二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〔戦国BSR〕修学旅行に戦国時代!! ( No.58 )
日時: 2010/06/08 16:29
名前: 愛姫 (ID: efp5OJCb)

〔第十五話〕甘いものって、口が死ぬほど甘ったるくなるまで止められないのは病気でしょうか

「はあー…疲れたなー…てゆーか、なんでここにいるんだろうね、うち…」(自分が行きたいと言ったからです)

畳に寝転がりながら、独り言をつぶやいた。
政宗の時といい、今朝といい、どの軍もよくこんな小娘を城に迎えるものだな、と思ったのである。

(今日からどうしよう、本当に手ぶらで来ちゃったし……あ、ポッケの中アメ入ってた)

現在の琴音の持ち物は、ケータイのみ。
衣服なども含むなら、キャミソールとパイル生地のパジャマ上下、スニーカー。…と、今口に放ったアメ。

そして、ふすまを開けたすぐ前の縁側に腰掛け、髪を一本に結び直した。

「琴音殿ー! 」

ヘアピンも付け直そう…と思ったその時、幸村の声が聞こえてきた。

「ゆっきーかな? …なーにー? 」
「部屋から出ておりましたか。そ、その…佐助が団子を作ってくれた故…琴音殿も一緒に…と」
「うわ、嬉しい!! いいの!? 」

琴音が女性だからか、少し緊張した様子で話していたが、喜ぶ琴音の姿を見て幸村も明るい表情になった。

「旦那ぁー、琴音ちゃーん、お待たせー」
「おっ、来た来たー! 」

戦場で刃を振り、戦っている武人と話しているとは思えないような柔らかい雰囲気の中、オカンな佐助の声が聞こえた。
しかも、お茶と団子の乗ったお盆を持っていたわけで、もうオカンとしか思えないような風貌である。
…でも、「似合うね」、なんて言ったら本気でショックを受けられてしまうので黙っておく。

「いただきまーす」
「あっ、琴音ちゃん! 立ち食いなんて旦那みたいなことしないの! 」

ひとつ、食べると甘味が口に広がる。
ふたつ、食べると「ああ、これが手作りなんだな」、と感じさせられた。

「お口に合いまするか、琴音殿? 」
「うんっ、美味いっ」

そう言いながら、最後のみっつめの団子をほおばる。

そして、団子を食べながら幸村が一言。

「佐助、琴音殿を連れてあの甘味処に行かぬか? 」

そう言われた後、佐助が一瞬苦い顔をしたした事に気づいたのは琴音だけだった。