二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニプリ“You are loved”オリキャラ募集!! ( No.12 )
日時: 2010/05/04 11:25
名前: 夜琉 ◆nFgGo2zKeY (ID: CUrDDjil)
参照: http://d.hatena.ne.jp/my-reborn/

弐話 「入部をかけて」

「ど、どうすんの〜。あたしドジだから無理! 麗宜しく」(蘭)
「はぁ?」(麗)
「貴方、麗っていうの? 麗ちゃんがやってくれるんだ、宜しく」(昧)

————何でだよ!つか、ラケットどうすんだよ。まず、無理だっつの。
見た目大人しそうに見えるものの、心の中はかなり悪い。
昧は既に、着替えており戦闘モード。
————戦闘モードってわけね。
麗が、昧に渡されたラケットを手にする。
すると、麗がそのラケットに反応する。

「あ……。——……じゃん」(麗)

麗が何かをボソッと言う。
しかし、それを聞いていたものは居なかった。
すると、男テニコートから、男テニの声が聞こえてくる。

「あぁ! 今から、試合するみたいっすよ、先輩」(?)

今のは、堀尾聡史ほりおさとし
越前リョーマと同じく、テニス部部員である。
堀尾聡史以外にも、男テニの部員達が集まってくる。
もちろん、レギュラー軍も。

「へぇ〜、楽しそうだにゃ」(?)
「ふ〜ん。試合するんだ」(?)
「……どうせ、部長が勝つでしょ」(?)
「そうなる可能性の方が高いな。相手は初心者のようだからな」(?)

一番目が、菊丸英二きくまるえいじ
プレイスタイルは、サーブ&ボレイヤー。
二番目が、不二周助ふじしゅうすけ
プレイスタイルは、カウンターパンチャー。
三番目が、噂の越前リョーマ(えちぜんりょーま)。
プレイスタイルは、オールラウンダー。
三番目が、先ほど紹介したテニス部部長、手塚国光。
プレイスタイルは、リョーマと同じオールラウンダー。

「っていうかさ、あんたテニス出来んの?」(リョーマ)
「……あんた誰?」(麗)

麗が、少しリョーマを睨む。
リョーマは、気にせずそのまま聞き返した。

「今質問してるの、俺なんだけど」(リョーマ)
「……一応出来る……、と思う」(麗)

麗の答えは、もちろん曖昧。
本当にそうなのかどうかも、誰にもわからない。
もちろん、同じような性格のリョーマでも。

「私の質問にも答えてよ」(麗)
「……越前リョーマ。テニス部レギュラー」(リョーマ)

————なんか、超自信ありげじゃん。
麗は、リョーマを軽く睨んだ。
同じくリョーマも、同じように軽く睨む。
だが、そんなことなど気にせず、麗は歩いていく。
ラケットをしっかり握って、テニスコートに。
——————————
「着替えないの?」(昧)
「……別に、大丈夫」(麗)

すると、蘭の顔から血の気が引いていく。
その後に、思いっきり怒鳴った。

「ちょ、ちょっと、先輩に向かって何言ってんの!」(蘭)

だが、麗はそんなことで気にしない。
そんなことなど、無視して立ち居地に立つ。
そんな麗の、目つきが変わった。
真剣で、どことなく険悪な感じ——……。

「Onegamematch,美那浦Service game」(審判)
「早く、サーブ打ちなよ」(昧)

昧が、麗を挑発する。
しかし、そんなことで取り乱したりしない。
むしろ、その挑発には笑みをこぼす。

「言われなくても、打ちますけど?」(麗)

そう言っている間にも、既にサーブを打っていた。
しかも、かなり速い。
もちろん、昧は驚きを隠せない様子。

「あ、んた……」(昧)
「別に、初心者なんて言ってないですよ?」(麗)

麗は、ただただニコニコと笑うばかり。
まさに、それはただの挑発。
構えなどせずに、普通にクスクスと笑うばかり。
驚いたのは、部長だけではない、見学者さえも。
もちろん、男テニ部員でさえも。

「15-0」(審判)
「次行きますよ」(麗)

その間にも、既にサーブは打たれていた。
しかも、さっきよりも速い球を。
既に、球が部長を通りこしていた。

「30-0」(審判)
「次、行きますよ」(麗)

今度もまた、球を打つ。
……次は、そんなに速くはなってはいないようだ。
流石の昧も、その球は打ち返す。
少しながめのラリー続く。

「終わらせる!」(昧)

昧が、ショットを打つ。
しかも、威力があり、かつ速い球を。
しかし、麗は笑うのみ。

「駄目ですよ、そんなんじゃ」(麗)

麗が、ボレーで終わらせる。
長く続いたラリーも、今終わった。
昧が、思わず舌打ちをする。

「40-0」(審判)
「ちゃんとやってください……よ!」(麗)

麗が構える。
その構えというのが……「ツイストサーブ」。
男テニの部員が、驚きの声をあげる。

「やったことはあるとは言っても、ツイストサーブは」(部員1)
「そうだ。ツイストサーブなんて無理だ」(部員2)

部員達からは、無理だ無理だと声があげられる。
しかし、それを無視してサーブの構えに出る。
昧も、打てるわけないとニヤッと笑っていた。
その直後、麗がサーブを打った。

「え?」(昧)

昧が、驚きの声をあげる。
麗が打った球は、ちゃんとしたツイストサーブだった。
もちろん、昧がそんな球を打てるはずがない。
球は、昧の横を通り抜けていった。

「GameUonbai美那浦!」(審判)
「おいおい、勝っちゃったにゃ。あの、鬼部長に」(菊丸)
「やっぱ、弱いね。ってことで、蘭の入部は決定。私、帰るから」(麗)

麗はそれだけ言うと、昧にラケットを返した。
そして、ニコッと笑うと、自分の荷物を手にする。
昧は、我に返ったように大声で言う。

「あ、あんたは、入らないの!?」(昧)
「……えぇ。テニスはやめたんです」(麗)

麗は、悲しそうにそう返した。
何故、そんな表情をするのかは、誰にも分からない。
昧は、むきになって聞いた。

「何でそんな実力があるのに、テニスをやらないのよ!」(昧)
「……トラウマ……ですかね?」(麗)

麗が、寂しそうに昧に言った。