友里亜は向きを変えた。
「え……こいつら通すんですかィ?」
「嘘はついていないようだからな。」
「でも……」
口答えする沖田の首根っこをつかむ友里亜。
「俺がいいっつてんだから、いいだろうが。」
沖田撃沈。そのままズルズルと引きずられていった。
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