二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 —消えない嘘— ( No.35 )
日時: 2010/05/19 17:35
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: MnGilHyY)

 貴方達なら、信じられるかもしれない。
それを試すためだって事、気づいてないよね——?
      第11話 「怒るチビ」

「どりゃあぁぁぁっっ!!」

 エドワードはバシバシ錬成を繰り返しながら、レンを追いかけ続ける。アルフォンスも慌てて追いかける。
 レンは、ケラケラ笑いながらエドワードとアルフォンスから逃げ続けている。

「ったく〜っ……!」

 エドワードは手を合わせた。そして地面に手をつける。すると、先を進んでいるレンの周りに、手形の壁が出てきた。
 そして、レンを包囲しようとしている。しかし、レンもそこまでは甘くない。
 
「エド〜。少し、能力かしてね〜」

「あぁ!?」

 レンは微笑みながら言うと、自分の足元を見た。レンの目元の錬成陣が輝き、そこからエドワードがいつも使っているような槍が出てきた。
 レンはそれを片手でつかみながら上にあげて行く。
 エドワードは大きく口を開けて、げ、という顔をしていた。

「エド、このあたりで槍を錬成するのが見えたから。真実、というか、先に見ちゃった! だから、少し能力使わせてもらうよ〜って言う意味ね」

「おめーの能力はなにものなんじゃーッッ!!」

 エドワードはそう叫ぶと、手を合わせ、地面に手をつけた。そこから槍を錬成する。それを上へと持ち上げて行く。
 そして錬成した後、エドワードははっとなった。
 レンの言ったとおりに、エドワードは槍を錬成したのだ。

「お〜! エドってば、言ったとおりになって! チビはやっぱり、大きい人の言う事を聞くのかな〜」

 そう言って、ベーッというように舌を出すと、槍をエドワードとアルフォンスに向かって投げ、逃走した。
 
「のわっ!」

 エドワードは慌ててよけた。アルフォンスは槍をガシッと掴んだ。
 そして、顔に手を当て、ため息をつきながら言った。

「兄さん。レンさんに遊ばれすぎ! というか挑発に乗りすぎ! 冷静さが保ててないよ!!」

「うるせーっっ!! あいつがオレの事をチ……挑発してくるから! 乗ってやってるだけだーっっ!!」

(絶対嘘だ……)

 アルフォンスはため息をつきながらも、また走り始めたエドワードを追いかけはじめた。
   〜つづく〜