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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キノの旅—the Beautiful World—【短編集】 ( No.2 )
- 日時: 2010/05/06 19:25
- 名前: 雲丹 ◆HCrIwjIY4M (ID: Coc0ZMxQ)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
プロローグ「旅の理由」
綺麗な星空の夜の森
緩やかな風で森がざわめく音と共にパチパチと焚火をしている一人の人間がいた
黒い短髪に大きな瞳の整った精悍な顔つきをしており傍には一台のモトラドが止まっていた
「ボクが旅を続ける理由……?」
不意に人間の話す声が聞こえた。少年のような、そして少し高い声だ
「うん。そう」
今度は別の声がした。さらに若い感じのする、男の子ような声だった
最初に聞こえた声が静かに語りだした
「ボクは世界とか、他の人間の生き方とかが、全て美しく、素敵なもののように感じるんだ。ボクはそれらをもっと知りたくてそのために旅をしているような気がする」
「ふーん」
少し間を置いてまた話し始める
「だからといって、旅を止めようとは思わない。それをしているのは楽しいし、たとえば人を殺める必要があっても、それを続けたいと思えるしね。それに」
「それに?」
「止めるのはいつだってできる。だから、続けようと思う」
「正直言って分からないや」
別の声が感想を述べる
「さてと。ボクは寝るよ。明日もだいぶ走らなくちゃいけないし…。おやすみエルメス」
「おやすみ、キノ」
暗闇に厚い布がガサゴソ擦れ合う音がしたが、しばらくすると止んだ
プロローグ終わり
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