二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 東方 『神身伝』 ( No.20 )
日時: 2010/05/09 10:39
名前: お⑨ (ID: QP4Yy5Wh)

第三章 幻想郷
 
んで、ここはどこなんだよ。」

冬馬はとある森の中を歩いていた。
意識を失い、次に目を覚ました時には木々が生い茂る森の中だったのだ。
幸いにも、日が出ていて明るくなっていた御陰で、歩くことは出来ているものの、完全に当ても無く、小一時間は彷徨っている。

「マジでありえないぞこの状況。あの女見つけたら・・・・・・・どうしよう。」

勢い良く文句を言うものの、あっさりと自分の意識を奪った女性を、どうこう出来る気もせずに、肩をおとす。

「ふ〜、取り合えず、このまま夜になるのはまずいしな〜、。」

冬馬は立ち止まり空を見上げる。
太陽は丁度真上の辺りに見え、木々の葉から差し込む木漏れ日が、とても幻想的な物を思わせるが、今の冬馬にそれを満喫すほどの余裕は無い。

「とにかく進もう。」

うだうだと考えていても仕方が無いと、再び足をうごかす。

「ん、待てよ・・・・・・。」

何かに気が付いたのか、再び立ち止まり上を見上げる。

「行けるか、行けるのか?」

何かを自問自答すると、足の感覚を確認するようにぶらぶらと振って柔軟をする。
軽い柔軟を終えると、意を決したようにその場に勢い良くしゃがみ込み、地面を力いっぱい蹴る。
すると、冬馬の身体は羽のように軽く舞い上がり、10メートル近い高さまで飛び上がったのだ。

「うお、マジですげえ。」

再び自分の驚異的な身体能力に驚くが、飛び上がったその目的を思い出し、周りへと目を向ける。

「なにか、何か有ってくれ。」

曖昧な希望を口にしながら、360度全てを見渡す、そしてその目に入ってきたのは、高台にある神社だ。
建物は良く見えないものの、赤い鳥居が目立つ御陰で発見することが出来た。

「あった〜〜〜〜。」

歓喜の雄たけびだった。
見ず知らずの土地で、永遠に続くかと想われた探索に、終わりが見えた。