二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師 —消えない嘘—  オリキャラ募集中! ( No.87 )
日時: 2010/06/08 21:32
名前: ちー ◆m6M0e7LQrQ (ID: x9WEDbHK)

    番外編 錬金術は時に裏切りを作る

「レン! 遊ぼう!」

「セル! 来てくれたんだね! 待ってね、今下りるから!」

 あの頃はまだ幸せで、あれが私の悲劇となるとは、想像もしていなかったことだった。
 そう。あの出来事で、私の世界が変わるなんて——。

「ねぇ、セル! 錬金術、って知ってる?」

「錬金術? あぁ、知ってるよ! 何でも作れる化学だよね!」

 7歳。そのころの私の友達は、セル。朱色の短い髪をしていて、明るいぱっちりとした黄色の目。優しくって、私の友達だった。
 その時ちょうど、錬金術の話になった。セルはあまり錬金術には詳しくないらしいけど、一応知っているらしかった。

「なんでも? 何でもじゃないよ! 錬金術って言うのはね、等価交換、って言う法則があるんだよ!」

「へぇ〜。レンって、錬金術使えるんだっけ? 私、見た事ないんだよね!」

「じゃあ、私が見せてあげる! あの広い草原に行こう! 綺麗な湖もあるし、植物がたくさんあるし! 学校で先生とかにも教えてあげられるでしょう?」

 フォーデルの町の片隅に、広い広い草原がある。草原と言っても、綺麗な湖もあるし、動物もたくさんいるし、植物もたくさん生えている。いわば、湖畔。

「そうだね! じゃあ、行こう!」









「……それじゃあ、いっきまーす!」

 メキッ、メキメキメキッと、木が折れて、倒れた。セルは息をのんで見つめている。レンは目元の錬成陣の輝きが収まると、セルを見た。

「どう? これが錬金——。セ、セル?」

 見ればセルは後ずさりしていた。その目は、まるで化け物を見ているかのような目だ。

「こ、これが、レンの言う、この木の真実の姿?」

「そ、そうだよ? ……セ、ル? ……何この子、化け物? あの巨大な木を一瞬で破壊しちゃうなんて、化け物以外の何物でもない」

「なっ、なんで私の心——! キッキャアアアア!!」

「セルッ!!」

 うっかりセルの考えを見てしまった。レンは後悔した。慌てて町に戻ると、そこはもう、先程のフォーデルとは違っていた。
 セルが皆にレンのことを言いふらしたらしく、レンを見る目はあからさまに違っていた。冷たく、恐怖に満ちた目。

「セ、セル……。どうして……っ?」

 レンの目から涙があふれる。錬金術を知らないセルには、レンの力があまりにも怖かったのだろう。

「ねぇ……ねぇ、皆! なんで? っ! なんでぇっ……!」

 町には、レンの声がこだましていた。

     ○あとがき○

書いちゃいました!レンの過去……かな?
レンの運命は、セルから変わりました……。
つか、セル完全悪役っぽい……;;