二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

章=第一章  出会い ( No.2 )
日時: 2010/05/07 14:20
名前: お⑨ (ID: a32fGRWE)

ピピ、ピピ、ピピピピピピピ 

ガタン

「んん〜」 

仕事を全うしようとがんばる目覚まし時計を、荒々しく叩いて止め、一人の青年がベッドから上半身を起こす。 
短く黒い髪の毛の青年だ。
 
「はあ〜あ、もう朝か・・・・・・。」 

大きな欠伸をしながら、寝癖のついた頭をボリボリと掻いて、開いているのかわからない程の眼でベットから立ち上がると背筋を伸ばしす。 
青年の身長は180センチ程で、長い足に、少し小さめの顔、俗に言うモデル体系だ。
顔付きも綺麗で、その関係の仕事をしていると言っても納得が出来る容姿をしている。

「ん〜ん〜っとぁ。」

少は目が覚めたのか、先程より多少は開いた眼で洗面所に足を運び、顔を洗ったり髪を濡らして寝癖をなおしたりて、一通りの用事を済ませる。

「さてと、確か朝は何もなかったよな。」
 
洗面所から出てきた彼は、スッキリとしたような顔つきで、ベッドに隣接した壁に掛けてあるカレンダーに目を向ける。
カレンダーには、赤や青のペンで予定等が多数書かれている。

「22日は………よし、午前中は何もないな。」

自分の予想が的中した事と、午前中に用事が無いことの喜びからか、自然と口から「よし」の声がでる。

「夕方からはバイトだから………3時位まで時間があるな。
それ迄は職探しでもしますかな。」

今後の予定を簡単に決め、目の前にある冷蔵庫から牛乳を取出して口に流し込む。
そして、目の前のトースターに食パンを放り込み、タイマーをひねる。 

チーン。 

パンが焼き上がると、その場でマーガリンを塗り、洗い物が一切出ないようにするために、そのままそれを口に運ぶ。
簡単に食事を済ませると、小さなパソコンテーブルに腰を下ろし、早速パソコンのスイッチを入れる。 

ブゥゥゥゥゥ、ブゥゥゥゥゥ 

そのタイミングに合わせたかのように、充電器に繋いだまま放置されている携帯電話のバイブレーション機能が慌ただしく音を鳴らす。

「ん?午前中に電話?誰だよ。」

若干怪訝な顔を浮かべながら、携帯電話を開くとそこには「山下琴美」と名前が出ている。 

「…………。」

数秒間の沈黙、その中で数回のバイブの音が、「早く出ろ」と言わんばかりに鳴り響く。
彼は、悩んだすえ受話器の『下ろす』ボタンに指を掛けて着信を拒否する。

「触らぬ疫病神に。」

ブゥゥゥゥゥ、ブゥゥゥゥゥ。

「……………。」

再度、携帯電話のバイブレーション機能が音を鳴らす「取ってくれるまで震えるんだから。」電話先の意志を、そのまま体現する携帯電話。

「はぁ〜。」

全力で『面倒臭い』と言う表情に出しながらため息をつくと、今度は受話器を上げるボタンを押して携帯を耳に運ぶ。