二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 白悪鬼と黒悪鬼が降臨した【銀魂】 真撰組殺乱編&アンケup ( No.414 )
日時: 2011/09/14 18:32
名前: 柚莉(●>ω<●) ◆K5Psnlr5tM (ID: Y9gy.IyS)
参照: カキコに柚莉ふっかあああぁぁああつぅぅぅぅ!!!!

*第三十六訓 解毒剤




「はぁっ、はぁ…っ」




杏里は今鬼兵隊の船にいた。

久しぶりに全力疾走したせいか、杏里はちょっと息が切れていた。



(今ここで、息を整えている間にもあっちは戦っているんだから…)



杏里はぐっ、と拳を握り速足で中に入っていった…。









杏奈said


「ー…ちゃん、…ー…ちゃん、……!!」





草むらで遊んでいる小さな女の子たちがいる。
歳は6歳ぐらいの年齢の子二人と4歳ぐらいの女の子だ。






「ぁ、ょ……ぅ!!」








「…ん。…ぃ」









「…たー」






その女の子たちはすごく楽しそうに遊んでいる。


だけど、その顔は見覚えがある…。

なんで、もっとはっきり声が聞こえないの…?
はっきり顔をも見せてよ…!!



そう、私が思った瞬間、その女の子の顔は見えた。






私…?



あれ、は幼い私…?

その隣にいるのは杏里…?




もう一人の子は…知り合い……?








そう思った瞬間、映像はぷつんと途切れた。











銀時said



「ぁ…ず…」




杏奈が何か囁いた。

だが、小さくて何言ったのかは聞こえなかった。







「何て言ったんだ…?」





俺が無意識に問いかけていると、









「あ…ん、ず…」





杏!?



杏奈は確かに、杏といった。


だが、杏奈、杏は…。






俺がそう思ったとき、病室の扉がガラッと開いた。





杏里かと思い、扉の方に視線を向けたが、扉を開けた人物は俺を驚愕させるには充分だった。




「何でテメーがここに…」











「だーから何度も言ってるでしょ!?あたしは晋助の知り合い!!というか、彼女だ!!てめェの耳はお飾りか!?」








「黙るッス!晋助様を呼び捨てで呼ぶなんか許せないッス!!それに晋助様に彼女なんか認めないもん!!」





さっきから、杏里が船に入ろうとする度このやり取りだ。
いい加減、杏里もキレそうで、




「しつけーんだよ、金髪貧乳女!!」







「Σなっ…!!」



金髪貧乳女こと—来島また子は赤面しながら、






「そんなの、分からないもん!!」







「てめーより、あたしのほうがでけェ!!ってことで退けや!!」







「ダメッス!!怪しいものはとうしちゃいけない決まりッス!!」







その言葉に杏里の三本あるうちのキレ線線が一本切れた。





「あ゛ー!!もう、キレた!!!!そこ退かねェなら、無理矢理通してもらう!!」




杏里は愛刀—黒蝶薔薇(こくちょうばら)を抜きながら言った。




また子が銃を構えるより早く、



「“黒薔薇の舞”!!」




杏里がそう言ったと同時、黒い薔薇がまた子の周りを囲み包んだ。
否、瞬殺だった。



「そこで大人しくしてろ…」






杏里はそう言い捨てて、船の中に入っていった。
















「ちっ、晋助のアジト入ったことねェから、どこが晋助の部屋かわかんねーし!!」



杏里がキレながら言ったとき、後方から刀を持った浪士の声が聞こえた。





「いたぞ、侵入者だー!!」







「取り押さえろー!!」







「こっちもめんどーだ!!」






叫びながらも杏里は走る速度を緩めたりしなかった。







その時、








「いたぞー!!」






「後ろと前から挟み込めー!!」







後方からも刀を構えた浪士が出てきた。










「あ゛ーめんどうだから、あまり使いたくないけど…“黒薔薇一閃斬り”!!」




杏里が刀を横に一閃した瞬間、





———ゴバッ





黒い薔薇が浪士の腕、肩、足、腹などの色んな箇所に刺さっていた。
黒い薔薇の先端はクナイの如き尖っており、目に見えないスピードで飛んでいき、浪士たちを悶絶させるには十分だった。







「ぐあっ」






「ぐっ」






「あ゛ー晋助の部屋はどォーこだああぁあぁああ!!!!」





杏里はものすごくでかい声で叫んだ。






「相変わらず、でけー声だなァ」







「し…晋助!?い…いつからそこにいたのよ!!」





突然声がしてその方向を見れば高杉が立っていた。







「俺に何か用でもあるのかァ?」








「惚けないで。言いたいことは分かってるんでしょ?」







「ククッ、さァな」








「…病厄卿の解毒剤はどこ?」








「俺が持ってないと言ったら?」








「嘘つけ。病厄卿は入手困難など毒薬だ。そんなのを取り扱っているのは宇宙海賊春雨ぐらいだろ。あんたは春雨と関係があるし、解毒剤という大事なものを人様に預けるような奴じゃない。早く出せ」





杏里は手を出しながら言った。







「ククッ、全てお見通しってわけかァ。ほらよ」








高杉が投げてきたものを杏里は易々とキャッチした。





「これが解毒剤ね。確かに確保、っと。…偽物じゃないでしょうね?」






「偽物だったら?」







「黒薔薇の技で殺す」








「おっかねーな。そいつは本物だ」








「あっそ。長生きできてよかったね」






杏里はそう言い猛ダッシュで去って行った。








しかし、帰り際に杏里が小声で“…ありがとう”と言ったのに対し高杉は聞こえていたのか、優しく微笑むだけだった。