二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂 (何でも) ( No.31 )
- 日時: 2010/06/08 21:20
- 名前: スケさん (ID: I0Z91nOZ)
第九訓 良い映画と悪い映画の区別は自分の目で見ないとわかんない
「ありがとうございましたー!またのお越しおまちしておりまーーす!!」
映画の上映が終わり、お客達がぞろぞろと映画館を出ようとしている。
中には、興奮しすぎて衝動が止まらない人がいたり
映画討論をする人もいたり
カップルで来る若者もいたり
一人で泣いている警官もいたり
ポップコーンに夢中になって大事なシーンを逃す人もいる。
★★★
〜映画館場内〜
「…グスッ!グスッ…竹内アニキは最高だ………。」
「そうすね副長…アッやべー涙が………。」
〜えいりあんVSやくざ〜絶賛上映中。
二人の男が、映画のパンフレットを読みながら、泣く姿は周りから見たら変に見られるが、二人にとっては関係ない。
関係あると言えば、えいりあんVSやくざについての良し悪しの討論である。
「なあァやっぱ竹内アニキの突撃シーンは泣かせるよな………。」
ファン一号が言う。
「そうですね…何てったって、竹内アニキは最高っすよね……ミナミの帝王ですもんね…すんません涙が止まりません…ティッシュありますか?」
ファン二号の鼻からは大量の鼻水が出ている。
「バカヤローこんぐらいで泣いてんじゃ……悪ィ俺にもティッシュくれ………」
二人の男が鼻水を勢いよく出している最中、場内の外ではえいりあんVSやくざのデモンストレーションが行われていた。
「あん?えいりあん?知らねーな。そんな眼鏡武装して、強いと思ってるのか?あん?」
サングラスをかけたやくざっぽい男が、眼鏡をかけたえいりあんっぽい犬に物申す。
「ワン」
「なんだコノヤロー!やくざ舐めてたらいてまうぞーワレェェェ!!」
威勢良く首を曲げるのは、サングラスが似合わない少年やくざ。
「そうだぞー!あの…やくざは怖いぞー舐めてたら、あの……請求されるぞー!」
ちょっと所々噛んでしまった、少女やくざ。
「そうだ!地球はわしらやくざのもんじゃーい!」
「「もんじゃーい!」」
「わん」
「あの…アレだぞォ地球を…アレだ…襲ったら…ダメだぞォォォォ!!!
「「ダメだぞォォォォ!!!」」
そして、ナレーションが語る。
『かくして、地球の存亡を懸けた始まるわけでございます。はたして、地球の運命は?続きはぜひ劇場の方で………って来るかァァァァァ!!!!』
ナレーションは持っていたマイクを渾身の力で投げ捨てた。
「何やってんだよー!前回と同じじゃねーか!?あれほど、次はキチンと打ち合わせしろって言ったのにーーー!!!」
「別にいいじゃねーかァ。前に俺がテレビで宣伝してやったおかげで、また仕事回してもらったんだろう?
打ち合わせが、どうのこうのは後でいいんだよォ。」
旗を持つ銀時が言う。
「何言ってんだよー!銀さん!?また結果出なかったらクビになるんだよ!?わかってるのー!!」
長谷川がくどくど喋っていると、どこから聞きつけたか知らないけど、土方とハゲがやって来た。
「何の騒ぎだ?喧嘩してんならしょっ引くぞ。」
あっすんませんお巡りさん———
長谷川が謝ると、後ろから警察をバカにする声が聞こえてきた。
「おいおいおいマジかよォー、あろうことか警察様様がこんな昼間から映画見てるなんて世も末だなーオイ?」
「そうネ!市民から税金を搾るに搾ったら、ポイ捨てしてホームレスにするあくどい商売ネ。」
「俺ら警察は餓鬼畜生か!?」
「いや、わかりづらいんで鬼畜でいいでしょう?」
いつもの不毛なやり取りが終わり、ハゲは銀時達に聞いた。
「ところで、お前たちは何をしているんだ?」
「見てわかんねーのか?仕事に決まってんだろォ。そんなんだから、おたく頭に毛が生えてないんでしょう?」
これは、剃ってるんだーーー!!!!
頭に青筋を立てながら、ハゲは怒る。
「やめろ原田。…お前たちの事はどうでもいい、俺たちは聞きたい事があるだけだ。」
土方は少し間を置き、口を開いた。
「率直に言う…近藤さんがどこにいるかしらないか?」
「「「「知らない」」」」
と、四人は言った。
そうか………———
土方は「おい原田行くぞ!」と言って、その場を後にした。
「何だったんでしょうね…土方さんたち………。」
「さあなー大方…ゴリラが檻から脱走したんじゃねーのォ?」
「結構酷いこと言うねあんた。」
顔を引きつらせる長谷川であった。
完