二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ◇ヘタレ色模様◇ 【ヘタリア】 ( No.13 )
- 日時: 2010/04/28 22:58
- 名前: 柏木その ◆NrQDiBQfmg (ID: ZYR2ZLjZ)
【アイツじゃないと Ⅰ】
「……あれ」
その日、洗面所の鏡の前に立ったアメリカは、はた、と動きを止めた。
「れ?え……え、あれえええぇぇぇっ!?」
そして数秒後、やや間抜けな絶叫がこだました。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「「「「はァ?メガネがないだぁ!?」」」」
会議室。
異様な雰囲気で机につっぷすアメリカを前に、残りの連合国全員が綺麗なハモりで叫んだ。
「うん、何かないんだ」
「知るかよそんなん!家帰ってやれ!ばか!」
「相変わらず君は辛辣だねイギリス…」
「第一あれ伊達だろ!?いいじゃんか別に!また買えよ!」
「————っ分かってないな君は!
俺はあいつじゃなきゃ嫌なんだよ!あいつがいいんだ!
傍に置くならあいつじゃなくちゃダメなんだよー!」
「……………」
ほんの一瞬、無音の妖精が会議室内を飛び回り、数秒後、はっとしたようにイギリスが口を開いた。
「いやいや何その理屈!?おいそれメガネの話だよな!?恋人の話とかじゃないよな!?」
「何か言い方がアレだったな。お兄さんびっくりした」
「あはは、アメリカ君面白いなー。そういえば僕さー」
「とりあえずおまえら黙るよろし。会議始めるあるよ
」
結局、中国が遮り、会議が始まった訳だが。
納得がいかないように机にあごを乗せて、
まだうだうだ言っているアメリカは完全放置で中国が黒板前に立つ。
「じゃー、ふがいないヨーロッパ連中の代わりに我が司会進行を進めるあるよー。今日の議題は…」
「今日の議題は俺のメガネ探しなんだぞ」
中国を遮ってアメリカがぽそりと呟いた。
中国は半目にアメリカを見やる。
「…ごほん。今日は軍備縮小の」
「——は、急遽変更して今日は俺のメガネについて話し合おうと思う。
ちなみに反対意見は認めないんだぞ」
「……。……というわけで今日の『軍備縮小』について何か質問がある奴はいるあるか?」
「質問だぞ。俺のメガネはどこに旅立ったんだい?」
ことごとく、邪魔をしてくるAKY。
「……………。」
じっ、と何かを言いたげにアメリカを見つめる中国。
「……………。」
頬を膨らませ、それを反抗的なジト目で返すアメリカ。
「……………。」
それらを呆れたように、
はたまた冷や汗混じりで、
あるいはにこにこと見つめる残り。
「……っ、いい加減にしろある!いい加減にしろあるよお前ぇぇェェっ!」
中国がついにキレた。
「だって俺のメガ」
「だってもパンダもないあるよォォォ!」
「ねぇ中国君、ちょっといいかなぁ?」
「ロシア!後にするよろし!こいつを粛正した後ゆっくり聞くあるよ!」
「ちょっ、中国?椅子は危ないんだぞ!」
「黙れある!我の愛のないムチあるよ!」
「愛はないのかい!?」
「…おい、ふがいないヨーロッパ連中やらと同じ事になってるぞ」
暴れ回る中国を目で追いつつフランスのツッコミが入る。