二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 —消えない嘘—  ( No.66 )
日時: 2010/05/25 19:53
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: soVn9TCU)

 所詮……同じなんだよ。人間だから。
人間って言うのは、残忍、残酷……そして、嘘をつく——……。
 
      第20話 「嘘じゃない」

 ベッドの上で呟いたレンを、マレアは悲しそうな目で見つめた。
 レンは唇をかみしめている。涙をこらえているのだろうか。目がうるんでいる。

「……レン……」

「……大丈夫……。だって……お母さんが、いてくれるんでしょう?」

 レンは微笑みながらマレアに問う。
マレアは目を見開きながら、レンに微笑み返した。

「当たり前じゃないの。私はレンの味方よ。あ……」

「? どうしたの、お母さん」

 マレアはニッコリと微笑んだ。

「この世にも、貴女を裏切らない人はいるみたいよ」

「……え……っ?」














「いっそげぇぇぇっっ!!」

 大急ぎでエドワードとアルフォンスが走っている。
 病院に入り、受付を済ませ、大急ぎでレンの病室へと向かった。

「レンーッッ!!」

 バターンッッ、と、勢いよくエドワードは病室の扉を開けた。
 ベッドに座ったまま茫然とエドワードとアルフォンスを見つめているレンと、椅子に腰かけながら笑ってエドワードとアルフォンスを見ているマレアがいた。

「エ、エド……ア、ル……! うっ……」

 レンが涙を流した。エドワードとアルフォンスは慌てる。

「本当に!! 本当に悪かった!! そ、その……寝坊して……さ」

「う、そ、ついたかと……思った……」

「え……?」

 レンがしゃくりあげながら言う。エドワードとアルフォンスはレンのそばに駆け寄った。

「エドとアルも……嘘ついて……私を……騙して……裏切ったのかと……思った……」

「……ゴメンな、レン……」

 レンは泣くのをやめ、エドワードとアルフォンスに、しっかりと笑顔を見せた。
   〜つづく〜