二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂 (何でも) ( No.19 )
- 日時: 2010/05/30 23:49
- 名前: スケさん (ID: I0Z91nOZ)
第六訓 どんな時でも幸せな顔を
「『家族を取り戻して!』———か………。」
町の中を彷徨っている銀時は、空を見上げながら心菜の言葉を思い出していた。
★★★
話は、三日前にさかのぼる———。
万事屋が、いつものようにワイワイとしていたら、玄関のベルが鳴り
銀時が玄関を開けると、そこには心菜がいて銀時に依頼を頼んで
その依頼内容が『家族を…取り戻して!』と、いきなりの急展開!
これから、万事屋はどうなるのか!そして!心菜の運命はいかに!
続きはぜひ劇場の方ま———
「待たんかいィィィィィ!!?」
「———ッズボラァァァァ!!!」
銀時は、新八の猛烈な蹴りをくらい玄関の辺りまで吹っ飛んだ。
———ッドンガラガッシャーーーーン!!!
「イテテテッ、てんめぇ!何しやがる!新八!?」
腰を手でさすりながら立つ銀時。
「『何しやがる!』じゃないですよ!何してんのは、こっちが聞きたいぐらいですよ!!」
怒鳴り声をあげながら、銀時の方に指をさす。
「何してる?って、前の話の回想に決まってんじゃねーか、もしかしたら前の話をすっ飛ばして、この話を読んでるかもしんねーだろォ?」
元のソファに戻り、鼻くそをほじりながら銀時は答える。
「後半は全然関係なかったですよね。」
肩を落としながら、新八はため息を吐いた。
「それは…アレだよ、見ている人のモチベーションを上げようとしたんだよォ。」
「余計な気を回さんでいいわ!」
いつものやり取りを終えた後、神楽が寝室から出てきた。
「銀ちゃん。」
「おう神楽、心菜の具合はどうだ?」
「だいぶ落ち着いたネ、この神楽様が看病してたんだから、心配いらないネ!……けど……。」
神楽は、少しうつむいてからまた顔を上げて、少し心配そうに言った。
「心菜……寝ている間、パピーマミーの名前を呼んでいたネ…何度も…何度も…———。」
「そうか………。」
心菜は、銀時達に依頼内容を伝えたら、その場に倒れたのだ。
その後、銀時が自分の寝室に連れて行き、布団に寝かせて神楽に看病を任せてから、今の状態に至るのであった。
「でも……銀さん、これからどうするんですか?」
新八が不安そうに聞く。
「どうするもこうするも、引き受けちまったもんはやるしかねーだろ。」
心菜の寝ている方に顔を向けながら答える。
「ついでに言えば……確かめたいことがある。」
「えっ何を確かめるんですか?」
銀時は、「それは俺一人でするから、おめーらは心菜の面倒を見といてくれ」
と、玄関の方に向かい、外に出て行った。
———ッガラガラガラッピシャ!
★★★
あれから三日………。
銀さんは、この三日間色んなところへ行っていた。
『確かめたいことがある』って言ってたけど……一体何を確かめようとしているんだろう?
頭を悩ませる新八。
「何してるアルか、新八?」
心菜と手を繋いで、ソファに座っていた神楽が新八に訊ねた。
「あっ…神楽ちゃん、実はね………———」
「ふーーーん、そうアルか。」
「『そうアルか』って、心配じゃないの神楽ちゃん?」
そう言った新八は、眼鏡のズレを直していた。
「銀ちゃんの事だから、心配するだけ無駄アル。」
神楽は、銀時の悪口を言い始めた。
「だいたい、あのマダオはいつまで経ってもロクに働きもしないアル!!。」
それに便乗する新八。
「そうだよね!この前なんて『てめーらー、家でゴロゴロゴロゴロする暇あるなら、仕事の一つや二つゲットしてこい〜〜〜!』
って、言われたからね、その前にお前がゲットしろーーー!!!」
白熱する銀時の悪口合戦の中、神楽の横にいた心菜が
「ッふふふふ!」
と、笑った。
新八と神楽も釣られるように、笑った。
すると、新八が「そうだ!僕の家に行こうそしたら、姉上もいるからきっと淋しくないよ!」
と、切り出した。その理由は———
三日間の間心菜は、万事屋に神楽と一緒のタンスの中で寝ていた。
その家の主人は、三日間外泊していた。
当然女の子二人じゃ寂しそうなので、新八が家に招待しようとしてる訳である。
「どうかな、心菜ちゃん?」
「行こうアル、心菜!!」
神楽が心菜に、行こうコールを連発するが心菜は………
「でも…銀ちゃんは行かなくていいの?」
心菜が、「大丈夫なの?」みたいな顔で、二人を見るけど、二人は「平気平気」な顔を心菜に見せた。
しかし、心菜は「やっぱり……私…銀ちゃんを探す!」
そう二人に告げると、心菜は外に向かって行った。
—ッガラ!!
—ットン!トン!トン!
—ッドサ!!!
アッ!こけた………。
そう思う二人であった。
★★★
さて………これで、だいたいの情報は手に入ったな…後は———
銀時が歩み始めると、誰かにぶつかった。
「とっ!、何だー。」
下を向くと、そこには心菜がいた。
「んっ?よく見りゃー、心菜じゃねーか。」
ところが、心菜の目には涙が浮かんでいた。
「ッグス!」
「おい!どうした?まさか!?俺の体臭がキツかったか……すまねぇ!この三日間風呂に入るの出来なかったんだ!詫びと言っちゃぁなんだが、パフェおごるからそれでカンベンな!!」
他の人から見れば、必死で小さい子に許しを請う哀れな大人に見える。
パフェを奢ってくれると聞いた心菜は「銀ちゃん!早くパフェ食べに行こう!!」
と、すっかり元気になっていた。
(あれ?何か俺、勝手に思い違いしてたんじゃ………)
今頃気付いた銀時であった。
★★★
〜とある店〜
「うーーーん!うまい!!」
パクッ!一口、また一口、銀時の口の中に吸い込まれていくパフェ。
その様子を見ていた心菜は「よーし、私も〜!」
パクッ!
パフェを食べた心菜の顔が、みるみると幸せな顔になっていった。
「おいしいーーー!」
その言葉に反応した銀時は、嬉しそうに心菜に聞いた。
「だろ〜〜、パフェうめぇだろ〜もう至上最極の調味料だよな〜。」
ゆるゆるな顔と声で、心菜に同意見を求めた。
「そうだね〜あっ!でも、糖分の摂り過ぎはダメだよ〜、お母さんが言ってたけどね『甘い物を摂りすぎると、大事なとこも甘い匂いがするから摂りすぎは厳禁よ!!』
って、言ってたよ!。」
と、言いつつパフェにがっつく心菜。
(つーか、心菜の母親は何ちゅう事を子供に教えてんだ、会ったとき注意しよー)
深層意識の中で、チョッとした決意を固めた銀時。
そして、パフェを食べ終えた二人は本題に入っていった。
「なぁー心菜。」
「何?銀ちゃん?」
「お前の家族の居場所がわかったぞ。」
「へぇーーー………えぇぇぇぇぇ!?」
しれっと、大事な事を言った銀時に、ビックリした心菜。
「場所!場所はどこなの銀ちゃん!!!」
「まぁ、落ち着け」
「これが、落ち着いていられないよ!!」
その瞬間、銀時の目が鋭く見えた。
「その前に心菜、お前に聞きたいことがある。」
「なっ何銀ちゃん?」
「どうして、家(万事屋)に依頼を頼んできたんだ?」
「えっ!そっそれは………。」
急に俯いてしまった心菜。
それを見た銀時はこう言った。
「ま〜実を言うと、別にどんな依頼を頼まれても理由を聞くつもりはねーんだけどよぉ、お前の笑顔がどうも俺には辛そうに笑顔を作ってるしか見えねーんだよ。」
ッピクリと、反応する心菜。
「だからよぉ、もしてめぇの家族を救ったら、お前の本当の笑顔がニョキッとでてくるのか確かめに行こうぜ、理由はそれからだ。」
銀時は、テーブルを素早く立ち心菜の家族がいる場所に向かった。
その後を、心菜が涙を拭きながら追った。
続く