二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【日和】Dream novel ( No.4 )
- 日時: 2010/05/03 15:57
- 名前: 裂谷 (ID: A9wxTbZM)
- 参照: 元真鶴でっす!!サクヤって読みます!
勢いでサンプルだと思う。
『最初で最期の…』
大王夢…だと思う、あと現代パロだし、皆子供ww
椿視点
私は生まれつき、病気持ちだった。
いつも寝ている。だから、学校なんて行けない。
友達も、ずっとずっと、昔からの憧れ。
「椿…お母さん達、出かけてくるわね。安静にしてなさいよ。」
「…うん、わかった」
そう言って、母は出掛けた。
外を見れば、地面が白くて、雪が降っていた。
ガラッ、と窓を開けて外の空気を吸った。
下を見ると私くらいの歳の子が雪投げをしていた。一人大人がいるけど。
「太子、日頃の恨みじゃいっ!」
「おまっ!!?」
「葵さんナイスですっ!!」
「曽良君なに作ってるの?」
「ただの雪兎ですよ。」
「可愛いですね!!」
「鬼男君…セーラーはやっぱし寒いね…」
「着てくんなよバカ!!」
「つーわけで着替えてきたっ!」
「はえーなオイ」
なんて会話していた男の子がこっちを見ている。
「…君、何してるの?」
「…私、遊べないから、こうして見てるだけでいいんです…。」
ふっ、と笑った。つもりだった。
「…どうしたの?泣いてるけど…」
「ぇ…?ホントだ…。」
流れるものは止まらなくて、酷くなるだけだった。
すると彼が、
「一日ぐらいいいじゃん。遊ぼ!」
と笑った。
「で、でも」
「ねーっ、皆ーっ!!」
流された…気がする。でも、嬉しくて、双子の姉の服を借りて外に出た。
(…あれ?今の時間って…学校だよね?)
「あ、あの」
と私が言いかけると皆がこっちを見る。
「皆さん…学校とかは…」
と控えめに言うと、女の子が
「ウチら、孤児院にいるんだ。」
と人差し指を立てて言った。
「そうなんですか…」
と言ったその時。
女の子と私に雪玉が当たった。
「葵、油断は禁物でおまっ!」
「ってめ…だぁっ!!」
女の子の投げた雪玉は見事にほかの男の子にぶつかった。
「げッ…!曽良君に当たった…!」
「ぽぴーっ、ぎゃーッ!!!」
そしてその男の子の投げた玉は凄いいっぱいで、全員にぶつかった。
「おまっ!!」
「うわっ!」
「にゃっ!!」
「ヒヒーン!!」
「きゃっ!」
「イカーッ!!」
「あいてっ!」
「ふえっ!」
自然に私は雪玉を作ってほいっと投げた。
それは女顔の男の子にあたった。
「あてっ!冷たっ!」
「フフフ…お芋に集中攻撃でおまっ!」
「なッ、太子、何言って…うわ、いたっ、やめっ」
「集中こーげきー♪」
「妹っち可哀想〜!」
「うわーっ、山になっちゃったよ!!」
沈黙が続く二分…
「ぷはっ、死ぬかと思った…!」
「あはははははは!!」
気付けば私は笑っていた。それに続いて皆も笑う。
(一人除いて。)
「あの…真面目に寒い…。」
その声を聞いて、慌ててその子を掘り起こす。
「俺はまぁ、アレだよ、通称大王!名前は作者が思いつかなかったから通称!」
「そうですか…私は椿です、今日は、遊んでくれてありが—」
言い掛けた所で、めまいがして、倒れた。
「!?うそっ!」
「椿ちゃん!しっかりして!」
「え、へへ…もう、会えないのかもしれません…。」
「ヤだ、しっかりしてよ!」
「もし…私が生まれ変わったら、その時は…」
「仲間に、入れて下さいね…」
笑って、言った。その後に…
私の意識はなくなった。
「…あれ、ここって…。」
と起きて、呟く。
すると、目の前に、人が浮かんだ。
「ぇ…貴方は…」
「大王さん…。」
そう言うと、彼は私に向き直って、言った。
「そうだよ。俺…実は、ヒトじゃないんだ…。」
「下界に行って、人の様子を見てたんだ。」
「そうですか…。」
そう返すと、彼は寂しそうな顔をした。
「こんな事、言うのもなんだけどさ、」
「キミの事、正直言って好きだよ。」
「えっ…?」
と零したその時。
手足が、消えていっているのに気が付いた。
「嘘っ、なに、これ…」
「もう時間か…。じゃあ…」
「またいつか、会おうね、椿。」
「…はい。」
消えてゆくのに、笑っている自分。
それは。
前に、彼がいるから。
それは—
最初で、最期の恋だから。