二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 白悪鬼と黒悪鬼が降臨した【銀魂】 真撰組殺乱編&アンケup ( No.414 )
- 日時: 2011/09/14 18:32
- 名前: 柚莉(●>ω<●) ◆K5Psnlr5tM (ID: Y9gy.IyS)
- 参照: カキコに柚莉ふっかあああぁぁああつぅぅぅぅ!!!!
*第三十六訓 解毒剤
「はぁっ、はぁ…っ」
杏里は今鬼兵隊の船にいた。
久しぶりに全力疾走したせいか、杏里はちょっと息が切れていた。
(今ここで、息を整えている間にもあっちは戦っているんだから…)
杏里はぐっ、と拳を握り速足で中に入っていった…。
*
杏奈said
「ー…ちゃん、…ー…ちゃん、……!!」
草むらで遊んでいる小さな女の子たちがいる。
歳は6歳ぐらいの年齢の子二人と4歳ぐらいの女の子だ。
「ぁ、ょ……ぅ!!」
「…ん。…ぃ」
「…たー」
その女の子たちはすごく楽しそうに遊んでいる。
だけど、その顔は見覚えがある…。
なんで、もっとはっきり声が聞こえないの…?
はっきり顔をも見せてよ…!!
そう、私が思った瞬間、その女の子の顔は見えた。
私…?
あれ、は幼い私…?
その隣にいるのは杏里…?
もう一人の子は…知り合い……?
そう思った瞬間、映像はぷつんと途切れた。
*
銀時said
「ぁ…ず…」
杏奈が何か囁いた。
だが、小さくて何言ったのかは聞こえなかった。
「何て言ったんだ…?」
俺が無意識に問いかけていると、
「あ…ん、ず…」
杏!?
杏奈は確かに、杏といった。
だが、杏奈、杏は…。
俺がそう思ったとき、病室の扉がガラッと開いた。
杏里かと思い、扉の方に視線を向けたが、扉を開けた人物は俺を驚愕させるには充分だった。
「何でテメーがここに…」
*
「だーから何度も言ってるでしょ!?あたしは晋助の知り合い!!というか、彼女だ!!てめェの耳はお飾りか!?」
「黙るッス!晋助様を呼び捨てで呼ぶなんか許せないッス!!それに晋助様に彼女なんか認めないもん!!」
さっきから、杏里が船に入ろうとする度このやり取りだ。
いい加減、杏里もキレそうで、
「しつけーんだよ、金髪貧乳女!!」
「Σなっ…!!」
金髪貧乳女こと—来島また子は赤面しながら、
「そんなの、分からないもん!!」
「てめーより、あたしのほうがでけェ!!ってことで退けや!!」
「ダメッス!!怪しいものはとうしちゃいけない決まりッス!!」
その言葉に杏里の三本あるうちのキレ線線が一本切れた。
「あ゛ー!!もう、キレた!!!!そこ退かねェなら、無理矢理通してもらう!!」
杏里は愛刀—黒蝶薔薇(こくちょうばら)を抜きながら言った。
また子が銃を構えるより早く、
「“黒薔薇の舞”!!」
杏里がそう言ったと同時、黒い薔薇がまた子の周りを囲み包んだ。
否、瞬殺だった。
「そこで大人しくしてろ…」
杏里はそう言い捨てて、船の中に入っていった。
*
「ちっ、晋助のアジト入ったことねェから、どこが晋助の部屋かわかんねーし!!」
杏里がキレながら言ったとき、後方から刀を持った浪士の声が聞こえた。
「いたぞ、侵入者だー!!」
「取り押さえろー!!」
「こっちもめんどーだ!!」
叫びながらも杏里は走る速度を緩めたりしなかった。
その時、
「いたぞー!!」
「後ろと前から挟み込めー!!」
後方からも刀を構えた浪士が出てきた。
「あ゛ーめんどうだから、あまり使いたくないけど…“黒薔薇一閃斬り”!!」
杏里が刀を横に一閃した瞬間、
———ゴバッ
黒い薔薇が浪士の腕、肩、足、腹などの色んな箇所に刺さっていた。
黒い薔薇の先端はクナイの如き尖っており、目に見えないスピードで飛んでいき、浪士たちを悶絶させるには十分だった。
「ぐあっ」
「ぐっ」
「あ゛ー晋助の部屋はどォーこだああぁあぁああ!!!!」
杏里はものすごくでかい声で叫んだ。
「相変わらず、でけー声だなァ」
「し…晋助!?い…いつからそこにいたのよ!!」
突然声がしてその方向を見れば高杉が立っていた。
「俺に何か用でもあるのかァ?」
「惚けないで。言いたいことは分かってるんでしょ?」
「ククッ、さァな」
「…病厄卿の解毒剤はどこ?」
「俺が持ってないと言ったら?」
「嘘つけ。病厄卿は入手困難など毒薬だ。そんなのを取り扱っているのは宇宙海賊春雨ぐらいだろ。あんたは春雨と関係があるし、解毒剤という大事なものを人様に預けるような奴じゃない。早く出せ」
杏里は手を出しながら言った。
「ククッ、全てお見通しってわけかァ。ほらよ」
高杉が投げてきたものを杏里は易々とキャッチした。
「これが解毒剤ね。確かに確保、っと。…偽物じゃないでしょうね?」
「偽物だったら?」
「黒薔薇の技で殺す」
「おっかねーな。そいつは本物だ」
「あっそ。長生きできてよかったね」
杏里はそう言い猛ダッシュで去って行った。
しかし、帰り際に杏里が小声で“…ありがとう”と言ったのに対し高杉は聞こえていたのか、優しく微笑むだけだった。