二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テガミバチ ( No.20 )
- 日時: 2010/05/04 22:13
- 名前: すもも (ID: 84ALaHox)
黙々と書くの好きです。
だから何だっていうねw ぴェッ——(誰
第九話
「まぁ・・お礼は言うけど・・有難う。
ラグに助けられたって何か悔しいー!」
リリーが赤い顔でお礼を言った後、
いつもの年下扱いを始めた。
「えー何かって何ー?!」
わいわいとし始める病室。
だがリリーは、腰を降ろし、ベッドに寝てるラグと目線を合わせるようにし、また赤い顔でラグを見つめた。
「でも・・! ラグがいなかったら駄目だった・・かも!
まぁ、これからもよろしく的なー」
「え・・・!! しょんにゃことにゃいよ!」
かなりビックリしたのか舌が回らなかったようだ。
そんなラグをこいつ可愛いなという感じで見ていた。
「えへへー ラグ、あんた可愛いな♪」
「ひぇ—\\\」
二人は盛り上がっていた。
すると、「おーいラグ居るか?見舞いだぜー」
と、聞き覚えのある声がした。
リリーは一瞬で静かになった。
—今は・・・『あの人』に会いたくない・・・怖い——
ガチャッ 入ってきたのはやはりザジ。
手には『ピコピコ探偵おほいまる』の本が。
本当に見舞いだったようだ。
バサッ・・・ポカンとして、本を落とした。
「何でお前がラグのとこに居るんだよ・・・」
ボソッと呟いたのが聞こえた。目付きが変わった。
リリーが悲しそうな顔をしているのを、
ラグは見ていた。
ラグは拳をギュッとし、強い瞳でザジを見た。
「・・ボクはリリーに悲しそうな顔をさせたくない。
悲しそうな顔をさせないでよ、ザジ・・・
ボクはリリーが好きなんだから」
瞳にはじんわりと涙が溜まっていた。
「え・・・? ラグ?」
今、ラグが凄い事を言った気がするが、
こんな状況で頭が回らない。
頭の中で今の自分の置かれている状況を理解しきれず
口を開いて出てきたのがこの疑問。
ラグが俯く。窓際の椅子で寝ていたニッチは、
あいかわらずステーキと仲良く寝ている。
こんな時必要の無い事を考えてしまうのは人間の癖。
「へッ・・・二人でラブラブしてれば?
オレは邪魔みたいだな」
待って、行かないで、言いたいのに声が出ない。
もう、ザジがその顔をするのは・・嫌なの————
ザジが本を置き去りにして扉を閉める。
また、しんとした病室でラグが泣きそうになる。
「・・・・ごめん、リリー・・・」
——謝らないでよ。
私が二人にあやふやな態度をしてるだけ。
ラグ、大好き。大好きだけど、あやふやな私を許して
本当にどっちが好きかって言ったら・・・———
黄昏色の空は、二人を優しい光で包んだ。
照らされた二人の顔は、涙がこぼれていた。