二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 東方 『神身伝』 ( No.21 )
日時: 2010/05/09 10:41
名前: お⑨ (ID: QP4Yy5Wh)

第三章 続

「そんなに距離も無かったし、これなら夕方には着きそうだな。」

着地をすると、神社が見えた方角に向かって、力いっぱい地面を蹴り走り出す。
しかし、次の瞬間・・・・ゴッチーン。
想像以上のスピードと勢いが出たため、見事に顔面から木に突っ込む。

「○×@#☆△〜」

鼻に手を当て、その場にしゃがみ込むと言葉にならない声をだして蹲る。

「忘れてた・・・・・・。」

赤くなった鼻をなでながら呟くと、前方に気を付けながら、今度こそ、神社のあった方向に向かって走り出した。
驚異的な身体能力の御陰で、思っていたより、大分と早く到着する事が出来た。
高台の上にある鳥居を見上げる。
そこには、『博麗神社』と書かれている。

「はく・・・れい・・・・・・。」

確認するようにその文字を読むと、そこ続く階段をゆっくりと上っていく。

「・・・・・・人が居ますように。」

神にでも祈るかのように呟き、あがって行くと、綺麗に掃除された境内と、真正面にあるお賽銭箱が目に入る。
鳥居を潜り、真正面に有ったお賽銭箱の許まで進むと、キョロキョロと周りを見渡す。

「そんな挙動不審でどうしたの?お賽銭でも盗むつもりかしら?」

急に真後ろから、女の子の声が聞こえてきた。
振り向くと、そこには赤く大きいリボンをした、脇の露出した巫女服姿の女の子が立っていた。

「いえ、そんなつもりは。」

すぐさま、賽銭泥棒では無いことを伝えるが、少女は疑いの眼差しを向けてくる。
そんな顔をしなければ可愛らしい容姿をしているのに、勿体無い。
とか、何時もの如く仕様も無い事を思っていると、少女が再び口を開く。

「じゃあ、何の用かしら?っと、見た事の無い格好してるわね・・・・・・まさか迷い人?」

冬馬は、病院で寝巻きの代わりに着ていた、黒いジャージ姿だった。
恐らく、目の前の少女は、その服が見馴れない物だったのか、若干怪訝な顔を向けて、呟いた。

「確かに、迷っていますし、此処が何処かも解らないんです。

気が付いたら森の中に居て、そこからこの神社が見えたので・・・・。」
ごく普通の服装を怪しむ少女に、疑問を感じながらも、冬馬は自分がここに来た経緯を話す。
少女は冬馬の言葉を聞いてから、暫く黙って考え込む。

「いいわ、着いて来て。」

そう言うと、神社の裏側えと歩いていく。