二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケモン不思議のダンジョン「虹色の守護者達」 ( No.1 )
日時: 2010/04/23 22:58
名前: みやっさん ◆E53IZBWzfE (ID: K.LxVVE2)

ポケットモンスター。
縮めて、ポケモン。
彼らは古の時より歩みを進め、彼らより遅く歩みを始めた人間と共に時代を進んでいた。
太古から人間はポケモンを便利のように使う人が多かった。
「北に行って水を汲んでくれ」と、頼めば、
「南に行って風を起こしてくれ」と、風のない乾いた村から頼まれ、
「西に行って日を昇げてくれ」と、日が昇らずずっと夜の村から頼まれ、
「東に行って雨を止ませてくれ」と、雨で地盤が緩み土地が沈みそうな村から頼まれ、
つまるところ、人間はポケモンの異能を枷つぃ、狂った地球を修整させた。

当のポケモンは、それを当たり前のように快諾した。

その当時、人間はポケモンを神のように崇め、讃えていた。
北、南、西、東。様々な方向へと、様々な人々が、修正された土地を見て歓喜を上げ、ポケモンを讃えた。
人は、ポケモンにたくさんの食料を与えた。
人は、ポケモンに住み心地のいい環境を与えた。
人は、ポケモンに、優しくした。
この当時、ポケモンも人間は、このサイクルは永遠に続くと、思った。
否、この星をよりよく保つにはそれは最善の法だと思った。
所謂、人類とポケモンによる「御恩と奉公」は永遠の文化であると思った。


時は現代に戻る。
なにも不自由ない、あたりは高い建物や、景色が変わっていた。
低いところからみてもわかる、緑色の少ない、灰色の景色、街並み。
文化も伝統も格式も、変わり、
「そのポケモンを逃がすな! 追えぇぇ!!」
「「「「はっ!」」」」
人も、
「捕まえました!」
一人の下っ端が乱雑にコラッタ十数匹を縛り上げた。
縛られたコラッタは「キーキー」とかな切り声を上げる。SOSの表明だ。
「生け捕りだ持って帰る」
濃いひげを蓄えた中年の男は高笑いを上げながら言う。
「はっ!」
すると、周りのポケモンが一斉にコラッタの救出に向かった。
「見せてくれるじゃぁ、ないの」と、ひげの男。
「クソ、暴れるな!」
別の下っ端は小規模の兵器を取り出し、ポケモンにぶつけた。
ズン、
「ギャァァァァ!!」
人も、
「ククク……いいねェ……、」
変わり果ててしまった。
周りのポケモンはぐったりと瀕死の状態で倒れていた。
「隊長! 周りに居るポケモンはみんな片付いたと思われます!」
「尊きポケモンたちよ……貴様は我ら悪のための犠牲になるのだよ?」
男は大笑いで笑い、ポケモンの惨劇は瞬く間に人に知れ渡った。
現代の世界ではポケモンを狩る悪の組織が増えつつあった。ロケット団しかり、ギンガ団しかり、ポケモンハンターもまたしかりである。
人も、皆、変わってしまった。
それはポケモンはとっくに知っていた。
野生のポケモンは考えた。
——このまま、人間と暮らすべきか?
——緑は消えてきた。ポケモンの住む環境が消えてきた。ポケモンは一生人間と暮らさなきゃいけないのか?
——無理であろう。
——俺の周りではみんなやられている。
——うむ、これはまさに、
腐っている。
今の人間は……腐っているのだ。
もう、昔と同じようには暮らせない。
同じ、生まれたありのままの人間はどこにもいない。
同じ身ぐるみを着ず、時代は変わり、容姿も、すべてが変わってしまった。
野生のポケモンは皆同じ考えを持っていた。
そして、ポケモンが、「動いた」のだ。

森がわっと一斉に揺れた。
翼の生えたポケモンが森に生息していた虫ポケモンを運んでいた。

水の波が大きくなった。
川、沼、海、池。様々なポケモンたちが一斉に動き出した。

洞窟、険しい高山地帯が、音を大きく響かせた。
山地に住んでいた大きな体をしたポケモンなどが動いた。

そして、草原の風が止まった。
そこに住んでいたたくさんの種類もポケモンたちが、皆一斉に「動きだし」、
そして、
消えた。