二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: テニプリ“You are loved”参話up ( No.37 )
- 日時: 2010/05/05 17:17
- 名前: 夜琉 ◆nFgGo2zKeY (ID: CUrDDjil)
- 参照: http://d.hatena.ne.jp/my-reborn/
五話 「男テニvs女テニ×新技」
「まぁ、せいぜい飲んでればいいよ」(麗)
麗が、ニヤッと笑って男子テニス部員に向かって言う。
普通の人なら、そんな笑みを見せられて普通に居られるわけがない。
ってわけで、ここにはすぐに腹を立たせる奴も居る。
その人というのが、荒井先輩で……。
「おい、そこの一年! てめぇ調子に乗るなよ!」(荒井)
すると、荒井が麗に向かってサーブを打つ。
もちろん、麗の手にはグリーンのラケット。
だが、ボールにラケットを翳そうとはしない。
ボールは、どんどん麗に向かってくる。
麗はやっとのことで、ボールを見た。
しかし、ラケットを翳そうとも、ボールを避けようともしない。
「美那浦、伏せろ!」(手塚)
「伏せる? ふざけないでよッ!」(麗)
麗が、ニコッと笑った。
そう、ラケットを翳さなかったのではなかった。
ただ、打ち返すために後ろから思いっきり振る準備をしていたのだ。
もちろん、このままでいけば、確実に荒井の顔に当たる。
「や、やめろ!」(荒井)
「先輩が、打ってきたんですよッ!」(麗)
麗が、またニコッと笑った。
そして、そのまま大きくラケットを振る。
もちろん、そのボールはラケットにヒット。
つまり、今は荒井に向かってボールは飛んでいる。
「う、うわあぁ!」(荒井)
「大丈夫ですよ。ちゃんとしてますよ」(麗)
すると、飛んでいたボールが急降下する。
荒井は、驚いて尻餅を着く。
「何すんだよ!?」(荒井)
「別に。顔に当てるほど馬鹿じゃないです」(麗)
クールな表情で言ったかと思えば、不適に笑う。
もちろん、今のは荒井への挑発。
これで、怒らないわけがない。
「んだとてめぇ! お前、俺と勝負しろ!」(荒井)
「……別に良いですよ」(麗)
麗がまた、不適に笑う。
その次は、もう勝ったかのように笑う。
荒井がここで、何も言わなかったのは、試合のせいだろうか?
——————————
「お前を、ギッタギタに叩きのめしてやるよ」(荒井)
「逆立場にならないように、せいぜい頑張りなよ」(麗)
荒井が、今にも爆発しそうな気持ちを、グッとこらえる。
だが、そろそろ限界にきそうなのか、顔が少し赤い。
「美那浦、Service play!」(審判)
「行くよ、先輩」(麗)
「望むところだ!」(荒井)
荒井が、自信ありげに麗に言った。
麗が、ボールを高く上げる。
ツイストサーブが来るか、それとも普通のサーブか。
予測くらいは、少しくらいなら着く。
あの構えは——……、
『ツイストサーブだッ!』
「く、来る!」(荒井)
「……残念、普通のサーブだよッ!」(麗)
麗のサーブが、荒井の横をお構いなしに通り過ぎる。
荒井はただ、そのボールをジッと見つめるだけ。
麗が、軽くフッと笑う。
「見極め、下手だね」(麗)
麗が、ラケットを肩に乗せる。
まさに、荒井を見下したかのように。
もちろん、荒井がカチンッと来ないはずがない。
「ふざけんなてめぇ! 次は打ち返してやる!」(荒井)
「こりゃどーも。テニス、面白くしてくれるんだ?」(麗)
また麗が、ニヤッと笑う。
荒井が、怒りをグッとこらえて麗を睨む。
————あー、怖い怖い。
もちろん、この気持ちは棒読みである。
本気で怖いなんて、麗が言うはずがない。
例え相手が、誰であろうとも。
「次、行くよ」(麗)
「の、望むところだ!」(荒井)
また、麗がフッと笑う。
今度はきちんと見極めようとする、荒井。
麗が、ボールを高く上げる。
パンッ、とラケットでボールを打つ音がする。
今度も、見極めてみると、そのボールは普通のサーブだった。
「普通のサーブだな! もらいッ!」(荒井)
荒井は、勝ったような言い方をする。
そんな荒井を見て、麗がまたフッと笑う。
「残念。それ、普通のサーブじゃないよ」(麗)
麗の言った直後だった。
ボールが、荒井の何mか前で曲がった。
「ボールが、曲がった……?」(荒井)
『今の見たか?』『すげー』
「何? それ」(リョーマ)
「見た事ないね。聞かせてよ」(不二)
麗がまた、フッと笑う。
この人は、何回笑えば気が済むのだろうか。
それに、今日何回笑っただろう。
しかし、この技は見たことないかもしれない。
「今の技は、SuneikuServingっていう技」(麗)
「SuneikuServing?」(不二)
天才の不二が、麗に向かって聞いた。
そんな手塚を見て、またフッと笑う麗。
「Suneikuのサーブバージョンですよ。単なる」(麗)
「……そんなことが出来るの?」(不二)
不二がまた、麗に向かって聞く。
また笑うかと思えば、無表情になる。
そして、そのままの表情で言った。
「出来るから、今やって見せたんでしょ」(麗)
「ふーん。やるじゃん」(リョーマ)
不二の質問に、そっけなく返答する。
そんな麗に向かって、以外にリョーマが褒めた。
その時だった。
テニスコートには、部長である手塚の声が響いた。
「そこ! グラウンド十週」(手塚)
そう叫びながら、麗と荒井を指差す。
おまけに、レギュラー候補達(ほぼレギュラー決定軍)にも指差す。
「ゲッ」と言いながらも、麗は既にグラウンドに出ていた。