二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂—蒼穹の鎮魂歌— ( No.33 )
日時: 2010/05/08 17:04
名前: 椿薔薇 (ID: Q.36Ndzw)

第参訓「掃除ってどうでもいいときにやりたくならない?」

そしてもちろんいつものごとく…
銀時が練習した筈の参訓の幕開けである。

「ねェ、ちょっと聞いてる新八くん?」
銀時は返事がない新八を呼ぶ。
この様子ではもちろん何度呼んでも返事がなかった、ということである。

「神楽ァ〜新八そこにいる?いるよねェ?銀さんだけ見えてるとかそういうんじゃないでしょ?死んでないよね新八くん」
向かいのソファに座る神楽に声をかける。
神楽は漫画におとしていた目を銀時に向けてから、その銀時がチラチラと横目で見る方を向きながら言う。

「私にも見えるアルから大丈夫ネ。ちょっと死にかけてるけど心配いらないヨ」
その神楽の言葉にやっとかやっと声が聞こえてくる。
同時に何かが落ちる音も聞こえてきた。
それは洗剤が入っていたはずの容れものだった。

「聞いてる?じゃねェんだよォォォ!!なんだよコレェ、ここまで来ると流石に怒りますよ!」
新八は手を大きく広げて万事屋の部屋全てを見る。

散らかっている。

いやそれどころじゃないほどに、足の踏み場がなくなっている。
銀時と神楽が座るソファと銀時のいつも座っている椅子周辺、そして新八の立つ入口周辺しか床が見えない。

「あ、新八ィそこにある新聞とってくんね」
何もなかったように、気付かないように銀時は鼻をほじりながら新八の立つすぐそばを指さす。

「聞けェェェェ!新聞なんてどこにもねェよ!」
指さすとこをみても新聞はなく、そこには酢昆布の箱が転がっているだけである。

「いや、その下にあるからよォ」

なんで分かるんだ!?わざわざ置いてんのか、ここに!
心の中でツッコミを入れながら酢昆布の箱を持ち上げると…

「ぎゃァァァァ」

中から何だか湿った酢昆布が大量に出て来て新八の手に触れた。
「ゴミじゃないんですかコレ!しかもなんか濡れてるんですけど!どうしたの神楽ちゃんこの酢昆布!」
それに気付くなり神楽は

「やーめーろーヨ!それまだ終わってないアル」
などと謎の言葉の後に「触るなヨ〜メガネ〜」と言って怒りながら神楽が愚痴愚痴言う。

「なんだよ終わってないって!!何が!?何を始めたの!」
新八がそう言うなり神楽は銀時を指さして言った。
「銀ちゃんが酢昆布に洗剤かけて10時間待てばおいしくなるっていってたアル。だからやったネ」
嬉しそうに言う神楽、新八は銀時を見るがすでに銀時は目をそらしていた。

「おいィなにくだらないこと言ってんだァァ!!大人だろお前!おいしくなるわけないだろ、食べれなくなるわァ!なんかしかも増えてるんですけど、以上な程に!」

「いや、神楽がさァ…もっとおいしくなる筈アル、とか言うからさァ昔、酢昆布ソムリエが言っていたことをそのままいったんだよ」
笑いながらいう銀時は立ち上がり机の上のイチゴ牛乳に手を伸ばし、一緒にジャンプも手に取った。

「なんだよ酢昆布ソムリエって!」
普通なことをツッこんだ新八に銀時も普通にこたえる。
「吉田君」

「だから誰だァァァァ」