二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 彼らの結末 -3(終) ( No.6 )
- 日時: 2010/04/28 18:59
- 名前: くぁーつ (ID: WPWjN3c4)
佐久間と源田が退院し、帝国学園へと戻ると——仲間達が、快く迎えてくれた。
それから、彼らサッカー部は、話し合ったのだ。
雷門に負けた。それはいい。そのおかげで、大切なことに気付けたのだから。
世宇子に負けた。完全敗北だった。その時の悔しさは、月日の流れたその時でも容易に思い出すことができた。
そしてもっと強くならなければ、と思った。
別に誰かに強制されていたわけではない。帝国学園のプライドのため、というわけでもない。
彼らが、サッカー部がそれを望んだからだ。——まだ、それだけならば良かったけれど。
彼らは、上を目指しすぎた。目指して目指して、それでも辿り着けない現実に気付いてしまった。
それもそのはずだ。彼らが目指していたのは、遥か上。今の彼らでは、辿り着けるはずもなかったのに。
それでも目指して努力した。けれど辿り着けなかった。努力して努力して努力して努力したのに、辿り着けなかった。
それは、彼らに絶望を与えた。
彼らは、焦っていたのだ。強くなれない、自分達に。
強くならなければ。いつしかそれは、彼らを縛り上げる枷となっていた。
けれど彼らはそれに気付かず、もがき続けた。ただただ、もがき続けた。
**
そのことに世宇子中が気付いたのは、帝国学園が泥沼にはまってからだった。
あの時の試合。“神のアクア”を使い手に入れたその力で勝った、あの試合。
世宇子中が影山の呪縛から解き放たれ、それから必死に練習して努力してひたすら頑張って。
世宇子中は、帝国学園へ再戦を申し込みに行った。
そこで彼らは、今の帝国学園の状態を把握した。把握して、しまった。
必死に拒否を続ける脳を無理矢理黙らせ、把握する。ただ、空白だけが脳を圧迫した。
——嗚呼、帝国学園は影山の呪縛から逃れられてはいても、解き放たれてはいないんだ。
そう理解して。理解しなくなかったけれど理解して。
世宇子中は、結局帝国学園になにも言うことができぬまま、その場を立ち去った。
そしてそれから、話し合ったのだ。
どうすれば、元の帝国に戻ってくれるかと。早く元に戻り、本当の戦いをしたかったから。
考えた。考えて考えて思いついたのは、彼らにまず彼らの状態を知ってもらわないといけないということだった。
そうじゃないと、立ち直ってもまた崩れてしまう。逆戻りしてしまう。
そうならないように。これからもずっと、帝国学園で在り続けれるように。
だから彼らは、帝国学園へ過ちを認めさせるように——半ば嘘であることを、告げたのだ。
『帝国学園、世宇子中と組まないか?』——と。
場所が愛媛の埠頭だったのは、真・帝国学園での過ちを思い出させるため。
どうしても、立ち直って欲しかったから。純粋に、ライバルとして。そして——同じ、サッカー仲間として。
『立ち直って、くれるかな』
『立ち直るためには、周りからどうこうする前にあいつら自身が気付かなきゃいけねぇことがあるだろ』
『それを気付くきっかけを作るのが俺達、ねぇ……』
『まっ、いいだろ。帝国とさ、本当のサッカーしたいし!』
世宇子中の仲間達の言葉が、頭の中で反響する。声色さえも思い出しながら、アフロディは放心状態の佐久間を見据えなおした。
(これからどうなるかは……君達次第だよ)
慈愛にも似た表情を浮かべながら、アフロディは心の中でぽつりと呟く。
それから、彼らがどうなったのか——それはのちに、大々的に知られることとなる。
end.
【後書き】
オワタ! じゃなくて終わったーッ!(ぉぃ
ちなみに時間、アニメでいえばデスゾーン2覚える前か照美雷門のどっちが先か忘れたんで先のほうの前です。
佐久間の脚は完治してますけど。
結局意味わかんなくなりました。どうなったのかは……わかりますよね!
帝国と世宇子の絡みが書きたかった。切っ掛けはデスゾーン2覚えるために帝国へ行ったときの佐久間の反応を思い出して。
佐久間が凄く大人だった。……まぁ、自分達も影山に利用されてたし……それもあるのかな。
そういえば今日はイナイレの日ですよね! ごーえんじメイン。今回はどんな苦労をごーえんはするんですかね。
……内容が酷いとかオチ適当とかいっちゃ駄目です。いったら私終わりです(ぁ
それでは、読んでくださり有難うでしたーっvV