二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニプリ“You are loved”五話up ( No.40 )
日時: 2010/05/08 14:41
名前: 夜琉 ◆nFgGo2zKeY (ID: CUrDDjil)
参照: http://d.hatena.ne.jp/my-reborn/

六話 「男装×テニス」

「……ここのレギュラー軍、以外と遅いし体力ないね」(麗)

麗が、そう言ったのも無理はない。
女子であり、それに一年の麗がゴールしている。
なのに、レギュラー軍であるリョーマ達はまだゴールをしていない。
ありえない状況であるのに、麗はフッと笑っている。

「いい気味だね」(麗)
「もう終わったよ」(?)

後ろから声がする。
もちろん、男の人の声が。
その男の人というのが、越前リョーマだった。
麗が、ムッと顔を顰める。

「勝手に話しかけないでよ」(麗)
「ボーッとするから、悪いんでしょ」(リョーマ)

リョーマが、麗に意地悪く言う。
それを見た麗は、意地悪く笑う。

「まぁ、いいけど」(麗)
「麗ちゃーぁん!」(?)

この、朝練から五月蠅い声はというと……。
もちろん、あの“蘭”だ。

「……ウザいから、お願いだから来ないで」(麗)
「ひどっ! まぁいいけど〜」(蘭)

ブツブツ言いながらも、麗についていく蘭。
仕方なくではあるが、麗もしぶしぶ一緒に歩く。
この二人のコンビは、どうなるのやら?
——————————
「これを英訳できる奴は?」(先生)

只今の授業は、“英語”。
先生の質問に、手を挙げる者は誰一人いない。
そんな中、先生は溜息を着きながら、生徒を見渡す。
その中で、一際目立つ生徒が三人。
三人とも、もちろん居眠りをしている。
その三人というのが、越前リョーマ。
その隣の席である、美那浦 麗。
そして、最後に一人というのが、依鑿 蘭。

「そこ! 居眠りしてる三人! この三つの文を、一人一つ答えろ」(先生)

先生が、黒板に書いている文を指していう。
一つ目が、「今日は空が晴れています」。
二つ目が、「猫が眠そうにしています」。
三つ目が、「何故そうなったのですか? 理由を述べよ」。

「一つ目は越前。二つ目は依鑿。三つ目は美那浦」(先生)
「「面倒くさい」」(麗×リョーマ)
「……良くハモったね……」(蘭)

麗とリョーマのハモりに、蘭が苦笑いする。
そんなことなどお構いなしに、この二人はさっさと黒板に向かう。
黒板についたと同時に、答えを黒板に書いた。
もちろん、蘭は何のことを書いてるかさえ分からない。

「The sky clears up today.」(リョーマ)
「せ、正解だ」(先生)

リョーマが、問題をあっさりと答える。
それも当たり前。
“英語”は、リョーマの得意分野だ。
先生が唖然としている中で、リョーマが気にせず席に着く。

「つ、次は依鑿」(先生)
「は、はひぃ!」(蘭)

もちろん、今ので蘭は笑い者に。
まぁ、麗とリョーマの表情は変わらないが。
蘭は気にせず、体を黒板へと動かす。
だが、その動きというのがぎこちない。

「……どうせ、分かんないんでしょ」(麗)

麗が、無表情のまま黒板に答えを書く。
しかも、自分の問題ではなく、蘭への問題を。

「The cat is making it to sleepy. 」(麗)

そう告げると、また次の問題に移る。
その問題も、サラッと書いてしまった。

「Why did it become it so?Describe the reason. 」(麗)
「せ、正解だ……。戻っていいぞ」(先生)

麗も、リョーマと同じように席に着く。
前では、蘭と先生が唖然としていた。
そんなこんなで、飛ばして放課後——……。
——————————
「美那浦!」(竜崎先生)
「……何ですか、先生」(麗)

麗が、ふてくされた顔で聞く。
それに、溜息をつきながらも答える竜崎先生は言う。

「後で呼ぶから、男テニコートに来てほしい」(竜崎先生)
「……遠慮しときます。何か、嫌な予感するんで」(麗)

麗が、冷静に判断した結果がこれだ。
一度言って、切り替える麗ではない。
きっと、絶対にそうだろう。
仕方なく、先生は去っていった。

「集まれ」(竜崎先生)
『うッス!』

先生が、男テニ部員を集める。
号令を合図にして、男テニ部員が集まってくる。
もちろん、レギュラー軍も。
面倒くさがりの、越前リョーマも。

「今日は重大発表がある」(竜崎先生)
「何すか」(リョーマ)

リョーマが、不機嫌そうに言う。
そんなリョーマなども気にせず、竜崎先生が笑う。
そして、いきなり叫んだ。

「女テニ美那浦、来い!」(竜崎先生)
「……行かないって言ったじゃん」(麗)

麗が、ふてくされながらも来る。
超、先生を睨んで。
その時だった。麗が横を向いて、目を見開く。
その先には、一人の男が居た。
ルックスも結構良いほうだろうか?
結構カッコイイ。モテる方だろう。

「……何しに来たの?」(麗)

麗がそう言いながらも、先生の方へと向かう。
やはり、横目で男を睨みながら。
だが、その男も決してめげているわけではない。
むしろ、ヘラヘラ笑っているだけだ。

「私が呼んだんだ」(竜崎先生)
「まぁ、俺も行かせてくださいって頼んだんスけどね」(?)

謎の男が、頭をかきながらこちらへと向かってくる。
しかも、ニコニコヘラヘラ笑いながら。

「あぁ、こいつは「俺はテニス大会開催者の、白神 海輔ッス」(海輔)
「で、今日は何の用だよ」(麗)

麗が、相変わらず睨んで言う。
男も、相変わらず頭をかきながら言う。
しかも、ニッコニッコ笑いながら。

「“君”には、男子テニス部に入ってもらう。試合の時だけ男装してね」(海輔)
「……ふざけるな!」(麗)

テニスコートには、麗の叫びが響いた。