二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【銀魂】椿の化身は彷徨い続ける—。 ( No.26 )
日時: 2010/04/17 12:50
名前: Ive (ID: Rl.Tjeyz)


【二話】夢から覚め凛と咲く椿花


雨の降る中庭を見つめる友里亜のもとに少女は来た。

「・・・起きたのか。」

視線を動かさないで言う友里亜の言葉に少女は頷く。

視線を交わさぬ時間がただ過ぎた———。

「・・・座れば。」

沈黙を破ったのは友里亜。それにも少女はただ頷いた。

「名前は?」

同時に事情聴取もしてしまうという考えか、名前を聞いた。

「・・・我の名は・・・椿・・・・。」

少女は凛として小さくもよく通る声で答えた。

「椿?・・・良い名前じゃん・・・。」

椿が友里亜の方を見た。

「そう・・・。貴方は?」

「俺は眞木友里亜・・・。以後お見知り置きを。」

書類にざっと目を通しつつ椿の方を向く。

「年齢は?」

「知らぬ・・・。」

「どこから来た?」

「・・・そんなものとうの昔に忘れた・・・。」

「なんで此処にいた?」

「解らぬ・・・。」

名前以外は何を聞いても曖昧な答えだった。

ため息をついて前髪を掻き上げた友里亜の脳内にふと疑問が浮かんだ。

「・・・お前人間じゃないだろ?」

椿はいささか驚いたようで無表情な顔だが少し目が大きくなった。

「そうだが・・・。何故わかった?皆わかるものか?」

「いや・・・雰囲気とか。みんなはわかってねぇ。・・・多分俺だけ・・・。安心しな?」

その言葉を聞くと椿は自分の膝のへんを見た。

しばし沈黙が続いて、ひかえめな雨の音が強調され降る音、落ちる音が鳴り響いた。

その後、友里亜の事情聴取の結果と考えで椿は真選組に留まることとなった。