二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケットモンスターSPECIAL 空ノ魔法 ( No.23 )
- 日時: 2010/04/26 20:10
- 名前: あず ◆zpt.jBXg9s (ID: 5iKNjYYF)
第2話 彼
ヒナタは、部屋の中のベッドの上にぐっすりと寝ている<彼>に声を掛ける。
もちろん寝ているため、返事はない。
しかし、彼のベッドの周りにはたくさんの家のポケモンたちがいる。
するととあるポケモン、エイパム……愛称は<エーたろう>が、部屋に入ってきた。
それと同時に家のポケモン達は、彼を起こそうと、布団をとったり、髪を整えたり、目を覚ませたりした。
「……ん、もう朝か……」
「また寝坊したんしょ、<ゴールド>」
彼……ゴールドは、少し眠たそうにしながらヒナタと話す。
この彼こそが、ヒナタを助けた恩人であった。
「とりあえずリビングに行こうか?」
「ああ、そうするか。腹減ったし」
ゴールドはぐぁーっと大きな欠伸をしながら、リビングへ向かった。
それにヒナタもちょこちょことついて行く。
「グッモーニン、母さん」
「おはようございます」
ゴールドは前髪をキラリとしながら母に言う。
ヒナタもゴールドの後ろでゴールドの母にそう言った。
「ちゃんと顔は洗ったんでしょうね?」
「もちろん!!」
ゴールドは朝ご飯をパクパク食べていく。
ヒナタは小食なので、朝はパンを食べて過ごしている。
家のポケモン達は、ゴールドとヒナタの周りにいた。
「また前髪爆発してるわよ」
「これが流行ってんの!」
ゴールドは自分の母にそう反論しながら、ご飯を食べ終えた。
そしてくしで前髪をとかして、スケートボードを取り出した。
「さぁて、遊びに行くか! ヒナタ、お前も行くだろ?」
ヒナタも橙色の髪を整えている時、ゴールドにそう言われた。
「うん。今日は天気も良いし、行こうかな」
「あ、ヒナタちゃんちょっとまって!」
ヒナタとゴールドが出かける準備をしていると、ゴールドの母に呼び止められた。
ゴールドの母はどこかからか、帽子を持ってきた。
黄色のキャスケット帽子で、横には赤いリボンが付いている。
「最近日差しが強いでしょ? 帽子があれば日差しからダメージはあまり受けないと思ったから、縫ってたの」
「あ……ありがとうございます!!」
キャスケット帽子を受け取り、ヒナタは嬉しそうにお礼を言い、帽子をかぶった。
「じゃあ、行こうぜみんな!」
ゴールドの声とともに、ヒナタと家のポケモン達は一斉に家から飛び出した。
ここはジョウト地方……ワカバタウン。
そしてここにある研究所に一人。
「早いもんだ。あのカントーの大騒動からもう1年だもんなぁ。あの時はオーキド博士もさぞ大変だったことだろう」
一人話しているこの方は、この研究所の<博士>だった。
するとピ——と、後ろの方から何かの音が聞こえた。
「お、いけないいけない。早く調整を済ませておかないと……」
博士のいう調整は、<ある3匹のポケモン>の調整だった。
そして3匹のポケモンは、ボールの中で静かに眠っていた……。