二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ◇ヘタレ極彩色◇ 【ヘタリア】 ( No.8 )
- 日時: 2010/04/24 23:57
- 名前: 柏木その ◆NrQDiBQfmg (ID: ZYR2ZLjZ)
【おとまりぱーてぃー Ⅲ】
◆◇◆◇◆◇◆◇
「……さて、そろそろ帰るあるか」
そんなこんな一通り回想を終えて、中国は立ち上がった。
手首足首をぐるぐる回し、筋肉を解して準備完了。
それを見詰める韓国はぱちぱちと目を瞬かせる。
「は?帰るんですか?まだ目的達成してないですよ?」
「別に、目的も何も。茶化しに来ただけじゃねぇあるか」
「そうかもしれない…けどな、仲間を大切にしない奴はそれ以上のクズだ」
「はっはーん、随分デカい態度あるなお前ー?…もうお前はジャンプ読むんじゃねぇある」
「俺は……木ノ葉の白い牙は本当の英雄だと思ってます」
「先生の過去も掘り下げなくて結構ある!もうお前はジャンプ読むんじゃねぇある」
「でも、日本は同じ亜細亜の国家です。仲間です!だから命懸けで助ける、これが木ノ葉りゅ……」
「もうめんどくせぇある!」
韓国の脳天に、ガツン!と中国の拳がしたたか振り下ろされた。
「…すまねぇあるな。何かを得る為には同等の代価が必要あるよ」
「なっ…まさか…!兄貴、は、ガンガン…派」
韓国はそのまま動かなくなった。
日本がいない今、残念ながらツッコミは不在だった。
「ったく、手間掛けさせんじゃねぇあるよ。おいとまの理由は簡単ある
———枢軸国の連中もこっち来るってのを廊下で電話してんのが聞こえたあるよ」
頭にタンコブを携えた韓国はさすがに大人しく聞いていた。
「相変わらず地獄耳っすね。……ってそれが何かまずいんすか?」
「いや、むしろ良かったある。
だから、後はあいつらに任せて帰るある。我等にはやっぱり向いてないあるよ」
中国は少し寂しそうに笑った。
「励ましだとかそんなのは」
あいつらの方がよっぽど上手いある。
だったらもう我達がすることなんてないあるよ。
中国は、ガラガラ、と襖を開いた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
そして一方の日本は、
「…………………………」
襖に手をかける瞬間のまま、フリーズしていた。
イタリアとドイツが来ることを伝えに来たのだが。
もう知っているようだ。それどころか———
「……ふぅ、……全く」
全く、励ましに来たのならそう言ってくれれば良かったものを。
まぁ気付かせないそれが、彼等なりの気遣いなのかもだけど。
彼等の気遣いは本当分かりづらく汲み取るのが難関だ。
全く分かりづらくて、
————結局、優しい。
イタリアの言ってた意味をちょっぴり理解させられた。
すると、ガラガラ、と襖が開いて中国が顔を出す。
「おー、邪魔したあるな」
パンダのリュックを背負い、すたすたと玄関に向かう中国の背中に声を掛ける。
「……泊まっていかれないんですか?」
「はいはい、心配しなくてももう帰——……へ?」
きょとんとした顔で彼は振り向いた。目をぱちぱちとしばたかせる。
「…?さっきあんだけ帰れ帰れ言っといて……どういう急激な心変わりあるか?」
「いえ、別に?」
怪訝な顔をする中国に、相変わらず日本はしれっとはぐらかす。
どうせ理由を言ったって彼等が照れるんだか意地はるんだかして面倒臭い事になるのは目に見えてるし。
日本男児たるもの、彼等の気遣い無駄にはしません。
イタリア君達もそろそろ着く頃でしょうか。
「「……………?」」
訳が分からないといった表情で顔を見合わせる、中国と韓国を尻目に。
日本は、ふっ、と眉を下げて微笑んだ。
ネーミングセンスはいささかイマイチですが、
さあ始めましょうか
おとまりぱーてぃー
*end*