二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケットモンスターSPECIAL 空色魔法 ( No.15 )
- 日時: 2010/04/16 22:37
- 名前: あず ◆zpt.jBXg9s (ID: 5iKNjYYF)
第1話 日向の少女
どんな場所でも、必ず朝はやってくる。
ここ、ジョウト地方ワカバタウンにも、朝はやってきた。
とある部屋の目覚まし時計が鳴り少女は起き上がる。
外では、ポッポなどのポケモンの鳴き声が聞こえてくる。
ふあーと欠伸をし、カーテンを開けると、窓からは太陽の光が漏れていた。眩しいくらいに。
「眠いなぁ……」
とある少女、<ヒナタ>は、そんなことを呟いていた。朝は憂鬱、とでもいうかのように。
今は朝の7時。まぁまだ眠くてもしょうがない時間かもしれない。
嘆きの言葉をかけながらベッドからしぶしぶ起きた。
デスクの上のモンスターボールから、ポケモンを出す。
「おはよう、ソル」
『おはよう、ヒナタ♪』
ボールから出てきたのは、イーブイの<ソル>。1年ほど前に捕まえたポケモンである。
ヒナタは、ポケモンと心を通わせ、会話をすることが出来る。
しかし、その理由は未だにわからない。
物心がついた時には、この能力を持っていた。
ヒナタの過去を話すと、9歳以前の記憶がない。
記憶があるうちに初めて目を覚ましたのは、この町だった。
周りには野生のポケモン、知らない人たち、知らない場所などで、ヒナタは混乱していた。
しかし、そんな時に、ヒナタを助けてくれた人物がいた。
その人物が住んでいる家に今、ヒナタも居候をしている。
「……あの人を、起こしに行きますか?」
『……起こさないと、ねぇ〜……』
あの人とは、ヒナタを助けてくれた人物。
しかし、いざ一緒の家に住むと、その人物は、なんとも言えない軽い口調で、いかにも不良っぽくて、ハッキリ言うと頼りない人だ。
しかし、やはり自分を助けてくれた恩人だ。一応。
だからヒナタはその恩人を……「起こしにいく」のだ。
その恩人は、隣の隣の部屋にいる。
ソルを肩にのせ、ヒナタは隣の隣の部屋まで1歩1歩ゆっくり歩いて行った。
恩人の部屋の扉の前につく。扉には、<GOLD>という表札がある。
ヒナタは2回ほどノックをする。もちろん返事がないことは分かり切っていた。
そして、ヒナタはその部屋に足を踏み入れた。
「朝だよ、<ゴールド>。起きて」