二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂 (何でも) ( No.14 )
日時: 2010/06/03 13:12
名前: スケさん (ID: I0Z91nOZ)

第五訓 どんな時でも笑顔を


万事屋の目の前に、一人の少女が看板を見上げ「うん!」と、頷き階段を登って行った。

★★★

「あ〜〜〜〜〜暇だなぁ、……おい新八。」

銀時が、暇そうな顔で新八に話しかける。

「んっ?何ですか銀さん?。」

棚の上を掃除していた新八は、一旦作業を止めて銀時の方を向いた。

「あのさぁ暇だから、何か面白いことしろ。」

いきなりの注文に新八は、「はぁ?」と、ため息交じりで答えた。

「何いってんすか銀さん?そんな事いきなり言われて出来るわけないでしょう。」

新八が呆れた顔で言うと、すぐ横の障子が素早く開かれた。

———ッスパーーーーン!!!

すると、開かれた障子から神楽が「バッキャローーー!!!!」

と、勢いよく新八に向かって、鉄拳が送られた。

「ブホォォォォォ!!??」

新八の顔にジャストミート、そのまま玄関辺りまでぶっ飛んで行った。

———ッガッシャーーーーン!!!!

「おいおい、これ新八死んだんじゃねぇの?」

銀時が半分心配しながら、テレビの電源を点けた。

そして、煙の中から眼鏡が立ち上がった。

「ちょっとーーー!いきなり何するんだよ!!神楽ちゃん!?」

頬をさすりながら、キレた新八が聞く。

「何いってるアルか!、どんな注文も受けるのが本当のシェフアル、それをお前は途中で投げ出した!、よって鉄建制裁の刑を出したまでアル!」

神楽が、新八に対して雄弁と語った。

「いや!僕シェフじゃないから!ていうか、神楽ちゃん!また変な番組を見たんじゃないの!」

「失礼アル、どっちも料理ショーしか見てないアル!」

ガヤガヤと、いつも通りの万事屋の光景がそこにはあった。

———ッピンポーーーン

だが、一人の依頼者から事態が一変するなど、この時銀時達は知る由も無かった………。

★★★

———ッピンポーーーン

「おーーい誰か来たぞ、新八!早く出ろーー」

テレビを見ながら銀時が言う。

「ぎゃあああああ!?」

新八の断末魔の叫びが聞こえてくる。

「ちっ、しゃーねーな。」

銀時は、めんどくさいと言わんばかりに重い腰を起こし、玄関に向かった。

———ッピンポーーーン

「今出ますよー。」

玄関の戸に手を掛けて開けたとき、目の前には小さな少女がそこにはいた。

「……あのぉー、どちらさんですか?。」

丁寧な口調で少女に聞いた。

———ッジーーーー

少女はじっと、銀時を見ている。

「んっ?俺の顔になんかついてんのか?」

すると、少女が言った。

「うわーー!天然パーマだ!もじゃもじゃだー!」

と、頭を指しながら、大きな声で叫んだ。

「あっ…あのなお嬢さん、人の悪口を言っちゃいけないと、お母さんに習わなかったかな?」

わなわなと、控えめな怒り声で少女に言う。

だが、そんな事を知ってか知らずか少女は、お構いなしに答える。

「え〜〜と、ママはね〜『他人の悪い所が有ったら教えてあげるのよ、それが人の生きる道よ』って言ってたよ!!」

少女は笑顔で答えた。

(ったく、なんちゅう事を教えてんだお母さん)

銀時は、半ば諦めた顔で少女に問いかけた。

「つーかよぉ〜、お嬢さんは何しに来たの?」

少女に聞く。

「あっ!そうそう依頼を頼みに来たの!」

「へぇ〜〜、依頼ねぇ〜〜」

遠くの空を見上げながら、銀時は気だるさそうに言う。

「もちろん、お金はあるよ!」

と、銀時の前で、背にかけていたバッグを降ろして広げて見せた。

「あん?」

下を見たら、バッグの中にはアラ不思議、小判の山がザクザクとある。

それを見た金の亡者は、手を地に付け「我が命に代えても………」と、契約を結んだ。

★★★

「つーわけなんだよー。」

「いや、銀さん?何がですか?」

眼鏡を直す新八。

「だーかーらー!この依頼主様の依頼を受けるんだっつーの。」

真面目な顔で言う、銀時。

「この依頼主様って………その子のことですか?」

新八が見ている方向には、銀時の肩に乗り「もじゃもじゃ♪もじゃもじゃ♪」

と、楽しそうな顔で髪を触っている少女の姿が見える。

「銀ちゃん!また、子供を拾ってきたアルか?今度はどんな名前アルか?」

質問をする神楽。

「うっせーなー、だいたい子供なんて拾えるわけねーだろうが、名前は………。」

銀時は深く考える。

「………………。」

「まさか…名前も判らずに依頼を引き受けたんですか!?」

何も言えない金の亡者。

「はぁ〜〜しょうがないですね君、お名前はなんていうの?」

銀時の肩に乗っている少女に、優しく聞く新八。

「んっ?何?眼鏡が似合わないお兄ちゃん?」

笑顔で毒舌を言う少女。

「ぐわっ!何なんですか!笑顔なのにすごく酷いことを言われた!」

心の中に、酷い傷が出来た新八。

「フンッ!そんな事だからいつまでたっても、新八から新一に格上げできないアル!」

と、神楽は何気に少女と同じように、新八の傷をさらに広げた。

「………。」

新八のA.Tフィールドが、砕けた。

「まぁ本当によぉ、お嬢さんの名前は何て言うんだ?」

肩に乗っていた少女を降ろし、名前を聞く銀時。

「私の名前?私の名前は心菜っていうの!

「しんな?」

「うん!こころって書いてなのはの、なって読むの!」

笑顔の絶えない心菜。

「よしっわかった、うんでー依頼の内容は何なんだ?」

いつの間にか心を取り戻した新八

定春と一緒にいる神楽

三人が一緒に聞く体勢で、少女の言葉を待った。

そして、少女が言った依頼内容は———



『私の家族を……取り戻して!!!』


続く