二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケットモンスターSPECIAL 空ノ魔法 ( No.24 )
- 日時: 2010/04/26 20:17
- 名前: あず ◆zpt.jBXg9s (ID: 5iKNjYYF)
第3話 夜の出来事
夜、月が出て、ホーホーが鳴いている。
ゴールドは自分の部屋でビリヤードをしていた。
ヒナタは、ゴールドの部屋でうたた寝状態だった。
≪次はアタシ、クルミの新曲「ラプラスに乗った少年」……聞いてね!!≫
「お、クルミちゃんだぜ、エーたろう」
ラジオから流れてきたのは、人気アイドルの<クルミ>。
ゴールドは、クルミの大ファンである。
≪しずかなさざなみ♪ バトルにつかれた心をいやすの♪≫
「いいね〜、クルミちゃん」
ゴールドはビリヤードのキューで玉を押した。
玉と玉は綺麗な音を出してぶつかった。
≪そうよ♪ ラプラスの背に乗ってぇ〜♪ あなたと恋の海わたりたい〜♪≫
調子がいいのか、ゴールドは綺麗にボールを入れ、余裕の表情をしていた。
≪そうよ♪ ラプ…………ピーガガガ〜……≫
「!!」
もつかの間、部屋のラジオが急におかしな音を出し始めた。
その音で吃驚して、ヒナタは起き上った。
「な、なんのお……」
「オイオイオイオイオイオイオイオイ!! どーしたよ、俺のラジオ! 外のアンテナがイカれちまったのか!? ヒナタ、どーすりゃ」
「外でも見にいけば〜」
ゴールドはすぐにラジオの様子を見た。
ヒナタは寝起きのせいか、ゴールドが言いかけているときに答えが見当たらないので適当に返事を返し、バタッと床にまた寝た。
ゴールドはヒナタの適当な返事ながらも、窓からチラッと様子をみた。
すると、「ん!?」と驚き、よく見ると木の所に黒い人影が見えた。
「…………誰かが庭に忍び込んでやがる。ヤロ——……」
ゴールドすぐに窓を開け、キューを持ってひらりと外に出た。
「オイ!!」
ゴールドは見知らぬ黒影に、低い声で睨みながら言った。
「アンテナ壊したのおめえか? よくも俺のお楽しみタイムを邪魔してくれたなぁ!!」
「…………!! ち、違うでやんす! おいらは、た、短パン小僧のゴロウ、怪しい者ではないやんす!!」
黒影は怒り多しのゴールドに怯えていた。
それでも同様しながら黒影……いや、コラッタを連れたゴロウと名乗る少年は否定をした。
「夜中に人んちの庭でコソコソしやがって、おもいっきりあやしいっつーの! やれや、エーたろう、〝ひっかく〟!!」
「ギャ————!!」
ゴロウの話もあまり聞かず、エーたろうに攻撃指示を出した。
エーたろうはコラッタを引っ掻いて攻撃し、ゴロウは悲鳴を上げる。
しかし、ゴロウは「誤解でやんす!」と言い、木の上を指差した。
ゴールドは上を向くと、木の所にバッグとアンテナの部品を持ったポケモンがいた。
「あれは……」
「ヤミカラスでやんす。オイラ、荷物を運んでいる途中で……それを、あのヤミカラスに盗られたんでやんす」
「アンテナの部品を盗ったのもやつか!」
「誤解ってわかってくれたでやんすか!?」
やっとゴールドはゴロウの話を理解して、ゴロウは一瞬ホッとした。
「……よくあることだ、気にすんな」
この台詞こそが、彼……ゴールドの名言であった。