二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 鋼の錬金術師 —消えない嘘— ( No.63 )
- 日時: 2010/05/23 20:44
- 名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: 8JrV/Llz)
時間厳守! そんな事言っても、さ……。
やっぱり……約束って言う物は、守らなきゃいけないよね?
第19話 「ねぼう」
朝になり、太陽が昇る。エドワードの眠る部屋にも、その朝日が静かにさしこんでいた。
「……兄さん。兄さん、起きて。兄さん」
「…………」
アルフォンスはエドワードの体を揺さぶるが、一向に起きる気配はない。
アルフォンスは、やれやれ、というように肩をすくめた。
そんなアルフォンスの目の前で、エドワードは気持ちよさそうに眠っている。
「……兄さん。本当に……」
アルフォンスはまたまたため息をついた。
時間がたち、アルフォンスはあきらめたのか、エドワードから離れた。
そんな中で、エドワードはまだ眠っている。
「兄さん……全く……レンさんの所に行かなきゃいけないし、それに朝食もとらないと。昨日も食べてないんだから……。食べないと育たないよ? 牛乳飲まないと身長とかも伸びないし……」
アルフォンスが言った瞬間、エドワードが勢いよくとび起きた。
目はきつく、その表情から怒っているという事が読みとれた。
「だれがチビか!!」
「そんな事言ってないよ。それより兄さん……今、何時だと思う?」
エドワードが怒りを残したままの表情で、室内にある時計を見た。
そしてその顔が蒼白になる。アルフォンスはまたため息をついた。
「まぁ、兄さんの心が痛むだろうからはっきりと時間は言わないけど……。今日、確か約束あったよね?」
「……アル! 頼むから宿主に簡単に食べられるものもらってきてくれぇッ! オレはその間に着替えとくから! ほんっと頼むから!」
「分かった。早く着替えしといてよね」
ため息をつきっぱなしのアルフォンスは部屋を出た。
エドワードはベッドから下りて、靴をはく。急いで水をくみ、顔を洗う。
そして赤いコートを羽織り、その金色の髪をいつもの三つ編みにする。最後にこのコンプレックスへの対処法のアンテナをセットする。
その時丁度アルフォンスが戻ってきた。ピンクと白色の布がひかれたバスケットを持っている。
その中に小さめの丸パンが3,4個入っている。
「兄さん。ほら、パンもらってきたよ」
「サンキューなっ!!」
エドワードは言うと、銀時計を身につけ、鞄を持ち、パンを1個に握った。
「行くぞ、アルッ!!」
「兄さん! 座って食べなきゃ行儀悪いよ! ……本当に……」
そういいながらもアルフォンスも走り出した。
「……バカ……嘘つき……エドとアルの……嘘つき……」
〜つづく〜